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糖尿病内科

糖尿病の改善・予防に何が大事?症状や原因も合わせて解説します

2022.09.12

この記事では、糖尿病の「症状」や「原因」をご紹介していきます。後半部分では「糖尿病の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。


【目次】
糖尿病とは?
糖尿病の症状について
糖尿病の予防について
【糖尿病の予防1】運動をする
【糖尿病の予防2】健康的な食事
【糖尿病の予防3】ストレスをコントロールする
【糖尿病の予防4】アルコールは適量にする
【糖尿病の予防5】たばこを吸わない
糖尿病が引き起こす合併症について
 

 

糖尿病とは

はじめに「糖尿病」について解説します。
糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気(インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています)。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全といった、より重い疾患につながります。
そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに専門医による診察を受けましょう。

測定血液砂糖 - 糖尿病 ストックフォトと画像

糖尿病は原因により4つのタイプに分けられます。

糖尿病は原因により「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」「その他の特定の機序、疾患によるもの」の4つのタイプに分けられます。  

<1型糖尿病>
1型糖尿病は、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞:べーたさいぼう)が、壊されてしまう病気です。
β細胞からインスリンがほとんど出なくなることが多く、1型糖尿病と診断されたら、治療にインスリン製剤を使います。
世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病といわれています。なお、1型糖尿病でβ細胞が壊される原因はよくわかっていません。
ただ、ひとつには免疫反応が正しく働かないことで、自分の細胞を攻撃してしまうこと、つまり「自己免疫」が関わっていると考えられています。
1型糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」、もしくは「糖尿病のメカニズム(原因と経過)」をご覧ください。


<2型糖尿病>
2型糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)が正常より多くなる病気です。初期の頃は自覚症状がほとんどありません。
しかし血糖値を高いまま放置すると、徐々に全身の血管や神経が障害され、いろいろな合併症を引き起こします。
2型糖尿病は遺伝的な要因に“運動不足”や“ 食べ過ぎ”などの生活習慣が加わって発症すると考えられています(はっきりとした原因はまだわかっていません)。
なお、2型糖尿病は中高年に多く、糖尿病患者の「95%以上」が2型と言われています。
2型糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病とは?原因と症状(初期症状)」、もしくは「糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」をご覧ください。

<妊娠糖尿病>
妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見される糖代謝異常です。糖は赤ちゃんの栄養となるので、多すぎても少なすぎても成長に影響を及ぼすことがあります。
そのため、お腹の赤ちゃんに十分な栄養を与えながら、細やかな血糖管理をすることが大切です。
なお、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に“明らかな糖尿病”と診断された場合は妊娠糖尿病には含めません。
これらは妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。
妊娠糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」をご覧ください。

<その他の特定の機序、疾患によるもの>
糖尿病以外の病気や治療薬の影響で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することがあります。
詳しく知りたい方は「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。

糖尿病の症状について

糖尿病は症状が現れにくい病気です。
かなり血糖値が高くなければ症状は現れません。
では、どのような症状が現れるのでしょうか。
一般的に高血糖の状態では、以下のような症状が現れます。

実業家、あくびをした彼女はオフィスで働くの疲れた。 - あくび ストックフォトと画像

<糖尿病の症状>
・目がかすむ
・視力の低下
・全身の倦怠感、疲労感
・喉が渇いて沢山の水がほしくなる
・手足のしびれ、冷え、むくみ
・皮膚のかゆみ、乾燥
・やけどの痛みを感じにくい
・食べているのに痩せる
・何度もトイレにいく
・残尿感がある
・尿の臭いが気になる

糖尿病の予防について

青い背景に立って他の長方形をドミノを停止するために落ちるビジネスマンハンド保護長方形ブロック。リスクと危機管理の概念。 - 予防 ストックフォトと画像

糖尿病は生活習慣の改善により予防できます。
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきますね。

 

【糖尿病の予防1】運動をする

糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進されます。
その結果、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また、長期的にはインスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病にお心当たりのある方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしましょう。
糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」でも同様のことを伝えておりますので、気になる方はご覧ください。

※運動は糖尿病予防に効果的ですが、いくつか注意が必要です。運動する際は以下のポイントに注意しましょう。

<糖尿病の予防|運動する際の注意点1>

準備体操をすること 急に運動を始めるとケガをする可能性があります。
特に運動習慣がない方は注意が必要です。
ケガをしないために運動する前はしっかりと準備体操を行いましょう。

<糖尿病の予防|運動する際の注意点2>

こまめに水分補給を行うこと 運動中はこまめに水分補給をし、脱水にならないようにすることも大切です。
運動中は想像以上に汗をかいておりますので、こまめに水分補給を行いましょう。

<糖尿病の予防|運動する際の注意点3>

軽い運動から始めること 気合を入れて運動することは良いことですが、ケガをする可能性があります。
特に運動習慣がない方は危険です。
糖尿病予防のために運動する際は無理せず、軽い運動から始めましょう。

お互いを続ける。 - フィットネス ストックフォトと画像

【糖尿病の予防2】健康的な食事

糖尿病を予防するためには「健康的な食事」を心掛けることが大切です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考え、様々な食品をまんべんなくとることがポイントです。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるように心掛けましょう。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます
 ※糖尿病の予防には食べすぎないことはもちろん、血糖値を上げない“食事の方法”も大事です。以下、食事をする際のポイントです。

<糖尿病の予防|食事のポイント1>

野菜類から食べる。
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。
また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。
食事をする際は野菜類から食べましょう。
今から対策したい!若者に増加する糖尿病」でも同様のことを伝えております。

<糖尿病の予防|食事のポイント2>

ゆっくり食べること。
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けましょう。
糖尿病の原因について解説しているサイト」でも同様のことを伝えております。

<糖尿病の予防|食事のポイント3>

間食をしない。
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。 糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えましょう。
糖尿病の原因とは?甘いもの、食べ物、ストレス」でも同様のことを伝えております。

健康と幸福は手をつないで行く ストックフォト

【糖尿病の予防3】ストレスをコントロールする

ストレスがたまった状態になると、血糖値が上がりやすくなります。
さらに、糖尿病は、食事や運動、服薬など、自己管理が重要な病気のため、ストレスがたまると「糖尿病の自己管理」が難しくなります。
ストレスのコントロールは難しいかと思いますが、ヨガや呼吸法、自分をリラックスさせる趣味など、自分なりにストレスを和らげる方法を見つけましょう。
糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」でも同様のことを伝えております。

【糖尿病の予防4】アルコールは適量にする

アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっています。
ですので、アルコールは適量にしましょう。
お酒を飲み過ぎている人は、飲まない人に比べ、血糖コントロールが難しくなるという報告がありますのでご注意くださいね。
糖尿病の原因について解説しているサイト」でも同様のことを伝えております。

【糖尿病の予防5】たばこを吸わない

喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べて2型糖尿病を発症するリスクが38%高くなることがわかっております。
ですので、糖尿病にお心当たりのある方は喫煙を控えましょう。
糖尿病の症状や原因について解説しているサイト」でも同様のことを伝えております。

糖尿病が引き起こす合併症について

医学病院:自信のある黒人女性神経科医、神経科学者、神経外科医は、脳画像でmriスキャンでテレビ画面を見て、病気の患者治療方法について考えます。命を救う - 診療 ストックフォトと画像

糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。
血糖値が高い状態が持続すると、神経や目や腎臓などに様々な障害を起こすことが知られています(3大合併症)。
最悪の場合、心臓病や脳卒中など、直接死亡リスクに関係する動脈硬化を引き起こす可能性もあります。
ですので、糖尿病の症状が見られた際は、絶対に放置してはいけません。
 糖尿病に心当たりのある方は、速やかにかかりつけ医に相談しましょう。
なお、糖尿病が引き起こす合併症について詳しく知りたい方は「糖尿病にはさまざまな合併症があります」をご覧ください。

当院でも糖尿病に関して診断を行っております。
少しでも気になることがありましたら、お気軽にお越しください。

 

▼執筆・監修者
医師:板谷 英毅

中野区東中野にて動脈硬化の発端となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病および総合内科疾患に循環器内科専門医および総合内科専門とするいたや内科クリニック院長 循環器内科の専門性に加え、クリニックは地域医療のゲートキーパーであるべきとの考えから総合診療を目指していますので、睡眠時無呼吸、気管支喘息、流行性感冒などの一般疾患も広く診療しております。

一人一人の患者様と向き合うことを職員一同心がけておりますので、
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