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【肝機能の数値が高い】数値が高くなる原因と疾患別の治療方法を解説
2023.02.02
社会人の方であれば、1年に1回健康診断を受けると思います。 健康診断ではさまざまな検査が実施されて、身体に異常がないかを調べるのですが、「肝機能の数値が高かった」と悩まれることがあるのではないでしょうか。 この記事では、肝機能の数値が高い状態や、数値が高くなる原因について詳しく解説します。 肝機能の数値が高いときに起こる疾患の治療方法も併せてお伝えしているので、肝機能の数値に悩まれている方はぜひ最後までご覧ください。
肝機能の数値が高い状態とは?
肝機能の数値とは、肝臓の状態を知ることができる指標です。
数値が高ければ高いほど、肝機能がダメージを受けていると判断できます。
肝機能の検査は血液中の酵素量で判断されます。その理由は、肝臓の細胞がダメージを受けて、細胞内に存在する多数の酵素が血液に放出されるためです。
健康診断で確認される代表的な酵素は下記の通りです。
・AST
・ALT
・γ-GTP
また、肝臓は「沈黙の臓器」と言われていて、肝機能障害が起こっていても初期の段階では自覚症状がほとんどありません。数値が高い状態が続くと「肝硬変・肝がん・肝炎」にまで進行することがあるので、自己判断で放置することは危険です。
健康診断で数値が高いと診断された方は、生活習慣を改善したり、病院で治療を受けるようにするにしてください。
肝臓の状態が分かる肝機能の項目
肝臓の状態が分かる肝機能の項目について詳しくご紹介します。それぞれの項目によって特徴や基準となる数値が異なるので、下記から参考にしてみてください。
この記事では、公益社団法人日本人間ドック学会が発表している「肝臓系血液検査」の基準値を参考にしています。
https://www.ningen-dock.jp/public/inspection/blood#a1
AST・ALT
ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼの略語で、健康な方の血液中にも見られる酵素です。
しかし、肝臓に障害が起こって肝細胞がダメージを受けると、血液中に溢れ出す量が増えてしまい、数値が高くなります。
健康診断の血液検査では、AST・ALTが溢れ出た分量を測定し、肝臓へのダメージの程度を確認しています。AST・ALTの数値は高ければ高いほど、肝臓へのダメージは大きいと判断します。
AST・ALTの数値に対する診断結果は下記のとおりです。
30以下:基準範囲
31〜50:要注意
51以上:異常
また、ASTは心臓の筋肉や手足の筋肉、血液の赤血球の中にもありますが、ALTは肝臓の細胞だけに含まれています。そのため、心筋梗塞や激しい運動などによって筋肉もしくは赤血球が壊れた場合、ASTの数値だけ高くなることもあります。
γ-GTP
γ-GTPとはガンマグルタミルトランスペプチダーゼの略語で、タンパク質を分解する酵素です。
肝臓や腎臓などの細胞に含まれていて、それらの組織に障害が起こったり、肝・胆道系に閉鎖があったりすると、血液中に溢れ出してしまい数値が高くなります。
γ-GTPの数値に対する診断結果は下記のとおりです。
50以下:基準範囲
51〜100:要注意
101以上:異常
また、γ-GTPはアルコールに敏感に反応する傾向があります。
肝機能障害を起こしていなくても、日常的によくお酒を飲む人は数値が高くなります。
ただし、健康な人は一時的にγ-GTPが高くなっても、一定期間禁酒をした後に再検査をすれば、アルコールによるものなのか、肝機能障害によるものなのかを区別できます。
最近は、アルコール摂取に関係なく肝臓に中性脂肪がたまり、数値が高くなることがあります。
そのため「飲酒していなければ大丈夫」というわけではないです。
肝機能の数値が高くなる原因
肝機能の数値が高くなることには、いくつかの原因が考えられます。
数値を下げるには原因を把握することが大切になるので、肝機能の数値が高くなる原因として考えられるものをいくつかご紹介します。
過度なアルコール摂取
上記でお伝えした通り、γ-GTPはアルコールに敏感に反応します。
そのため過度なアルコール摂取は、肝機能の数値が高くなる原因になります。
肝臓でアルコールを分解するときは「アセトアルデヒド」という悪性物質が肝細胞にダメージを与えて、脂肪が分解されにくくなり、中性脂肪が蓄積されてしまいます。
厚生労働省は発表している「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」では、純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上で過度な摂取と言われています。
アルコール20gに相当する酒量は下記の通りです。
ビール(5%):ロング缶1本
日本酒:1合
ウィスキー:ダブル1杯
チューハイ(7%):1本
ただし、人によって個人差があるので、あくまで目安程度としてください。「男性で40g以下の飲酒であれば数値は高くならない」というわけでもないので、注意が必要です。
引用元:「厚生労働省ー生活習慣病のリスクを高める飲酒量」
https://www.pref.yamagata.jp/documents/20575/alcohol_plan.pdf
肥満・運動不足
肝機能の数値が高くなる原因の1つとして、肥満が挙げられます。
肥満の状態では、食事で摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回っていることが多く、余ったエネルギーが肝臓に運ばれて、中性脂肪になります。肝臓に運ばれて処理されなかった中性脂肪はどんどん肝臓に溜まっていき、脂肪肝へと進行します。
また、運動不足も数値が高くなる原因です。
運動をするとグルコースが消費されるため、脂肪に変わるグルコースの量を減らすことができます。つまり、運動不足の状態は肝臓に多くの脂肪が蓄積されることにつながります。
ストレスを感じている
ストレスが原因となって、肝機能の数値が高くなることがあります。
ストレスが原因で高くなるのは、ASTとALTです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、過度なストレスを感じていると交感神経が緊張し、肝臓を動かすための副交感神経がうまく働きません。この状態が続くことで肝臓に大きな負担がかかってしまい、肝細胞がダメージを受け、AST・ALTが高くなります。
また、ストレスによる睡眠不足も数値が高い原因です。
寝ているときは肝臓の代謝を抑えて休むことができるため、睡眠不足だと休む時間が短くなり、肝機能が低下します。
薬の服用
肝機能の数値が高くなる最後の原因が、薬の服用です。
「薬の服用で数値が高くなるの?」と思われるかもしれませんが、薬を服用することで肝臓の機能に障害が起こってしまうことがあります。
さまざまな医薬品で起こる可能性がありますが、必ずしも数値が高くなるわけではないです。
服用した薬へのアレルギーがあったときや、代謝・分解が体質に合っていない薬を6カ月以上、服用し続けたときに数値が高くなります。
もし、継続的に服用している薬があり、肝機能の数値が高いと診断された場合は、健康診断を受けた病院に相談するようにしてください。
肝機能の数値が高いときに起こる疾患の治療方法
肝機能の数値が高いときには、脂肪肝や慢性肝炎などの疾患が起こる可能性が高いです。
これらの疾患を治療せずに放置し続けると、命に関わる大きな病気に進行することがあります。肝機能の数値が高いときに起こる疾患の治療方法を詳しくご紹介します。
脂肪肝
脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に溜まってしまう疾患です。過度なアルコール摂取による脂肪肝はアルコール性脂肪肝、肥満やストレスが原因の場合は非アルコール性脂肪肝と言われます。
脂肪肝の主な原因は過剰なエネルギー摂取なため、食事制限や適度な運動、減量を心がけることが治療方法の1つです。
もし、生活習慣の改善だけでは効果が不十分な場合は、薬物治療が行われます。
脂肪肝の治療に用いられることがある薬は下記の通りです。
・抗酸化剤
・糖尿病治療薬
・脂質代謝異常治療薬
・肝庇護剤 など
ただし、肝脂肪に対する特効薬はいまだにありません。
そのため保険適用が認められているものがなく、非アルコール性脂肪肝の背景にある糖尿病や脂質異常症に準じた薬物療法が考慮されています。
慢性肝炎
慢性肝炎とは、慢性的に肝臓に炎症が生じる疾患で、6カ月以上持続していると慢性肝炎と診断されます。肝臓にリンパ球が集まることで炎症が起こり、肝細胞が慢性的に壊れてしまいます。
慢性肝炎の主な治療方法は、肝炎ウイルスに対する薬物療法で、抗ウイルス薬によって炎症を抑えます。人によっては抗ウイルス薬が効かない場合や使えない場合があり、肝細胞が壊れるのを抑える薬を内服することもあります。
もちろん、慢性肝炎も生活習慣が原因になっていることがあるので、過度なアルコール摂取や食べ過ぎ、肥満の改善を心がけることも大切です。
肝機能の数値が高い人はいたや内科クリニックへ
肝機能の数値が高い人は、当院での診察をおすすめします。
当院では、エコー・CT・血液検査を実施していて、慢性肝炎や脂肪肝への診断に対応しています。
慢性肝炎や脂肪肝と診断した場合には、生活習慣の改善を提案し、肝機能の数値によっては薬の処方・チアゾリジン誘導体などの治療を実施しています。
また、当院は近隣の総合病院と連携して地域治療を行っているので、入院や専門的な検査が必要な場合には、最適な医療機関を紹介しています。
診察時間・受付方法
当院の診察時間は下記の通りです。
月・火・木・金
9:00〜12:00/14:00〜18:00
土曜
9:00〜14:00
当院では、予約不要で当日受診することが可能ですが、発熱外来患者様と一般患者様の時間を分けています。そのため来院する日時が決まっている場合は、事前に問い合わせることをおすすめします。発熱外来の診察時間と電話番号はこちらをご覧ください。
https://higashinakano-itaya-clinic.com/first
まとめ
この記事では、肝機能の数値が高い原因について詳しくお伝えしました。
肝機能の数値が高い原因としては過度なアルコール摂取や肥満、ストレス、薬の服用が挙げられます。数値が高いときは肝機能障害が起きている状態になり、肝硬変や肝がんに進行する恐れがあるので、放置し続けることは非常に危険です。
命を危険にさらすことにもなるので、健康診断で肝機能の数値が高いと診断されたときは、生活習慣を改善したり、病院で治療する必要があります。
肝機能の数値が基準値内でも気になる方は、当院へお気軽にお越しください。
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