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インフルエンザワクチンは何歳から接種できる?子どもの接種回数・間隔を解説
2022.12.05
例年12〜3月にかけて、幼稚園・小学校などで「インフルエンザ」が流行します。 インフルエンザは風邪よりも重症化しやすい傾向があるので、子どもへのワクチン接種を検討している方は多いです。その中で「何歳から接種できる?」「接種回数が気になる」と悩まれることがあるのではないでしょうか。 この記事では、子どもがインフルエンザワクチンを接種することについて詳しく解説します。 ワクチン接種回数や接種後の注意点なども併せてご紹介するので、子どもへのワクチン接種を検討している方、ぜひ最後までご覧ください。
インフルエンザワクチンとは?
インフルエンザワクチンとは、不活化ウイルスを体内に接種し、抗体を作ることで発症を抑える効果があるものです。
ワクチンは世界各国の流行状況などから、日本での流行を推測して作られていますが、「接種すれば絶対に感染しない」というわけではありません。「ワクチン接種すれば、感染しない」と考える方が多いため、誤認しないように注意してください。
ただし、軽症化や合併症の抑制効果は一定程度認められています。
実際にワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが「相対的にそれだけ減少したか」という調査が行われました。6歳未満の小児を対象とした調査では、インフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。
子供のワクチン摂取については以下にポイントが簡潔にまとめられていたのであわせてご覧ください。
インフルエンザワクチンは何歳から接種できる?
インフルエンザワクチンは、希望する人だけが受けられる「任意接種」で生後6カ月(満6カ月)から接種が受けられます。一般的には、外出が増える生後1年から接種するケースが多いです。
しかし、家族の中でインフルエンザが流行する可能性は考えられるので、外出機会が少なくても生後6カ月を過ぎると、早めに接種する方も多くなっています。
子どもの生まれ年によっては、生後6カ月未満でインフルエンザの流行時期を迎えてしまうことがあります。その場合は、外出機会の多い子ども・大人がインフルエンザにかからないように、しっかり予防することが大切です。
乳幼児でもワクチン接種がおすすめ
インフルエンザワクチンには副反応がありますが、乳幼児でもワクチン接種がおすすめです。
子どもは抵抗力が高くないことから、インフルエンザの症状が重症化しやすくなっています。
合併症になる可能性も考えられるため、乳幼児でもワクチン接種すべきです。
実際に乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性は、約20~60%の発病防止効果があると言われています。また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も多くみられています。
外出する機会の少ない乳幼児でも、重症化するリスクを防ぐためにワクチンの接種がおすすめです。
インフルエンザワクチンを接種することによる効果については、以下記事をご覧ください。
引用元:インフルエンザワクチンの効果
子どものインフルエンザワクチン接種回数
子どもの場合は、インフルエンザワクチン1回の接種では十分な免疫ができません。
そのため生後6カ月~12歳までの子どもは、2回ずつ接種します。
子どもが接種するインフルエンザワクチンの量は下記の通りです。
・生後6カ月~3歳未満:0.25mlを2回
・3歳~13未満:0.5mlを2回
13歳以上であれば、0.5mlのワクチンを1回接種で問題ありません。
毎年2回ずつ接種すべき
ワクチンの効果は長くても数カ月で、流行するインフルエンザウイルスは毎年異なります。
そのため毎年2回ずつワクチンを接種することが大切です。
また、昨年にインフルエンザにかかっていても、ワクチンを接種する必要があります。
毎年、流行するインフルエンザウイルスは異なるので、「一度、かかれば抗体が作られる」というわけではありません。
11月中に接種完了を目指す
日本国内では、12~3月にかけてインフルエンザが流行します。
子どもの場合は、重症化を予防するために必要な免疫ができるのは2回目を接種してから2週間ほど経過した頃です。そのため2回目は11月中に接種することが好ましいです。
1回目を10月、2回目を11月というスケジュールで接種すると、インフルエンザが流行する時期には、十分な免疫ができています。毎年、多くの病院・クリニックが10月上旬からワクチン接種を開始するので、スムーズに接種できるよう、あらかじめ問い合わせておくことをおすすめします。
子どものインフルエンザワクチン接種間隔は?
子どもがインフルエンザワクチンを接種するときは、1回目と2回目で間隔を設ける必要があります。1回目から2回目の接種で設ける間隔は2~4週間です。
2週間以上の間隔を設けることで2回目を接種できますが、4週間が望ましいとされています。
そのためインフルエンザの流行まで期間がある場合は、4週間の間隔を設けるようにしてください。4週間の間隔を設けるために、1回目は10月中に接種することが大切です。
新型コロナワクチンとの同時接種が可能
子どもへのインフルエンザワクチン接種を検討するときに「新型コロナワクチンとの接種間隔は?」と気になると思います。
厚生労働省は令和4年7月22日に開催された審議会で議論された結果、「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は可能」と発表しました。単独で接種した場合と比較して、有効性および安全性が劣らないとの報告から、同時接種が可能となりました。
ただし、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチン以外のワクチンの同時接種は認められていないため、注意してください。
新型コロナワクチンの接種については厚生労働省の以下ページでまとめられていたのであわせてご覧ください。
注射生ワクチンは27日間の間隔が必要
子どもはインフルエンザワクチン以外にも「MRワクチン・おたふくかぜワクチン」などを接種しなければいけません。その上で把握しておくべきことが、異なるワクチンの接種間隔です。
厚生労働省は令和2年10月1日から、「異なる注射生ワクチンを接種する場合は27日以上の間隔を設ける制限は維持しつつ、その他のワクチンの組み合わせについては、一律の日数制限を設けない」と発表しました。つまり、不活化ワクチン・経口生ワクチンの組み合わせであれば、間隔を設けなくても接種を受けられます。
ワクチン接種を受ける病院・クリニック側でも接種間隔は管理していると思いますが、自身でも子どもの接種間隔を管理することをおすすめします。
ワクチンの接種回数や間隔についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インフルエンザワクチン接種後の注意点
子どもがインフルエンザワクチンを接種した後に、注意すべき点をいくつかご紹介します。
子どものワクチン接種を控えている方は、下記の注意点を参考にしてみてください。
接種後30分は病院の近くで待機する
インフルエンザワクチンを接種してから30分間は、ごくまれにアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起こることがあります。
そのため接種後30分間は、病院の近くで待機することをおすすめします。
アレルギー反応によって出る症状は下記の通りです。
・蕁麻疹や湿疹が一気に広がる
・高熱
・痙攣
・腹痛や下痢
・呼吸困難 など
子どもは自分で症状に気付けないことがあるので、接種後30分間は「アレルギー反応を起こしていないか」ということを確認するようにしてください。病院の近くで待機することが難しい方は、すぐに医師と連絡が取れる状態にすることが大切です。
副反応の症状によっては病院で診察を受ける
インフルエンザワクチンを接種することで、副反応が起こる可能性があります。
接種した部位の副反応は10~20%、全身性の副反応は5~10%の子どもに起こります。
通常は2~3日で消失しますが、副反応によっては3日を経過しても消失しないことがあります。
そのような場合は、病院で診察を受けるようにしてください。
もし、子どもの副反応の中で気になることがあれば、放置するのではなく、接種を受けた病院・クリニックに相談することをおすすめします。
激しい運動・長時間の入浴は控える
インフルエンザワクチンを接種した後は、激しい運動・長時間の入浴を控える必要があります。
ワクチン接種後は、反応の経過を確認する必要があり、野球・サッカー・水泳などのスポーツを習っている子どもは休むようにしてください。
また、ワクチンを接種してから1時間経過していれば入浴しても問題ありませんが、長時間の入浴は控えることが大切です。
接種した部位への強い刺激や高い温度の湯を浴びることも控えるように注意してください。
まとめ
この記事では、子どもがインフルエンザワクチンを接種することについて詳しくお伝えしました。
インフルエンザワクチンは生後6カ月から受けられます。
生後6カ月~12歳までの子どもは、ワクチンを2回接種することが大切で、11月中に2回目を完了させることをおすすめします。1回目と2回目は2~4週間の間隔を設ける必要があるので、10月中に1回目を受けるようにしてください。
幼稚園・小学校でインフルエンザが流行するまでに十分な免疫を得られるように、事前に接種を受ける病院・クリニックを探しておくことおすすめします。
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