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心筋梗塞とはどんな病気?原因や予防法、治療法を紹介
2023.03.06
心筋梗塞は心疾患の一つですが、その中でも特に重症な状態でありすぐに治療が必要となります。そのため、まずはならないように予防しておくことが重要と言えます。しかし急性で発生するものもあるため、あらかじめ対処方法を知っておくに越したことはありません。この記事では、心筋梗塞になった際の症状、検査方法、治療法について紹介していきます。
心筋梗塞とはどんな病気?|はじめに
心筋梗塞とはどんな病気?|心筋梗塞の症状は?
心筋梗塞とはどんな病気?|どのように検査するの?
心筋梗塞とはどんな病気?|心筋梗塞になってしまったら
心筋梗塞とはどんな病気?|まとめ
心筋梗塞とはどんな病気?|はじめに
心臓は、人間が生きるために必要な酸素やエネルギーを血液に乗せて運ぶためのポンプの役割をしている非常に重要な役割を持つ臓器です。
そんな心臓機能の活動を脅かす病気が心疾患です。心疾患は心臓に関する病気の総称ですが、そのうちの多くを占めるのが狭心症や心筋梗塞といった「虚血性心疾患」となっています。
「虚血」とは体全体に十分な血液が行き渡らず酸素や栄養が不足していることを指します。これは心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の血流が悪くなることが原因であり、血流が悪くなることで心臓の動きを鈍らせます。
完全に血管を詰まると心筋が酸素不足となり細胞が壊死し、二度と元に戻らなくなりまります。そのため症状が現れた場合は迅速かつ適切な処置が必要となります。
この記事では、心筋梗塞の症状、検査方法、治療法について紹介していきます。
すでに気になる症状がある方、動脈硬化や狭心症の治療中で、万が一心筋梗塞になった場合はどうしたらいいか不安という方はぜひご覧ください。
なお、心疾患全般について知りたい方は「【心疾患】 「がん」に次いで死亡率の高い病気」をご覧ください。
心筋梗塞とはどんな病気?|心筋梗塞の症状は?
心筋梗塞の症状としてほとんど共通しているのは激しい胸の痛みで、胸が締め付けられるような痛み、えぐられるような痛みと表現される程です。痛みというよりは圧迫感と表現される場合もあります。
痛みが出たため安静にしたとしても、このような痛みが15〜30分程続き、やがて発作が治ります。中には胸だけではなく周辺の左胸部や左肩、首、下あご、みぞおち等が痛む人もいます。
なお発作の治りは決して安心できる状態ではなく、むしろ細胞の壊死が始まっているので一刻も早く救急車を呼ぶ等して治療を受けなければなりません。
呼吸困難や血管が完全に閉塞したことによる失神等の意識障害、血圧低下が起こる危険性もあるため、もしみなさんが心筋梗塞になった人の周りにいたとしたら、救急車が到着するまでの間に応急処置をする必要があります。
心筋梗塞になった場合の50%以上が1時間以内にしに至るというデータがありますが、迅速で適切な応急処置ができている場合はそれだけ助かる可能性が上がります。
処置方法としては、近くにAED(自動体外式除細動器)がある場合はAEDを使用したり、心臓マッサージを行ったりすることになりますが、全ての場合において全く同じ処置とは限らないため、119番で電話に出た人に症状を正確に伝え、忠実にその時の指示に合った行動をとることが大切です。
狭心症との違いは?
狭心症は心筋梗塞と違い、血管が狭くはなっているものの完全に閉塞はしていない状態です。
心臓には、心臓を動かすため自身にも血液を送る必要がありますが、そのために使われる冠動脈という血管があります。
冠動脈は全部で3本ありますが、1本の血管のみ塞がっている状態は狭心症の中でも軽傷の部類に当たります。2本は中程度、3本全部だと重症となり、それぞれに治療法は異なります。
狭心症でも胸の痛みや圧迫感が症状として現れるものの、大抵の場合5分程度で治ります。
なお狭心症の発作が発生するタイミングは進行具合によって2〜4タイプがありますが、大きく分けると階段の上り下りや運動等をしている時に起こるものと、安静時でも起こるものに分けられ、安静時に起こる方がより重症となります。
急性の心筋梗塞もある
長らく心筋梗塞は狭心症の延長線上にあると考えられてきましたが、必ずしもそうではなく、それまで全く狭心症の症状を見せなかった人が発症する場合もあります。
血管がさほど狭まっているわけでもないにもかかわらず、血管にできていた脂質のコブが破裂して血栓ができて血流を止めてしまうといった状況です。
また、冠動脈の痙攣(攣縮)や炎症(血管炎)、上行大動脈解離、心原性塞栓症といったものが急性心筋梗塞の原因になることもあります。
狭心症についてさらに詳しく知りたい場合は、「狭心症とは」を参考にしてみてください。
心筋梗塞とはどんな病気?|どのように検査するの?
心筋梗塞を診断する検査方法はたくさんあり、状況に応じて使い分けます。今回は代表的な心電図検査、血液検査、胸部X線検査、心エコー検査、冠動脈造影検査の5つについて紹介します。
心電図において、健康な状態では一定のリズムの波形が確認できますが、心筋梗塞を発症している場合は細胞が壊死していることで正常に電気を伝えられなくなり、特有の波形として表れます。
なお心電図の場合はすぐに変化が表れない場合や、発生している冠動脈の部位によって変化が表れづらいことがあるというデメリットもあります。
また血液検査においては、通常血液中に出ることのないクレアチンキナーゼや乳酸脱水素酵素といった酵素が検出されることで心筋梗塞との判断ができます。ただし結果が出るまでに時間を要します。
胸部X線検査では、胸部に放射線を照射して撮影し、画像で診断を行います。心臓のまわりの臓器が心臓に悪影響を与えていないかを確認できます。
心エコー検査は、人間の耳に聞こえない超音波をみぞおち辺りに当てて跳ね返ってきた音波を画像化し、心臓の動きに異常がないかを確認します。心電図で変化が確認しづらい場合に実施されます。
冠動脈造影検査は、手首や足の付け根等の動脈から細いカテーテルと呼ばれる管を入れ、冠動脈に造影剤を注入してX線撮影を行います。これにより、どこで狭窄が発生しているかの確認ができるという仕組みです。
心筋梗塞の疑いが強く、緊急的な処置が必要と判断された場合にも採られる検査方法で、そのまま心筋梗塞に対するカテーテル治療をすることも可能というメリットがあります。
「心臓血管外科の病気:狭心症と心筋梗塞」でも各検査方法について解説されていたので、他の検査方法も知りたいという方はあわせてご覧ください。
心筋梗塞とはどんな病気?|心筋梗塞になってしまったら
心筋梗塞になってしまった場合は、一刻も早い治療が必要となり、発症から6時間以内に血流を回復されることが重要です。
病院に到着したら、まずは本当に心筋梗塞であるかを検査する必要がありますが、この時に検査と並行して初期治療が行われます。
初期治療とは軽度な時に行われるものというわけではなく、その後の治療に向けた準備のような段階となります。
初期治療として行われることとしては、酸素吸入、投薬できるようするためのカテーテルの挿入、痛みをコントロールするためのモルヒネ等の鎮痛剤の投与があります。
また、ニトログリセリンを使った心臓の負担の軽減、範囲の拡大を防いだり、不整脈を防いだりするための交感神経ベータ遮断薬の投与も行われます。
再灌流(さいかんりゅう)療法
心筋梗塞との診断ができたら、血流を戻すための本格的な治療を実施することとなります。再灌流治療に該当するものは、血栓溶解療法、カテーテル治療()とバイパス手術(CABG)の3つです。
血栓溶解療法は、血栓溶解薬を使って血栓を溶かし血流の再開を試みる方法で、静脈から注入する方法と、カテーテルを使って直接冠動脈に注入する方法があります。
ただし血栓溶解療法は脳出血、消化管出血を起こす危険性を伴うため、実施しない病院や、患者の病状によって治療法としての優先度を下げる場合があります。
カテーテル治療は、先端に血管内で膨らませることができる「バルーン」や、筒状の網目の金属「ステント」を付けた細い管を、手首や足の付け根等の動脈から入れます。
冠動脈の詰まっている部分まで届かせ、そこで膨らまして血管を押し広げます。バルーンを萎ませてもステントは広がったままの状態で残るため、血流を戻すことが可能です。
なお、ステントは血栓を生じさせやすいというデメリットがあるためあらかじめステントに抗血小板薬をしみ込ませたり、しばらくすると溶けるステントが利用される場合もあります。
複数箇所が詰まっている等、状態が悪い場合はバイパス手術が行われる場合があります。
患者の手足等の血管の一部を取り、大動脈と、詰まった部分の先を繋ぐ欠陥として繋ぐことで血流を再開する方法です。
カテーテル治療法に比べて再発しづらいというメリットがあるものの、手術に時間がかかるため合併症の危険性が増す、高度な技術を持つ医師でないと対応できないというデメリットがあります。
なお新たな血管については、人工血管の利用ができるよう研究が進められている状況です。
当院の診察時間・受付方法について
いたや内科クリニックは、循環器内科・動脈硬化性疾患に専門性があり、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞といった動脈硬化疾患を長く診療してきた専門医による診察が可能です。
脈波検査、心臓超音波検査、頸動脈超音波、ホルター心電図などの検査が可能な他、動脈硬化の促進因子である睡眠時無呼吸症候群や糖尿病についてもCPAP治療などの積極的な治療介入を行っています。
診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。
診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需です。
当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。
心筋梗塞とはどんな病気?|まとめ
以下が今回のまとめとなります。
- 心筋梗塞では胸が締め付けられるような痛みや強い圧迫感といった症状が出る
- 狭心症から心筋梗塞になるとは限らず、急性の心筋梗塞もある
- 発症時は6時間以内に血流を戻すことが重要で、カテーテル治療やバイパス手術で対処する。
「狭心症・心筋梗塞の治療法と予防」ではカテーテル治療法の進化について詳しく紹介されていたので、あわせてご覧ください。
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