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睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!主な症状と原因について解説します
2022.10.11
睡眠時無呼吸症候群って言葉は聞いたことがあるけど…。自分には関係ない。 そう思っていませんか? 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気。眠っている間に起こることから自覚することが非常に難しいと言われております。ですから「睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置していた」という方も珍しくありません。 この記事では、睡眠時無呼吸症候群の主な症状や原因について解説していきます。睡眠時無呼吸症候群の症状にお心当たりのある方、もしくは誰かに指摘された経験のある方は、お近くの専門医に相談しましょう。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!まずは定義から解説します
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!なぜ起こるのか?
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!閉塞性・中枢性とは?
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!閉塞性が圧倒的に多い
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!放置しておくと命に関わることも
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!放置しておくと事故を起こすかも
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!主な症状をご紹介します
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!どんな治療をするの?
【睡眠時無呼吸症候群の治療法1】生活習慣の是正
【睡眠時無呼吸症候群の治療法2】マウスピース
【睡眠時無呼吸症候群の治療法3】CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法
【睡眠時無呼吸症候群の治療法4】外科手術
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!積極的に受診しましょう
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!まずは定義から解説します
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に無呼吸の状態(呼吸が止まっている状態)が繰り返される病気。医学的な定義では10秒以上呼吸が止まる無呼吸(もしくは呼吸が弱くなる低呼吸)が、7時間睡眠の間に30回以上、もしくは1時間の中で5回以上起こってる状態をいいます。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!なぜ起こるのか?
睡眠時無呼吸症候群の原因は「閉塞性」か「中枢性」かによって異なります。閉塞性の睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に上気道が塞がれることで発生。主な原因には、肥満、扁桃・アデノイド肥大、上気道への舌の落ち込み、骨格(下顎)が小さい、などが挙げられます。一方、中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、ストレスなどの何らかの原因により、本来は正常になされるはずの脳の呼吸コントロールがうまくいかないことで起こります。なお「閉塞性」と「中枢性」については、次の項目で詳しく解説します。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!閉塞性・中枢性とは?
睡眠時無呼吸症候群には「閉塞性睡眠時無呼吸」「中枢性睡眠時無呼吸」、そして両者を合わせた「混合型睡眠時無呼吸」の3種類があります。
<閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは?>
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、胸部や腹部の呼吸運動は行われているにも関わらず、上気道の閉塞のために、鼻、口での呼吸がなく無呼吸となるものです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢は正常に働いているのに対して、睡眠に伴い舌根沈下等が起こり、上気道の閉塞が起こっています。そのため、呼吸再開時に「大きないびき」を伴う特徴があります。
<中枢性睡眠時無呼吸症候群とは?>
中枢性睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸を調整している脳の呼吸中枢が働かなくなることで起こる病気。肺、胸郭、呼吸筋、末梢神経に異常がなく、中枢神経系の障害により「呼吸制御系が障害された場合や呼吸中枢の機能異常により、REM期を中心とした睡眠中に呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となります。なお、中枢性睡眠時無呼吸症候群になるメカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の30〜40%に中枢性の無呼吸がみられるとされております。
<混合型睡眠時無呼吸症候群とは?>
混合型睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群が組み合わさった睡眠時無呼吸症候群です。混合型睡眠時無呼吸は中枢性より発症率は高いですが、閉塞性ほどではありません。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!閉塞性が圧倒的に多い
上述した睡眠時無呼吸症候群のうち、大多数の方が「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」です。日本では2〜300万人、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の可能性があると言われております。しかしながら、実際に治療をしているのは2割程度。自覚症状のない方が多いため、大半の方は治療せずに放置しております。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!放置しておくと命に関わることも
睡眠時無呼吸症候群を重症のまま放置していると命に関わることもあります。なぜなら、低酸素状態が続くことで、心臓や血管に大きな負担がかかり「心筋梗塞」や「脳梗塞」「高血圧」などが起こりやすくなるからです。また、低酸素状態と睡眠不足の影響で、体に過度なストレスが加わると、糖の代謝にかかわる「インスリン」などホルモンの働きが悪化。その結果「糖尿病」や「脂質異常症」を招くこともあり得ます。なお、睡眠時無呼吸症候群の危険性については「日本呼吸器学会のホームページ」でも述べておりますので、ご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!放置しておくと事故を起こすかも
睡眠時無呼吸症候群を放置しておけば、症状がどんどん悪化して事故を引き起こす可能性がございます。例えば、自動車などの運転中に起こる強い眠気。これは時に、重大な事故を引き起こす原因となります。実際に数年前、群馬県の高速道路で起きた「高速バスツアー事故」では、運転手が「睡眠時無呼吸症候群」を患っておりました。またこの事故以外でも、睡眠時無呼吸症候群が関係していた交通・運輸事故が全国各地で起きています。ですから、睡眠時無呼吸症候群を絶対に放置してはいけません。睡眠時無呼吸症候群は「人の命を奪う可能性がある」ということを理解しておきましょう。なお、睡眠時無呼吸症候群が引き起こす事故の危険性については「全日本民医連」でも述べております。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!主な症状をご紹介します
睡眠時無呼吸症候群に伴いやすい症状です。下記のような症状がいくつかあった場合には睡眠時無呼吸症候群が疑われるため、専門医の受診をおすすめします。
- 日中の強い眠気がする
- よく居眠りする
- いびきをかく(激しい音と中断を繰り返し、いびきで目が覚めることも)
- 中途覚醒(目が覚めやすい、眠りが浅い)
- 起床時に口や喉が渇いている
- 起床時に頭痛がある
- 苦しくて目が覚める
- 疲労感や倦怠感がある
- 胸焼け
- 逆流性食道炎
- 血圧や血糖値が高い
- 寝汗をかく
- 寝相が悪い
- 夜間に何度もトイレに行きたくなる
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!どんな治療をするの?
睡眠時無呼吸症候群の治療は、重症度に応じて適切な治療法が選択されます。順番にご説明しますね。
【睡眠時無呼吸症候群の治療法1】生活習慣の是正
生活習慣の中には睡眠時無呼吸症候群を悪くするものがあります。一部の人は生活習慣を変えるだけで、睡眠時の無呼吸が減ったり、あるいは無くなってしまうこともあります。ですから軽症の場合は、まず食生活の改善、適度な運動、規則正しい生活で睡眠の質を高めます。
【睡眠時無呼吸症候群の治療法2】マウスピース
軽症から中等症の場合には、主に「マウスピース」が用いられます。マウスピースとは、歯と歯の間に挟まれ、歯同士が直接影響しないようにできる製品。このマウスピースを睡眠時に装着し、下あごを前方に出すことによって気道を確保します。
【睡眠時無呼吸症候群の治療法3】CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法
中等症から重症の場合は、主に「CPAP(シーパップ)療法」が行われます。CPAP(シーパップ)療法とはCPAP装置からホースやマスクを介して処方された空気を気道に送り、気道が塞がらないようにする治療法。この療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、睡眠時無呼吸症候群による症状が改善されます。CPAP療法については「近畿中央呼吸器センターのホームページ」で詳しく解説しております。ご興味のある方はご覧ください。
【睡眠時無呼吸症候群の治療法4】外科手術
同じく中等症から重症の場合には「外科手術」を行うこともございます。最も一般的な手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)です。この手術は、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除して、気道を広げる手術。睡眠時無呼吸症候群の約50%の患者様で有効と報告されています。しかし、手術を受けられた患者様の中には傷が治るまで、激しいのどの痛みがあったり、手術後に鼻声になったり「水を飲み込むと鼻から逆流しやすくなる」ことがあります。ですから、外科的治療を行う際は十分な術前評価が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群の症状は大人でも気付きにくい!積極的に受診しましょう
これまでにご紹介した通り、睡眠時無呼吸症候群は極めて気付きにくい病気。大半の方は自覚症状がありません。ですので、睡眠時無呼吸症候群の症状を理解し、注意深く自分を観察する必要があるのです。睡眠時無呼吸症候群には「いびき」「日中の強い眠気」「熟眠感の欠如」「全身の倦怠感」「夜間頻尿」など、様々な症状があります。ですから、こうした症状があらわれている場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、積極的に専門医のもとを訪れましょう。
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