いたや内科クリニックブログ
CLINIC BLOG
- いたや内科クリニックブログ
- 高血圧にはどんな症状がある?高血圧の原因と引き起こす合併症をご紹介
高血圧にはどんな症状がある?高血圧の原因と引き起こす合併症をご紹介
2022.10.11
高血圧とは「脳症中・心不全・狭心症」など、さまざまな合併症を引き起こす可能性のある状態です。高血圧を放置しておくと命を危険にさらすことにもなります。この記事では、高血圧の症状と原因、引き起こす合併症について詳しくご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
高血圧とは?
高血圧とは、安静にしているときの血圧が正常値よりも高い状態が続くことを指します。
心臓から送り出されている血液が流れるときに血管の壁を押す圧力が「血圧」です。
心臓が収縮したときの最高血圧を「収縮期血圧」と言い、心臓が膨らんだときの最小血圧を「拡張期血圧」と言います。
この収縮期血圧と拡張期血圧の数値によって、「高血圧なのか」ということを判断します。
そんな高血圧は、「本能性高血圧症」「二次性高血圧症」の2種類に分けられます。
それぞれの高血圧症について詳しく解説します。
本能性高血圧症
本能性高血圧症とは、身体的に明らかな異常がないにも関わらず、血圧の高い状態が続くことです。日本人の高血圧の80〜90%は本能性高血圧症に該当し、原因がはっきりとしない高血圧症になります。本能性高血圧症に大きく関わっているのが、「生活習慣」です。
塩分の摂りすぎや喫煙などの生活習慣によって、本能性高血圧症になってしまいます。
二次性高血圧症
二次性高血圧症は本能性高血圧症と異なり、血圧の上がる原因が明確になっています。
二次性高血圧症の原因として挙げられるのは下記の通りです。
・腎臓病
・ホルモン過剰
・無呼吸症候群 など
これらの病気を治すことができれば、高血圧を改善できる可能性が高いです。
また、病気以外にも「薬の副作用」によって高血圧になることがあります。
薬の副作用によって血圧が高くなるのは、「二次性高血圧症」に該当します。
高血圧にはどんな症状がある?
高血圧には、自覚症状がほとんどありません。
高血圧のときには「頭痛・めまい・肩こり」などの症状が起こりやすいのですが、これらの症状は血圧とは関係なしに現れるものです。
そのため高血圧は自覚症状で気付くことが難しいです。
しかし、高血圧の状態が続くことによって心臓や血管に負担がかかり、脳卒中や心不全などの合併症を引き起こす恐れがあります。
これらの合併症のリスクが高まっているときに、自覚症状が出てきます。
少しでも身体に異変を感じたときは、放置するのではなく病院で検査を受けることが大切です。
高血圧の症状チェック
高血圧には自覚症状がないため、自分で気付くことは難しいです。
ただ、心臓や血管に負担がかかることで、頭痛やめまいなどの症状は出てきます。
高血圧の方がなりやすい症状をご紹介するので、日々の生活を振り返り異常がないかチェックしてみてください。
『高血圧の症状チェック』
・足のむくみ
・手足の痺れ
・めまい
・耳鳴り
・手足が冷える
・顔がほてる
・大量の汗をかく
・背中に痛みを感じる
・動悸や息切れをしやすい
・肩こり
・頭痛
これらの症状に当てはまる方は、一度病院で検査してもらうことをおすすめします。
より細かくチェックしたい方は、「高血圧症危険度チェック」をご覧ください。
自覚症状のない高血圧を予防するには?
自覚症状のない高血圧を予防するには、病院での定期検診が大切になります。
定期検診を受けることで、「高血圧なのか」ということを診察してもらえます。
病院で高血圧と診断されたときは、原因を考えて生活習慣を見直す必要があります。
また、血圧は家庭で測ることが可能です。
ただし、一般的に家庭での測定値は病院よりも低くなります。
そのため家庭で測定するときは、病院よりも低い高血圧基準で考えるようにしてください。
高血圧の基準
高血圧の基準は、病院と家庭で違いがあります。
家庭で測定する方は、下記の基準を参考にしてみてください。
「病院での基準」
収縮期血圧:140mmHg以上
拡張期血圧:90mmHg以上
「家庭での基準」
収縮期血圧:135mmHg以上
拡張期血圧 :85mmHg以上
病院での測定と家庭での測定には、高血圧の基準に「5mmHg」の差があります。
より詳しく高血圧の基準を知りたい方は、「厚生労働省e-ヘルスネット 高血圧」をご覧ください。
自覚症状のない高血圧の原因
高血圧は自覚症状がないため、日々の生活習慣から気を付ける必要があります。
高血圧の原因として考えられる生活習慣をご紹介します。
塩分の摂りすぎ
塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度が高くなります。
血液中の塩分濃度が高くなると、塩分を調整するために体内の水分を血液中に放出します。
これによって心臓に送り込まれる血液量が増えて、血管にかかる圧力が増し、血圧が上がることにつながります。本能性高血圧症の原因で最も多いのは、塩分の摂りすぎと言われています。
高血圧を予防するには、塩分の高い食事に気を付けることが大切です。
肥満
肥満の中でも男性に多い「内臓脂肪型肥満」は、高血圧と強く関係しています。
内臓脂肪が多いことで血液量が増加し、全身の末梢血管が圧迫されて血圧が上昇します。
さらに、肥満は高インスリン血症を引き起こし、それが心拍出量を増加させ、結果的に血圧の上昇につながります。また、肥満の方は血液中の脂質が多く、血液がドロドロです。
そのため体脂肪によって圧迫された細い血管を通るとなると、血液を押し出す心臓にも大きな負担がかかり、高血圧を引き起こすことになります。
肥満は高血圧と強く関係しているため、食事管理・適度な運動を心がけることが大切です。
肥満の基準や計算方法は、「厚生労働省e-ヘルスネット BMI」をご覧ください。
ストレス
ストレスを受けると自律神経のうち交感神経が刺激されて、血管が収縮し血圧が上がります。
一時的に血圧が上がるのですが、長期間にわたってストレスが続くと、慢性的な高血圧となってしまいます。また、ストレスを受けることで、副臓という臓器から血液を固まらせる「ホルモン」が分泌されて、血液がドロドロになり、血栓もできやすくなります。
ただし、人によっては「ストレスを受けていることに気付かない」ということがあります。ストレスによる高血圧は十分に考えられるので、仕事・人間関係などによるストレスには要注意です。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管の収縮を促すため、血圧を上げます。
タバコ1本を吸った場合、血圧上昇は15分以上継続すると言われています。
収縮期血圧は1本の喫煙で3.8%(4mmHg)、2本連続での喫煙は13.1%(14mmHg)上昇します。拡張期血圧でも一時的な血圧上昇が引き起こります。
つまり、頻繁にタバコを吸う方は、慢性的な高血圧になってしまいます。
また、喫煙することで血液中に取り込まれるニコチン・一酸化炭素は、「狭心症・心筋梗塞・脳梗塞」などの発症と深く関連していると言われています。タバコを吸っている本人だけではなく、周りの人へも悪影響を及ぼすため、高血圧にならないためにも禁煙をおすすめします。
喫煙することでの血圧上昇についてより詳しく知りたい方は、「日本医事新報社 診察直前の喫煙が血圧に与える影響」をご覧ください。
飲酒
アルコールは血管を拡張する働きを持っています。
そのため適量のアルコールを飲むことで血管を広げることができ、血圧を下げられます。
しかし、過度の飲酒は血圧を上げてしまいます。
アルコールに強い・弱いは関係なく、習慣的に飲酒量が増えると血圧が高くなります。
アルコール別の適量は下記の通りです。
・ビール中瓶:1本
・ビールロング缶:1本
・日本酒:1合
・チューハイ350mL缶:1本
・ウィスキー:ダブル水割り1杯
また、一般的に女性は男性よりもアルコールの分解速度が遅いため、飲酒量は男性よりも少なくすることが推奨されています。
適量の飲酒についてより詳しく知りたい方は、「厚生労働省e-ヘルスネット 飲酒のガイドライン」をご覧ください。
高血圧が引き起こす合併症
高血圧は血管や心臓にかかる負担が大きいため、合併症を引き起こしやすいです。
高血圧が引き起こす合併症は下記の通りです。
・脳出血
・脳梗塞
・くも膜下出血
・狭心症
・心筋梗塞
・心不全 など
高血圧が長く続くと血管は常に張りつめている状態になり、次第に厚く、硬くなります。
その結果、高血圧による「動脈硬化」を引き起こします。動脈硬化は大血管にも小血管にも起こり、「脳出血・脳梗塞・心筋梗塞」などの合併症の原因です。また、心臓は高血圧に打ち勝つために無理をするため、心臓肥大が起こり、「心不全」になることがあります。
高血圧はさまざまな合併症を引き起こすため、放置しておくことは危険です。
高血圧の相談は東中野にある「いたや内科クリニック」へ
この記事でお伝えした通り、高血圧には自覚症状がなく、自分で気付くことは難しいです。
そのため高血圧を予防するには、病院での定期的な検診が大切になります。
また、少しでも身体に異常を感じた場合は、すぐに病院で診察を受けるようにしてください。
当院では、高血圧に関して診断を行なっております。
少しでも気になることがありましたら、お気軽にお越しください。
▼執筆・監修者
医師:板谷 英毅
中野区東中野にて動脈硬化の発端となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病および総合内科疾患に循環器内科専門医および総合内科専門とするいたや内科クリニック院長
循環器内科の専門性に加え、クリニックは地域医療のゲートキーパーであるべきとの考えから総合診療を目指していますので、睡眠時無呼吸、気管支喘息、流行性感冒などの一般疾患も広く診療しております。
一人一人の患者様と向き合うことを職員一同心がけておりますのでお気軽にご相談下さい。
東中野で駅近くの病院をお探しなら、「いたや内科」
東京都中野区東中野3-8-9 東中野医療ビル2階
Googleマップで見る