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健康診断

【健康診断】血液検査の結果で脂質異常と診断された場合について紹介

2023.09.24

健康診断は自分の健康状態や病気の兆候を発見するために有効な手段です。この記事では健康診断のうち血液検査でわかる検査項目の一つである脂質検査について、また診断結果に脂質異常という記載があった場合にどうしたらよいかについて紹介していきます。

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|はじめに
【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|脂質異常はどうするとわかる?
【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|脂質異常と診断された場合は?
【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|血液検査はどうすると受けられる?
【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|まとめ

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|はじめに

日本人に多い病気としてあげられる悪性新生物(がん等)や心疾患、脳血管疾患といったいわゆる生活習慣病は、老衰を除いた日本人の死因の上位を占めています。

いずれも命に関わる病気で、年齢や体質によって罹りやすい傾向こそあるものの、基本的にはいつ誰が罹ってもおかしくないものです。

生活習慣病は特に病気と診断される前に予防することや早期発見が重要となりますが、そのためには年に1回の健康診断や人間ドックを受ける必要があります。

健康診断を受けることで、たとえ病気になってなくてもその兆候を事前に発見したり、医師から生活・体質における改善すべき点についてアドバイスを受けたりすることもできます。

この記事では、健康診断で実施される血液検査の概要について、また脂質異常という診断結果があった場合の対応方法について紹介していきます。

血液検査は針を刺して採血する必要があるので特に苦手な人も多い項目ではありますが、するとしないではわかることの幅が大きく異なります。

これから健康診断を受ける方、検査の意味や診断結果について事前に詳しく知っておきたいという方はぜひご覧ください。

なお、悪性新生物(がん等)、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病について詳しく知りたい方は、厚生労働省のe-ヘルスネットにある「生活習慣病とは?」を参考にしてください。

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|脂質異常はどうするとわかる?

脂質異常は高脂血とも言われ、健康診断の項目のうち血液検査を受けることで発覚する可能性があります。

血液検査には他にも「一般血液検査脂質検査」「肝機能検査」「糖尿病検査」といった様々な検査が一度に行えるため受けるのと受けないのではわかることが大きく異なりますが、その中の一つに「脂質検査」も含まれます。

また脂質検査では血液に含まれる中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールそれぞれの数値と、それらを総合した総コレステロールの数値を調べ、異常がないかを診断します。

上記の項目を診断結果で見た記憶がある人も多いことでしょう。

今回は、記載されているのは知っていたものの詳しく調べることがなかったという方に向けて、数値の持つ意味について詳しく解説していきます。

各項目の数値の見方

まず中性脂肪ですが、中性脂肪の存在自体が体に害しかないというものではなく、人が活動するためのエネルギー源として欠かせないものであり、皮下脂肪となって寒さ・暑さにかかわらず体温を一定に保つ役割も持っています。

中性脂肪がよくないものと認識されがちなのは、肥満の原因として取り上げられることが多いからでしょう。

実際中性脂肪が多いと肥満はもちろん、脂肪肝や糖尿病といった疾患の原因となる可能性があります。そのため適度に保つことが重要です。

そんな中性脂肪の数値は、30〜149といった範囲が基準範囲となります。150以上、あるいは29以下となると要注意であり、500以上は異常と見なされます。

続いてHDLコレステロールですが、こちらは「善玉コレステロール」という別名があるように多い分には特に問題ない項目とされています。

コレステロールも中性脂肪と同じく体に必要なものです。消化・吸収をサポートする、ホルモンの材料となる、細胞膜の構成成分になるというように様々な役割を担っています。

ただし体が必要とする量は限られているため、不要なコレステロールは回収しなければなりません。回収が行われないと血管に滞って血液が通りづらくなり、動脈硬化になる可能性が高くなります。

そうならないように回収を行うのがHDLコレステロールです。

HDLコレステロールの数値としては、40以上が基準範囲となり、35〜39は要注意、34以下となる場合は異常と見なされます。

次に紹介するLDLコレステロールは通称「悪玉コレステロール」と呼ばれるので、HDLコレステロールの対照にあって全く不要なものと思われるかもしれませんが、LDLコレステロールも体にとって重要な役割を担っています。

LDLコレステロールの役割は、コレステロールを身体中に十分に行き渡らせるというものです。しかしそういった働きをするために、多すぎると血管に沈着し酸化変性することで動脈硬化を引き起こす原因にもなります。

動脈硬化は心筋梗塞・狭心症、脳梗塞といった疾患に繋がる可能性があるため避けるべき状態ですが、LDLコレステロールが必要以上にあるとその動脈硬化を促進してしまうため、体に悪いものとして広く認知されている状況です。

LDLコレステロールの数値としては、60〜119が基準範囲となり、120〜179、もしくは59以下は要注意、180以上となる場合は異常と見なされます。

最後は総コレステロールです。これは名称の通りここまで紹介した中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールから算出される総合的な数値となります。

総コレステロールについては基準値が機関によってそれぞれ異なりますが、全国健康保険協会においては140~199mg/dlが基準値とされており、それ以上・以下は要注意、または異常と判断されます。

日本人間ドック学会では基準値が同じく140~199mg/dlで、200〜259、または139以下が要注意、260以上が異常となっています。

その他に血液検査でわかることについては「健康診断の血液検査で何がわかる?結果の見方と病気の前兆について」をご参照ください。

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|脂質異常と診断された場合は?

脂質異常と診断された場合は前述した数値により、大きく以下4つに分類されます。

  • 高LDLコレステロール血症:LDLコレステロールが多い状態
  • 低HDLコレステロール血症:HDLコレステロールが少ない状態
  • 高トリグリセライド血症:中性脂肪が多い状態
  • 高Non-HDLコレステロール血症:総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値が多い状態

脂質異常と診断されたからといってすぐに治療が必要ということではありませんが、前述したように自覚症状がないままに動脈硬化を進めてしまう可能性があります。

そのため、医師の指示に従って適切な生活スタイルの改善・管理を怠らず、場合によっては薬を使って良化させていくこととなります。

脂質異常の原因は主に食べ過ぎや運動不足、肥満、喫煙、飲みすぎ、ストレスというように普段の生活に関係するものばかりなので、一つずつ自身で振り返ってみて診断された脂質異常のタイプにあわせた改善をしていきましょう。

なお脂質異常と診断された際の運動療法、食事療法の例についてはこちらの記事で紹介されていたので、あわせて確認してみてください。

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|血液検査はどうすると受けられる?

企業や事業者は従業員に健康診断を受けさせることが義務付けられていますが、厚生労働省では職場の雇入れ時健康診断(安衛則第43条)と、その後の定期健康診断(安衛則第44条)において必須項目を指定しています。

血液検査は雇入れ時の健康診断では必須項目となりますが、定期健康診断においては医師が必要でないと認めた時は省略することが可能となっています(労働安全衛生規則第44条第2項)。

医療機関によって、35歳を除く40歳未満に関しては省略の対象としていることもあるので、企業などに所属している方で血液検査を受けたい場合は、事前に検査項目に含まれているか、検査によってわかる項目を確認しておきましょう。

なお組織に属していない場合は個人負担で健康診断を受けることとなり、各自治体で無料あるいは安い値段で受けられる健康診断を実施していることがあります。

しかしその場合も血液検査が含まれていない可能性もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

もし含まれていることを知らずに健康診断を終えてしまった場合は、改めて血液検査のみ別途受けることも検討しましょう。

なお公的医療保険に加入していること、年齢などの条件を満たしている必要はありますが「特定健康診査・特定保健指導」も実施されており、こちらはメタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の早期発見を目的としていることもあり、血液検査が含まれています。

一般健康診断のその他診断項目を知りたい方はこちらをご覧ください。

特定健康診査・特定保健指導の詳しい内容を知りたい方はこちらをご覧ください。

【健康診断】血液検査でわかる脂質異常と見つかった場合について紹介|まとめ

最後に今回の記事をまとめます。

  • 血液検査を通してできる検査は「脂質検査」「一般血液検査脂質検査」「肝機能検査」「糖尿病検査」
  • 中性脂肪は30〜149が基準範囲、150以上もしくは29以下が要注意、500以上が異常となる
  • HDLコレステロールは40以上が基準範囲、35〜39は要注意、34以下となる場合は異常となる。
  • LDLコレステロールは60〜119が基準範囲、120〜179もしくは59以下は要注意、180以上が異常となる。
  • 総コレステロールは140~199mg/dlが基準範囲が、200〜259もしくは139以下が要注意、260以上が異常となる。
  • 脂質異常自体は病気ではないものの、動脈硬化を促進させてしまうため改善が必要

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