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【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介

2023.09.24

この記事では健康診断のうち血糖値の検査の結果の見方やそれによってわかること、異常が見つかった場合どうしたらよいかについて紹介していきます。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|はじめに
【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|血糖値の検査を受けると何がわかる?
【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|異常が見つかった場合は?
【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|血糖値の検査はどうすると受けられる?
【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|検査方法と当日気をつけること
【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|まとめ

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|はじめに

日本人に多い病気としてあげられる悪性新生物(がん等)や心疾患、脳血管疾患といったいわゆる生活習慣病は、老衰を除いた日本人の死因の上位を占めています。

いずれも命に関わる病気で、年齢や体質によって罹りやすい傾向こそあるものの、基本的にはいつ誰が罹ってもおかしくないものです。

生活習慣病は特に病気と診断される前に予防することや早期発見が重要となりますが、そのためには年に1回の健康診断や人間ドックを受ける必要があります。

この記事では、健康診断の必須項目の一つである血糖値の検査に関する詳細、また異常が見つかった場合の対応方法について紹介していきます。

血糖値は、大きな病気の可能性を発見するために重要な指標となります。

これから健康診断を受ける方、検査の意味や診断結果について事前に詳しく知っておきたいという方はぜひご覧ください。

なお、悪性新生物(がん等)、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病について詳しく知りたい方は、厚生労働省のe-ヘルスネットにある「生活習慣病とは?」を参考にしてください。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|血糖値の検査を受けると何がわかる?

血糖値の検査で調べるのは血糖値の高低です。

血糖値とは血液に含まれる糖分(グルコース、ブドウ糖)の濃度のことであり、食事や入浴、運動によって常日頃変動します。

エネルギー源となるため人間の体にとってなくてはならないものとなりますが、血糖値が高過ぎても低すぎても体に不調をもたらします。

そのため健康な体において血糖値を下げるときは、膵臓からインスリンが、上げる時にはアドレナリンやグルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンが作用して体の状態を保ちます。

下げる時のホルモンであるインスリンの分泌量が不十分であったり、正常に機能していなかったりという状態が継続、あるいは悪化した場合に罹る病気として代表的なものが糖尿病です。

糖尿病は症状を悪化させないことはできるものの完治は困難であり、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病性神経障害といった三大合併症、さらには肝硬変や動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞を引き起こす可能性があります。

採血による検査

健康診断では採血を行なって血糖値を調べ、糖尿病や糖尿病予備群のリスクがないかを診断します。

血糖値は空腹時と食後で大きく違いが出るため状況によってどちらか、もしくは両方の数値を調べますが、健康診断の際は基本的に空腹時の数値を確認します。

空腹時の適正数値は60~110㎎/dl程であり、この場合は「正常型」と呼ばれます。食後の場合の正常値は100~140mg/dlが目安となります。なお、空腹時が60㎎/dlである場合は低血糖と判断されます。

低血糖もイライラや集中力欠如という症状が起こり、進行すると頭痛や吐き気、めまい、冷や汗などの症状、最悪の場合は昏睡状態になる可能性もあるため軽視はできません。

また、正常型の中の最高値に限りなく近い状態(100-109mg/dl、正常高値と言う)である場合は「境界型」といって糖尿病・糖尿病予備軍である可能性も出てくるため、より詳しい検査が必要となることもあります。

126mg/dl以上であった場合は糖尿病型と診断されます。

食後の数値では140mg/dl以上が境界型、200mg/dl以上が糖尿病型と診断されます。

なお、血糖値が110mg/dL以上と診断された場合はメタボリックシンドロームの基準にも該当することとなります。

数値については「健康診断で血糖値やHbA1cが高いときの対処」でもまとめられていたのであわせてご覧ください。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|異常が見つかった場合は?

血糖値が300以上になると喉の渇きや脱水、頻尿、体重減少といった症状を自身でも感じますが、少し高い程度では自覚症状が現れにくいので、健康診断などで検査しない限り糖尿病のリスクに気づくのは困難です。

しかし放置しておくのは危険なので、血糖検査で高いことがわかったら必ず医師や結果表の指示に従って再検査・精密検査を受けましょう。

健康診断などで正常高値と診断された場合は、あわせてHbA1cの数値を確認することで糖尿病と判断できることがあります。

HbA1cは「糖化ヘモグロビン」と呼ばれる物質の含まれている割合をパーセントで表すものであり、過去1~2か月分の平均血糖値が確認できます。

そのため、血糖検査と違って採血日の食事、運動といった日常の活動に左右されずに診断ができるというメリットがあります。

HbA1cの割合が6.0%以上だと糖尿病の可能性が高く、6.5%以上の場合はさらにその可能性が濃厚とされます。

HbA1cにおいては5.6%未満が正常型、6.5%以上が糖尿病型と区別され、正常高値(5.6%〜6.4%)という結果が出た場合はさらに「75gブドウ糖負荷試験」という検査を行うことで明確になります。

75gブドウ糖負荷試験の方法は医療機関によって多少異なりますが、共通する点としては実際にブドウ糖を飲み、その後30分、60分、120分など複数の経過時点での血糖値を測定するというものです。

この検査では、血糖値の変動傾向や120分後の数値によって糖尿病と判断することができます。

140mg/dL未満が正常型、140~199mg/dLが境界型、200mg/dL以上が糖尿病型とされます。

以上の検査で糖尿病と発覚しても、早期に適切な治療や生活改善を始めることで健康な人と変わらない程度の生活を送れるようになる可能性があります。

治療方針についてはもちろん医師の指示に従う必要がありますが、各々が個人で血糖値を下げるためにできることがこちらの記事などで紹介されているので、ぜひあわせてご覧ください。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|血糖値の検査はどうすると受けられる?

企業や事業者は従業員に健康診断を受けさせることが義務付けられていますが、厚生労働省では職場の雇入れ時健康診断(安衛則第43条)と、その後の定期健康診断(安衛則第44条)において必須項目を指定しています。

血糖検査はその中の一つに含まれているため、何らかの理由で省略されない限り受けられることとなります。

なお組織に属していない場合は個人負担で健康診断を受けることとなりますが、各自治体で無料あるいは安い値段で受けられる健康診断を実施していることがあり、血糖検査が含まれている可能性は高いです。

ただし、必ず含まれているとは限らないのであらかじめ確認しておきましょう。採血によって確認できるHbA1cも医療機関によっては検査対象とされていない場合があるので同じく確認が必要です。

もし含まれていることを知らずに健康診断を終えてしまった場合は、改めて血糖検査やHbA1cの検査だけを別途受けても良いでしょう。

なお公的医療保険に加入していること、年齢などの条件を満たしている必要はありますが「特定健康診査・特定保健指導」も実施されており、こちらにも血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c)が含まれています。

一般健康診断のその他診断項目を知りたい方はこちらをご覧ください。

特定健康診査・特定保健指導の詳しい内容を知りたい方はこちらをご覧ください。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|検査方法と当日気をつけること

ここまで見てきたように、検査時に注意すべきことは検査内容によって異なります。

ただ通常の健康診断で実施されるのは主に空腹時の数値となるので、健康診断の注意書きには実施前の食事を抜くように記載されていることがほとんどでしょう。

基本的に午前中の健康診断である場合は朝食を抜いて臨む必要があり、万が一食べてしまった場合は食事内容や時間などの詳細を隠さず伝えてください。

また前日に関しても21時くらいまでに食事を済ませる他、血液検査の中性脂肪の数値に影響しやすい脂分の多い食事は避け、消化の良いものを摂ることを心がける必要があります。

こちらにちばなクリニック PET・RIセンターの検査前の注意事項が掲載されていたので参考にしてみてください。

【健康診断】血糖値の検査でわかることや異常が見つかった場合について紹介|まとめ

最後に今回の記事をまとめます。

  • 血糖検査をすることで糖尿病や糖尿病予備群のリスクを確認できる
  • 血糖検査は「60~110㎎/dl」が正常型、「100-109mg/dl」が正常高値、「126mg/dl以上」が糖尿病型となる
  • HbA1cは「5.6%未満」が正常型、「5.6%〜6.4%」が正常高値、「6.5%以上」が糖尿病型となる
  • 75gブドウ糖負荷試験は「140mg/dL未満」が正常型、「140~199mg/dL」が境界型、「200mg/dL以上」が糖尿病型となる
  • 糖尿病の診断をするには「血糖検査」「HbA1c」「75gブドウ糖負荷試験」と3つで総合的に判断する必要がある
  • 早期治療、日々の生活改善で症状を抑えることができる

当院「いたや内科クリニック」は中野区の医療機関であり、JR総武線・都営大江戸線の東中野駅から徒歩2分の場所にあるため駅からのアクセスも便利です。

診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

糖尿病外来を受け付けており、他院からの引き続いての内服やインスリン治療も可能です。採血にてHbA1cの検査も迅速に実施できます。

さらに当院では、動脈硬化疾患関連の脈波検査、心臓超音波検査、頸動脈超音波、ホルター心電図といった検査も実施可能です。

健康診断や血糖値の検査を希望する場合はもちろん、すでに別の医療機関で検診を受けており再検査や精密検査が必要となった場合、気になる結果があるので一度相談したいという場合はぜひ来院をご検討ください。問い合わせ先などの詳細は、こちらの公式ホームページで確認できます。