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糖尿病内科

【糖尿病の可能性あり?】女性によく見られる初期症状をご紹介します

2022.09.13

女性は“エストロゲン”というホルモンに守られているため「男性と比べて糖尿病になりにくい」という特徴があります。しかし更年期を過ぎた頃から“エストロゲン”の分泌量が低下するため、糖尿病になるリスクが高くなります。 目がかすむ、異常にのどが渇く…。 これらは糖尿病の初期症状かもしれませんので、お心当たりのある方は放置せず、かかりつけ医に相談しましょう。 この記事では「女性の糖尿病の初期症状」をご紹介していきます。後半部分では「糖尿病の治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

【目次】
女性の糖尿病の初期症状|糖尿病とは?
女性の糖尿病の初期症状とは?
女性の糖尿病の初期症状|40歳以上から糖尿病になりやすいです
女性の糖尿病の初期症状|若い方も発症します
女性の糖尿病の初期症状|男性と女性で違いはありますか?
女性の糖尿病の初期症状|糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病です
女性の糖尿病の初期症状|糖尿病チェックリスト
女性の糖尿病の初期症状|治療方法について
女性の糖尿病の初期症状|日本人は糖尿病にかかりやすいので注意しましょう
 


女性の糖尿病の初期症状|糖尿病とは?

まずは「糖尿病」について解説します。
糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気(インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています)。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全といった、より重い疾患につながります。
そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。
糖尿病の前兆となる症状〜サインを見逃さず早期受診を〜」でも同様のことを伝えております。

熟年女性の血糖値検査を行っています。 - 糖尿病 ストックフォトと画像

女性の糖尿病の初期症状とは?
 

糖尿病を発症した場合、どのような症状が現れるのでしょうか?
一般的には、以下の症状が見られた際には糖尿病の疑いがあります。
当てはまるものがひとつでもあれば、糖尿病を発症している可能性がありますので、かかりつけ医に相談しましょう。

昼寝を持つラップトップを持つ眠い若いアフリカのビジネスウーマン - あくび ストックフォトと画像

<糖尿病の初期症状>

・目がかすむ

・視力の低下

・立ちくらみ

・全身の倦怠感、疲労感

・喉が渇いて沢山の水がほしくなる

・手足のしびれ、冷え、むくみ

・皮膚のかゆみ、乾燥

・やけどの痛みを感じにくい

・食べているのに痩せる

・急に太ってきた

・何度もトイレにいく

・残尿感

・尿の臭いが気になる

※糖尿病の初期症状について詳しく知りたい方は「放置してはいけない糖尿病の初期症状」、もしくは「糖尿病の初期症状にご用心!身体のサインに気を付けて」をご覧ください。
 

女性の糖尿病の初期症状|40歳以上から糖尿病になりやすいです
 

女性が糖尿病を発症しやすい年齢は40歳以上(更年期以降)と考えられています。
女性ホルモンの「エストロゲン」には、血糖値の上昇を抑える「インスリン」の作用を向上させる働きがあります。
したがって閉経に伴ってエストロゲンの分泌量が減ると、インスリンの作用も低下するため、更年期以降は糖尿病の発症リスクが高まるのです。
また、閉経で女性ホルモンが減少すると内臓脂肪が溜まりやすくなります。この内臓脂肪の増加によっても、糖尿病の発症リスクが上昇すると考えられています。
女性の糖尿病の初期症状について解説しているサイト」や「更年期から注意すべき!女性の糖尿病リスクについて」でも同様のことを伝えておりますので、気になる方はご覧ください。

自然の中でリラックスしている女性。 - リラックス ストックフォトと画像

女性の糖尿病の初期症状|若い方も発症します

糖尿病は若い女性も発症する病気です。
食生活の変化に伴い、近年では20~30歳代の患者様も増えています。女性の糖尿病はホルモンの問題だけでなく、活動量の変化、食生活の変化、精神的ストレス等も大きく関与しているといわれています。
生活環境の変化からストレスが多くなったり、日々の忙しさから自分のことは二の次になってしまったりと、血糖値のコントロールがしにくい状況になっている方も少なくありません。
今から対策したい!若者に増加する糖尿病」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。


女性の糖尿病の初期症状|男性と女性で違いはありますか?

 

糖尿病で出現する症状に男女差はありません。
ただし、女性の場合、妊娠中に血糖があがり妊娠糖尿病と診断される場合があります。
妊娠中は、胎児へ多くのエネルギーを送るために胎盤から出されるホルモンでインスリンの働きが抑えられ、妊娠中の女性は、通常時に比べると血糖値が上がりやすくなります。
なお、その中でも血糖のコントロールがうまくいかなくなってしまった方は妊娠糖尿病と診断されます。

 

 

女性の糖尿病の初期症状|糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病です


糖尿病は大きく分けて「1型」と「2型」の2つのタイプがあります。
1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞が障害されてインスリンを産生できなくなった結果、高血糖状態が続き、生存を危うくします。
そのため、高血糖を是正し生存するために、注射によってインスリンを補う治療が必要です(1型糖尿病は小児や若年成人に多く発症します)。
一方、2型糖尿病は遺伝的な要因に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられています(はっきりとした原因はまだわかっていません)。2型糖尿病は中高年に多く、糖尿病患者の「95%以上」が2型と言われています。
なお、2型糖尿病になりやすい人の特徴は以下の通りです。

レストランに座っておいしいハンバーガーを食べる白人女性のクローズ アップ。

<糖尿病になりやすい人の特徴>

・糖質ばかり摂取する

・野菜や海藻類はあまり食べない

・外食中心の食生活

・喫煙・飲酒の習慣がある

・運動不足

・睡眠不足

・座っている時間が長い

・高血糖を指摘されたことがある

・高血圧で治療中

・ストレスの多い生活をしている

※1型糖尿病と2型糖尿病の違いについて詳しく知りたい方は「進行する前に気づきたい!糖尿病の初期症状とは」、もしくは「糖尿病とは?原因と症状(初期症状)」をご覧ください。

 

女性の糖尿病の初期症状|チェックリスト

下記の項目に当てはまるものがひとつでもあれば、糖尿病になる(もしくは発症している)可能性があります。
気になる項目があった場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

青い背景にチェックマークが付いた木立キューブ、チェックリストの概念、コピースペース。 - チェックリスト ストックフォトと画像

<糖尿病チェックリスト>

・1年で5kg以上太った

・肥満ぎみ(BMI※1=23以上)

・妊娠中に妊娠糖尿病を疑われたことがある

・3,500g以上の赤ちゃんを産んだことがある

・膀胱炎や膣カンジダを繰り返し発症している

・家族や親戚に糖尿病になった人がいる

・40歳以上である

・食事のなかに占める糖質の割合が多い

※さらに細かくチェックしたい方は「糖尿病の症状チェックリスト-初期~末期-」をご覧ください。

 

女性の糖尿病の初期症状|治療方法について

糖尿病の治療には「食事療法」「運動療法」「薬物療法」があります。詳しくは、以下をご覧ください。

ケト原性および胆管性食、高脂肪タンパク質を用いた健康健康のための健康的な栄養食ライフスタイル、糖尿病の病気を予防する低炭水化物、糖尿病の疾病管理 - 糖尿病 ストックフォトと画像

【女性の糖尿病の初期症状|治療方法1】食事療法

食事療法は糖尿病治療の基本です。食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよくかんで、腹八分目で食べるよう心がけましょう。食事療法について詳しく知りたい方は「女性の糖尿病の初期症状について解説しているサイト「【内科医が解説】糖尿病かもしれない?女性の初期症状を解説」をご覧ください。

【女性の糖尿病の初期症状|治療方法2】運動療法

運動療法は病気の治療や予防のために運動を活用することです。
運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本です。運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。
運動療法について詳しく知りたい方は女性の糖尿病の初期症状について解説しているサイト「女性の糖尿病の初期症状|手のしびれや目のかすみに注意。なりやすいのは?」をご覧ください。

 【女性の糖尿病の初期症状|治療方法3】薬物療法

薬物療法は“飲み薬”と“注射薬”を用いて治療する方法です。
飲み薬には、インスリン分泌を促す薬、インスリンの作用を改善する薬、糖の吸収を緩やかにする薬、腎臓からの糖分排出を促す薬などがあります。
一方、注射薬には、インスリン注射薬とインスリン分泌を増やすインクレチン(消化管ホルモン)に作用する注射薬があります。
 

女性の糖尿病の初期症状|日本人は糖尿病にかかりやすいので注意しましょう

糖尿病はインスリンの分泌や、作用する力が不足して起こる病気です。
もともとインスリンを分泌する量が欧米人に比べて少ない私たち日本人が、欧米化した食生活や食事を多くとりすぎれば、糖分の処理が追いつかなくなり、血糖値は上がりっぱなしになります。
この状態が休むことなく毎日続けば、必然的にすい臓のインスリンを分泌する力はさらに衰えてしまいます。
糖尿病は「肥満の方の病気」という印象がありますが、近年は20~30代の若年層や、やせ型の女性にも増えていますので、十分に注意しましょう。

医師が医療処方箋を書く - 診療 ストックフォトと画像

▼執筆・監修者

医師:板谷 英毅

中野区東中野にて動脈硬化の発端となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病および総合内科疾患に循環器内科専門医および総合内科専門とするいたや内科クリニック院長

循環器内科の専門性に加え、クリニックは地域医療のゲートキーパーであるべきとの考えから総合診療を目指していますので、睡眠時無呼吸、気管支喘息、流行性感冒などの一般疾患も広く診療しております。

一人一人の患者様と向き合うことを職員一同心がけておりますのでお気軽にご相談下さい。