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予防接種

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?

2023.09.20

この記事では、インフルエンザワクチンを接種した際の効果がある期間について、またインフルエンザの主な症状や接種回数・間隔、副反応、予防法について紹介していきます。インフルエンザに関する知見を深めたい方はぜひご覧ください。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|はじめに
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザの症状について
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザワクチンの接種回数と間隔
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザワクチンの効果がある期間
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|ワクチンの副反応はある?
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|ワクチン以外の予防法
インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|まとめ

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|はじめに

2020年はじめから世界的な流行が始まったコロナは、2023年に入る頃には収束傾向にあり、対処方法も少しずつ確立され、5類感染症への移行も実施されました。

しかしながらコロナは感染者数の上下を繰り返しながら、現在も完全に収束してはいない状況です。それと同じく、日本で100年以上も毎年流行を繰り返しているのがインフルエンザです。

インフルエンザとコロナの基本的な予防策はうがい・手洗い・マスク着用というように共通していたため、コロナ禍においては流行を防ぐことができていましたが、コロナの収束と共に例年通り感染者数が増えてきています。

2023年においては埼玉などで異例とも言える9月に流行注意報を発令する程で、通常は12〜4月に流行し1〜3月にかけてピークとなるインフルエンザは、1年のうちほとんどの季節で気を付けなければいけない状況に変わりつつあります。

この記事ではインフルエンザワクチンの効果がある期間や、基礎知識を紹介していきます。

インフルエンザワクチンの接種を予定している方、検討している方、接種前に知識をつけておきたいという方はぜひご覧ください。

なお風邪とインフルエンザ、コロナの症状の違いについては「普通のかぜとインフルエンザ、新型コロナはどう違うの?」で解説されていたので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザの症状について

インフルエンザウイルスの感染による主な症状は38〜40℃程度の高熱、頭痛、筋肉痛、喉痛、咳・痰、呼吸器の急性炎症、全身の倦怠感などです。

自然治癒も可能であるものの肺炎などの合併症を引き起こすと命に関わる可能性もある感染症なので、決して軽視はできません。

潜伏期間は1〜3日程で、熱が下がっても体内にウィルスが残っており強い感染力を持っているため、周りが対策をしていないと咳・くしゃみによる飛沫、また接触によってうつる可能性が高いです。軽症であれば1週間程度で完治します。

なお日本で見られるインフルエンザのタイプは大きくA・B・C型の3つに分けられます。

A型はスペイン風邪とも呼ばれるタイプで世界的に流行しやすく、ウィルスが頻繁に変化を繰り返します。

B型は2年に1度ほど流行となるタイプですが、免疫を長期間維持する傾向にあり、一度罹ると再感染しづらいという特徴があります。

C型は流行の可能性が低いタイプで感染しても比較的軽症で済み、再感染もしづらいと言われています。そのため特に予防が必要なのはA・B型となります。

インフルエンザのタイプについては「Q: インフルエンザっていろいろな種類があるそうですが?」でも詳しく解説されていたので詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザワクチンの接種回数と間隔

インフルエンザワクチンの接種回数に関しては、実は2011年に見直しが行われています(接種量についても変更有)。

この記事を執筆している2023年9月時点で、接種回数は13歳未満が2回、13歳以上が1回というように推奨されています。

これは13歳未満のインフルエンザに対する免疫が少なく、それまでの量だと少ないとの見解によるもので、変更後の接種量もWHOの推奨用量であるため特に量が変わることによる健康上への影響の違いはありません。

13歳以上も2回接種するとより効果があると言われていますが推奨されているのは1回で、65歳以上は合併症を防ぐことが重要であることから2回が推奨されています。

なお2回接種の場合の間隔ですが、原則1〜4週間程度(極力4週間)空けて行うことが望ましいとされています。年齢別の細かい期間としては13歳未満が2~4週間、13歳以上が1~4週間となります。

同ワクチンの複数回接種・複数ワクチンの接種における間隔は種類、組み合わせによって異なり、この点については厚生労働省の公式ページで詳しく説明されています。

インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」という種類ですが、麻しん風しん混合ワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチンなどの「生ワクチン」という種類のワクチンを接種した場合、同じ生ワクチンを接種するまでに28日以上空けなければいけないという決まりがあります。

また、生ワクチン以外の組み合わせに関しては一律の制限を設けない旨が記載されており、インフルエンザとコロナのワクチンに関しては間隔を空けずに同時接種することも可能とされています。

同時接種の実施有無は医療機関によって異なるため、事前の確認が必要です。

ただし「コロナワクチン+インフルエンザ以外のワクチン」に関しては14日以上空ける必要があります。

そうとは言っても発熱や接種部位の腫脹、体調不良などの症状がある場合は無理に同時接種せず、症状が改善してから接種するようにしましょう。

コロナワクチンとの組み合わせについては厚生労働省の「新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種することはできますか。」で解説されているので、あわせてご覧ください。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|インフルエンザワクチンの効果がある期間

インフルエンザワクチンの効果がある期間はおよそ6ヶ月弱です。いつから6ヶ月かというと、接種日からではなく接種から2週間経過後からとなります。

これは抗体ができるまで2週間程度かかるためで、この2週間の間は接種してもインフルエンザにかかる危険性があると言われています。ワクチンの効果は接種から1ヶ月でピークとなり、流行期間を考慮して接種すればその期間は効果が継続する可能性が高いです。

ただしA型のようにインフルエンザウィルスは変化を繰り返し、ワクチンも変化に適用したものが都度提供されるため、ワクチンの効果は永続的ということはありません。そのため毎年接種が必要です。

また接種するタイミングですが、インフルエンザの例年の流行時期は冒頭でも述べたように12〜3月(長めに見ると11月下旬〜4月)であるため、1回目は10月中に行うのがおすすめです。

2回目は極力4週間程度の間隔を空けつつ、適宜接種しましょう。

なお同時期においては接種希望者が殺到するため、インフルエンザワクチンが不足する可能性も忘れてはなりません。

会社などで事前に確保してくれている場合は問題なく受けられますが、組織に属していなかったり、組織で特にワクチン接種を実施してなかったりという場合は、ワクチンの情報を自身でチェックしておきましょう。

インフルエンザを含めた各種ワクチンの供給状況については厚生労働省の「ワクチンの供給状況について」に情報が掲載されており、随時更新もされているため、関連するニュースなどを耳にした際はこちらからも確認してみましょう。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|ワクチンの副反応はある?

ワクチン接種で気になる副反応ですが、インフルエンザワクチンの副反応として考えられるものは接種局所の発赤・腫脹・疼痛があり、10~20%の確率で起こります。

さらに発熱・頭痛・寒気・怠さといった症状も5~10%の確率で起こります。なおこれらの症状は2、3日で自然治癒することがほとんどです。

また危険な副反応としてはアナフィラキシーショックがあります。大抵の場合は接種から30分程度の間にじんましん、呼吸困難、血管浮腫などの症状が現れます。

そのため、もし接種後しばらく院内で安静にするよう注意があった場合は必ず指示に従い、特にない場合も自分で異変を感じたらしばらく様子を見たり、帰宅した場合も30分の間はすぐ医療機関と連絡が取れる状態にしたりといった対応が必要です。

副反応については「インフルエンザワクチンの効果と持続期間・副反応について解説【2022年度版】」でさらに細かく紹介されているので、あらかじめ詳しく確認したい方はあわせてご覧ください。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|ワクチン以外の予防法

最後に覚えておいていただきたいのは、インフルエンザワクチンを接種したからといって100%感染しないということではありません。

そのためワクチン接種以外の予防も忘れず自分に行いましょう。

冒頭でも触れたように、基本的な予防方法はコロナと同じでうがい・手洗いです。また人が密集する場所ではマスクの着用も効果的です。

もちろん十分な睡眠や栄養のバランスが良い食事といった、一般的に健康と言われる生活習慣を身につけることも重要です。

またインフルエンザウィルスは湿度が高いと増殖力・感染力が弱まるため、室内の湿度を高めに維持することも予防法の一つとなります。

湿度との関係性については「インフルエンザと湿度について」で詳しく解説されています。

インフルエンザのワクチン接種後で効果がある期間はどのくらい?|まとめ


最後に今回の記事をまとめます。

  • インフルエンザによる症状は高熱、頭痛、筋肉痛、喉痛、咳・痰、呼吸器の急性炎症、全身の倦怠感など
  • インフルエンザのA型はウィルスが変化しやすいのでワクチンは毎年接種する必要がある
  • 効果のある期間は接種2週間後〜6ヶ月弱
  • 2回接種する場合は極力4週間程度の間隔を空けると良い
  • 副反応として接種局所の痛みや発熱の症状が現れる場合もある
  • ワクチン接種だけではなく、手洗い・うがいといった普段の心がけも必要

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インフルエンザのワクチン接種を検討している方、インフルエンザと思われる症状があるという方はぜひこちらの公式ホームページを訪れたうえでお問いあわせください。