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仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介します

2024.02.08

この記事では、花粉症の症状や原因を紹介したうえで、特に仕事中に症状が現れた場合の影響や仕事中でもしやすい対策について紹介していきます。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|はじめに
仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症になる原因となりやすい人
仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症により主な症状
仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|仕事と花粉症の関係
仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症への対策と自分でできる予防・軽減方法
仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|まとめ

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|はじめに

花粉症は2019年の時点で日本人の4割以上が発症していると見られており、実際に花粉症の影響が全くない人に出会うのが珍しいくらいの現代病になりつつあります。

また花粉症は季節性アレルギーであり、元来はスギ・ヒノキ花粉の多い春やイネ科の植物による花粉が多い秋に強く症状が現れるものでした。

しかしながら近年は暖冬など四季の境目がはっきりしない気象状況が年々進んでおり、花粉が飛散する時期も次第に長くなってきています。

そのため真冬の一部時期を除いたほとんどの季節で何らかの花粉が飛散していると思っていただいて相違ないでしょう。

花粉症の有病率はずっと増加傾向にあるため、近年は市販薬や花粉対策グッズなども充実していますが、それでもひどい人になると日常生活だけではなく仕事にも支障をきたす程となります。

そのため薬物療法だけではなくレーザー手術での対処療法や、通院しての根本治療を希望する人もたくさんおり、それらに対応している医療機関も増えています。

この記事では花粉症の概要や、花粉症が仕事に与える影響に関する情報をまとめたうえで、仕事中でもできる対策について紹介していきます。 

なお今回は詳しく取り上げませんが、通年性アレルギー性鼻炎について詳しく知りたい方はこちらのサイトなどをご参照ください。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症になる原因となりやすい人

花粉症は、植物から発せられる花粉が体内に入ることで引き起こされる季節性のアレルギー疾患です。

人の体内に花粉が入ると体が異物と認識してくしゃみや鼻水などの反応が見られるようになりますが、誰もが花粉症を発症するわけではなく、また通年性アレルギーのように反応する植物も人によって異なります。

例えばスギやヒノキに反応する人は春、ブタクサやイネ科の植物に反応する人は秋に花粉症の症状が見られますが、両方に反応する人もいます。

具体的な植物ごとの期間を解説すると、春先から梅雨前までは主にスギやヒノキなどから花粉が飛散します。スギは2〜4月頃、ヒノキは3〜4月頃に一番顕著となります。

5〜10月にかけてはカモガヤ、オオアワガエリ、ススキといったイネ科の植物から花粉が飛散します。

他にも1月~4月にハンノキ、3月下旬~6月にシラカンバ、8月~9月にブタクサ、9月~10月にヨモギ、8月~10月にカナムグラといった植物からも花粉が飛散します。

また近年は日本の四季が曖昧になってきており12月になっても暖かい日も出てきているので、飛散する時期も少しずつ延びていることには注意が必要です。

植物の分布状況も地域によって異なるので、住んでいる場所によって注意する季節や対象が異なることも覚えておきましょう。

花粉症は誰でも発症する可能性があるものですが、発症しやすい人の傾向はあります。

まず、遺伝的にアレルギー体質であることが発症しやすい人の特徴の一つで、両親が花粉症である場合はその子供が花粉症になる可能性が高くなると言われています。

その他の原因として、食生活の変化があります。花粉症が現代病と言われる由縁にも繋がりますが、現在は従来の日本人の食文化が薄れつつあり、食の欧米化が加速しています。

このことがアレルギー体質を引き起こしやすくさせる原因と見られています。

さらに免疫機能の低下も発症原因の一つとなります。

睡眠不足や不規則な生活、ストレス多い生活を続けることで自律神経を乱して花粉症を発症したり、喫煙やアルコールの習慣がある人は花粉症の症状を悪化させる原因になったりということがあります。

排気ガスが多い、アスファルトが多いといった地域の特性が花粉症になりやすい原因になることもあります。

排気ガスは中に含まれる微粒子とともに花粉を吸いこむことで、アレルギー反応が出やすくなります。

アスファルトに関しては土のように花粉を吸収してくれないため、地面に落ちた花粉が何度も飛散して体内に侵入する可能性を高くします。

こちらの記事では原因植物が花粉を飛散させやすい季節や分布についてまとめられていたので、詳しく知りたい方はご覧ください。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症により主な症状

花粉症の症状は主に鼻・目に出ます。ここではそれぞれに現れることの多い症状を紹介します。

鼻の症状

鼻水・鼻詰まり、また鼻がムズムズすることでのくしゃみといった症状が代表的です。

これらの症状が発生する理由は、空気中を浮遊している花粉を吸い込んで鼻粘膜に付着した際に体内から取り除こうとするためです。

もう少し具体的に説明すると、花粉(アレルゲン)が鼻腔内の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られて「マスト細胞」という細胞に結合します。

この後に再度花粉が入ってくるとマスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水などのアレルギー反応が見られるようになります。

鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れて鼻から喉にかけての通り道が狭くなることで起こる症状です。

鼻が詰まると臭いを感じづらくなる他、必然的に口呼吸をするようになるので口が渇きやすくなったり、咳がでやすくなったりします。

くしゃみは、鼻の粘膜についた花粉を体から排出するための症状です。

目の症状

目の症状に関しては、目のかゆみや充血、涙がでやすくなるといったものが挙げられます。

空気中を浮遊している花粉が目に入って粘膜内にあるマスト細胞に付着するとアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という物質を放出します。

このヒスタミンが目の神経や血管を刺激することで上記の症状が現れます。

いずれの症状も鼻と同様に異物である花粉を体から取り除こうとして起こるものです。

他にも、気道全体の過敏性が高まって咳が出たり、喉の粘膜に花粉が付着することで喉の痒みやいがらっぽさを感じたりすることもあります。

喘息持ちの人においては、花粉によって症状が悪化する危険性もあります。

さらに花粉を原因とする肌荒れ「花粉皮膚炎」や鼻の粘膜が炎症することでの副鼻腔炎や頭痛、時には倦怠感や微熱といった症状が現れる場合もあります。

なお初めて花粉症にかかった人は、風邪なのか花粉症なのか判断がつかないこともあるでしょう。以前から花粉症であっても、毎年花粉の季節がやって来た時に風邪と勘違いすることもある程です。

こちらでは花粉と風邪の違いやセルフチェックが掲載されていたので、あわせてご覧ください。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|仕事と花粉症の関係

花粉症の有病率は1998年の19.6%から10年ごとに10%づつ増加している傾向が見られます。そのため組織の中に多くの花粉症患者を抱えるという企業も珍しくないでしょう。

かなり前となりますが科学技術庁による2000年の調べによると、医療費の捻出や労働効率の低下における経済的損失が2,860億円程にも及ぶという結果が出ています。

さらに2014年の医薬ジャーナルではアレルギー性鼻炎患者の労働生産性の低下が及ぼす経済的損失は4兆円にも達するというデータもあります。

この事態を重要事項と捉える企業においては、個人の医療費などを賄える花粉症手当を支給するところもある程です。

現在でこそ一部企業に限られていますが、社員のパフォーマンス低下(プレゼンティーズム)によって多大な損失が生まれるという事実が明らかになれば、多くの企業が手当を含めた何らかの対策に投資を始めることが十分考えられます。

日本の日用雑貨メーカーである株式会社エステーが2019年におこなった「花粉症と仕事に関する実態調査」によると、「花粉症で仕事に影響が出た人」が約7割、「花粉が原因で出社をためらった人」が約6割以上、「会社を休んだ人」も1割いるとの結果が出ています。

そのような状況にもかかわらず花粉症対策を講じている企業は1割程となっています。

花粉症を発症している人の少ない企業であれば花粉症による辛さが認識してされておらず、そのことに意識を向ける習慣もないかもしれません。

しかし前述したような経済損失が出るのであれば、決して無視できる問題ではありません。以下に周囲の人ができる対策や自分でできる予防法について紹介します。

なお日本経済新聞にも「花粉症が職場の生産性低下を招く 会社ができること」という記事があったのであわせてご覧ください。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|花粉症への対策と自分でできる予防・軽減方法

花粉症の症状を和らげるには花粉に触れないことが一番です。

そのためオフィス内に花粉を可能な限り持ち込まないことが重要です。

外出時に着ていたアウターや帽子などは室内に入る前に脱ぐ、必ず付着した花粉を振り払うというようなことを社員に徹底させることも一つの方法です。

また空気の入れ替えなどで一時的に窓を開ける習慣のあるオフィスもあると思いますが、当然ながらこれは花粉を招き入れる大きな原因となります。

そのため花粉の時期は極力控えて空気清浄機を利用したり、レースなどの花粉が付着しづらい素材のカーテンに変更したりということを心がけましょう。

もし組織を運営している側の方であれば、花粉手当の導入や一時期だけでもテレワークの導入を検討してみても良いのではないでしょうか。

花粉症を発症している人は、常日頃のマスクの着用、室内に花粉を持ち込まない、手洗いうがい、室内のこまめな掃除、花粉の付着しづらい服の選択、多く飛散する時間帯での外出を避ける等の対策を忘れず実施しましょう。

なお食事内容を気をつけることでも花粉症を予防したり、症状を軽減したりできる場合があります。逆に症状を悪化させてしまう可能性がある食べ物もあります。

こちらの記事では花粉症と食べ物の関係について詳しくまとめられていたのでぜひあわせてご覧ください。

仕事中に花粉症の発症が現れた場合の影響と対策方法を紹介|まとめ

最後にこの記事をまとめます。

  • 近年はほぼ一年を通して何らかの花粉が飛散している
  • 遺伝的なアレルギー体質、不規則な生活などによる免疫機能の低下、周辺環境などが花粉症の原因となる
  • 鼻水・鼻詰まり、鼻のムズムズ・くしゃみ、目のかゆみ・充血・涙目が主な症状
  • 花粉症による仕事のパフォーマンス低下は無視できない
  • 企業には、花粉に触れづらいオフィス環境づくり、働き方、福利厚生の改善が求められる。

なお東中野駅周辺で花粉症の治療や薬の処方ができるクリニック・病院をお探しの方は、あわせてこちらの記事を参照してみてください。

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