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喘息かなと思ったら何科を受診すれば良いか?原因や症状、治療法についても紹介

2023.08.07

喘息は2023年時点で世界に3億人以上、日本国内だけでも450万人以上の患者がいると見られている慢性疾患です。しかし自身も含め身近に喘息の人がいないと具体的にどんな病気なのかわからないということも珍しくないのではないでしょうか。また、喘息のような症状が現れたとしても何科を受診すれば良いかわからないかもしれません。この記事では咳が長く続いたり喘息と思われるような症状が出た場合に何科を受診するべきか、さらに喘息の原因や症状、治療法についても紹介します。

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|はじめに
喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の主な症状
喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の原因
喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の症状が現れたら何科を受診するべき?
喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|まとめ

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|はじめに

日本における喘息の患者数は450万人以上と見られており、これは約30人に1人が喘息を患っているという計算になります。また国内外にかかわらず気管支喘息の患者は増え続けています。

喘息は人によって多少現れる症状が異なりますが、基本的な症状としては、空気の通り道である気道が狭まり息苦しさや呼吸困難を引き起こす慢性的な呼吸器疾患です。

常時症状が出ているわけではなく発作的に起こるため、喘息の症状が起こらないように使用する薬の他に発作を抑える薬が欠かせません。

なお喘息は珍しい疾患ではないものの、周りに喘息の人がいないと気になる症状があっても何科を受診するべきかを迷うのではないでしょうか。

この記事では咳が長く続いたり喘息と思われるような症状が出た場合に受診する科や、喘息の原因、様々な症状、治療法について詳しく紹介していきます。

喘息について正しい知識を得ることで、自分はもちろん周りの家族・友人等の早期発見の手助けや適切なサポートができるようにもなります。

喘息は一度発症してしまうと完治こそできないものの、ほぼ健康な人と同じように生活できるまでに回復できる疾患でもあります。そのためには早期発見と適切な治療が重要となるため、ぜひこの記事をきっかけに喘息について学習してみてはいかがでしょうか。

患者調査(厚生労働省)」では喘息の患者数に関するデータがまとめられていたので、気になる方は確認してみてください。

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の主な症状

喘息は気管支が繰り返し炎症を起こすことで空気の通り道が狭くなり、息苦しさや胸の詰まりを感じたり咳が出たりという症状が出る慢性疾患です。

症状は常時現れているわけではなく、風邪や気候、時間帯、刺激物によって突然発作が起こるというもので、症状が治らない重症になると入院が必要になる場合もあります。

最悪の場合は狭くなった気管支に痰がつまって窒息状態となり死に至る可能性もある(喘息死)ため、例え症状が軽くても放置してはならず、早期かつ適切な治療が必須です。

一般的に喘息と言われるのは「気管支喘息」で、空気の通り道となる気管支が継続的に炎症することで喘鳴(ぜんめい)と言われる「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と聞こえる呼吸音を発し、息苦しさを感じ、痰が多く出て詰まることが特徴です。

上記の症状は特に出ず、長い間乾いた咳だけが続いたり、喉の痒み・イガイガ感が続いたりする「咳喘息」という種類もあり、これを治療せずに放置してしまうと気管支喘息になってしまう割合は高い疾患です。

咳喘息は気管支喘息の前段階と位置付けることができるものの症状が軽いというわけではなく、夜もまともに寝られない程に咳が出る、咳のしすぎで腹筋やあばらが痛むということにもなりかねません。

一般的に症状が起こりやすいのは夜間から早朝といった睡眠にかかる時間帯、季節の変わり目や気温の差が大きい日、疲れが溜まっている時、風邪をひいた時、タバコの煙等の強い臭いに触れた時等が挙げられます。

なお同じ気管支の病気として気管支炎(慢性気管支炎)というものがありますが、こちらの炎症の原因はウィルスや最近の感染によるもので、咳や痰、発熱や怠さといった症状が現れます。

一度喘息の症状を起こすと再度発作(炎症)が起きやすい状態となります。これは気道が様々な外からの刺激に対して敏感になってしまうためです。さらに発作を起こすたびに症状は悪化します。

一方で発作を繰り返さない状態を作ることで気管は次第に回復し、症状は改善します。

そのため喘息の治療は発作を起こさないようにしつつ、万が一起こってしまった場合はすぐに治るように適切な処置を行うという2つの軸で進められます。

なお「ぜんそくタウン」では主に小児喘息が取り上げられていました。今回は小児喘息について解説していないため、詳しく知りたい方はぜひあわせてご覧ください。

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の原因

喘息の症状が出る直接の原因は、空気の通り道となる気管支が何度も炎症を起こすことによって狭くなることですが、その炎症を誘発するものは現在も明確になっていない状況です。

しかし喘息になりやすい傾向はある程度見当がついており、アレルギー体質の場合、アトピー性皮膚炎の既往歴がある場合、家族に喘息になった人がいる場合等に患うことが多い状況です。それでもこれらに該当する人が必ずしも喘息になるわけではありません。

また気管支喘息は特にダニ、花粉、ハウスダスト、動物の毛といったアレルゲン吸入によって反応し発作を起こす傾向があります。具体的には、室内で飼っているペットの毛に付着しているフケや、桃やシイタケといった植物・菌類の花粉が喘息の原因となることがあります。

さらにイソシアネート等の化学物質や害虫、刺激のある強い臭い等も原因になることがあります。

風邪をひいた時やストレスや疲れが溜まっている時は、それらが喘息の直接の原因にはならないものの、気管支がより敏感になって発作を起こしやすい状態となります。

タバコやアルコールも喘息を誘発しやすい原因とされていて、実際に「アルコール誘発喘息」という種類の喘息も認識されています。

以上のように原因となりやすいものは絞れているように見えますが、人によって反応するもの・しないものは様々であるため、全く別のものに反応して発作を起こす可能性がないとは言えません。

そのため原因となりそうなものがないからといって息苦しい状態を気のせいと思わず、まずは病院に行って検査してもらうことが賢明です。

なお咳喘息に関しても原因とされているものは類似しており、アレルギーやアトピー、ストレス・疲れ、タバコ・アルコール等が関係していると考えられています。

今回は取り上げませんが、コロナと喘息の関係性が気になる人もいることでしょう。詳細については「気管支喘息の原因にコロナ後遺症の可能性はありますか?」を参考にしてみてください。

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|喘息の症状が現れたら何科を受診するべき?

過去に喘息にかかったことがある人であればかかりつけの医療機関があると思われるので、すぐに何科に行くべきかを迷うことはないでしょう。

しかし最初は喘息かどうかもわからないため何科が良いか迷うかもしれません。

喘息が疑われるわかりやすい症状としては長い間続く痰の絡む咳や息苦しさ、特徴的な呼吸音が挙げられますがいずれの症状も現れているとは限りません。

そのため風邪が長引いているだけなのか、タバコの吸いすぎなのか、気管支炎等の他の病気なのかと考えを巡らせるかもしれません。このような時に適しているのは内科(あるいは総合内科)での受診です。

内科は発熱、咳・痰、頭痛、腹痛、アレルギーと様々な症状に関して診察してくれると同時に、内科で治療が行えない場合は何科が適しているかを判断してくれる役割も持ち合わせています。特に総合内科という科がある病院は、そのように適切な科を判断する窓口として設けている可能性が高いです。

実際に喘息は呼吸器内科やアレルギー科での診断・治療が必要となりますが、喘息かどうかわからない場合、近くにそれらの科がない病院しかない場合は内科の受診で問題ありません。

咳は風邪やインフルエンザ等の感染症でも起こる症状ですが、通常これらによる咳は2、3週間で治ります。それ以上続く場合は喘息や肺炎、アトピー性咳嗽、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がん等の可能性もあります。

喘息の場合も治療が遅れると炎症が悪化して肺炎になったり、最悪の場合は息苦しさが進行して窒息する喘息死に至ったりする可能性もあるため、放置したり自身で問題ないと判断したりせず、速やかに内科や総合内科のある病院を行きましょう。

喘息は完治こそできない疾患であるものの早期に治療を始めることで、健康な人とほぼ変わらない状態で過ごせるまでに回復可能です。

治療法は、症状を防ぐ日々の治療と、発作が起きてしまった際に行う治療の2方向から行われますが、いずれも吸入薬の服用が基本となります。

日々の治療には長期管理薬、発作時は発作治療薬が利用されますが、吸入薬以外にも飲み薬や貼り薬等があり、注射で投与することもあります。

その時の症状の重さや患者の年齢や体調、得意・不得意等を医師と話し合ったうえで使い分けていきます。

また「喘息コントロール状態」という評価方法があり、コントロール良好、不十分、不良の3段階に分けられ、それぞれに見合った頻度や薬を使用して治療が行われます。

なお薬での治療の他にも、普段生活する中で喘息の原因となりうるアレルゲンや刺激のあるものや臭いを可能な限り避けることも重要となります。

症状を悪化させる可能性がある風邪をひかないように、さらには日々の治療を無駄にしないためにも規則正しい生活や十分な睡眠・休息、バランスの良い食事といった基本的な生活改善を行うことは欠かせません。

「もしかしてぜん息?」と思っている方へ」では咳が長引く場合に考えられる喘息以外の病気についてまとめられていたので、参考にしてみてください。

喘息は何科になるか?原因、症状、治療法についても紹介|まとめ

最後に今回の記事をまとめます。

  • 喘息は気管支が繰り返し炎症を起こすことで発症する慢性疾患
  • 喘息は常に症状が出ているのではなく原因に触れることで発作として発生する
  • 遺伝やアトピー、アレルゲン吸入が原因となって発症することが多いが明確な原因は不明
  • 喘息と思われる症状が出た時は内科を受診するのが適切

当院「いたや内科クリニック」は中野区の医療機関であり、JR総武線・都営大江戸線の東中野駅から徒歩2分の場所にあるため駅からのアクセスも便利です。

診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

基本的な診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需で、循環器内科専門医、総合内科専門医が各種検診を担当しています。

もちろん気管支喘息などの一般疾患も広く診療していますので気になる症状が見られる場合はぜひお越しください。お問い合わせの際はこちらの公式ホームページをご参照ください。