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夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?

2023.08.04

風邪は風邪でも特に夏場にひいた場合は「夏風邪」と呼ぶことがあり、タチが悪い、治りづらい風邪と言われています。この記事では夏風邪になるとどのような症状が現れるかを代表的なウィルスと共に紹介したうえで、夏バテとの関係性や、予防法についても紹介します。

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|はじめに
夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|ウィルスによって異なる夏風邪の症状
夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|夏バテと夏風邪の関係
夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|どのように予防したら良いか?
夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|まとめ

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|はじめに



夏は夏休みや帰省、レジャーイベントたくさんのイベントがある季節ですが、近年は連日の猛暑日やゲリラ豪雨、線状降水帯といった異常とも言える気象現象が連日のように各地で発生するため、災害に神経を尖らせることも多いことでしょう。

暑さによって体調も崩しやすい季節なので、同じく十分に注意する必要があります。

この記事では夏に注意するべき症状の一つである夏風邪について紹介していきます。夏風邪の原因となる代表的なウィルスや引いた際に現れる症状、夏バテとの関係性、予防方法について解説します。

夏風邪は症状が軽く出ることも多く、数日経てば自然に治るだろうと軽視した結果悪化させてしまったり長引かせてしまう人もいます。

また風邪だと思っていたものがコロナである可能性もあります。コロナは5類感染症に移行されたもののいまだに感染が続いているので油断はできません。

そのため夏風邪は夏バテと共に正しい知識を持ったうえで十分な予防・対策を行い、あらかじめ症状についても把握しておいた方が良いと言えます。

ぜひこの記事を参考にしていただき、この夏を健康に乗り切っていただけると幸いです。

なお今回は詳細を取り上げませんが、熱中症について詳しく知りたいという方は環境省の公式サイト内「熱中症予防情報サイト」をご覧ください。

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|ウィルスによって異なる夏風邪の症状

寒い時にひきやすい通常の風邪と夏風邪にはウィルスの特性に大きな違いがあります。

基本的にウィルスは低温かつ乾燥した空気で繁殖しやすいと言われていますが、中には高温多湿な日本の特徴的な夏の気候を好む種類も存在し、それが夏風邪を引き起こすウィルスとなります。

ここでは夏風邪の代表的な「エンテロウイルス」「アデノウイルス」「コクサッキーウイルス」という3種類のウィルスについて紹介します。

これらは1年中存在はしているものの湿度50%以上となる活発になるため、多湿な日が多い梅雨頃から注意する必要があります。

エンテロウイルス

腸管ウイルスとして広く知られており、感染力も強力です。夏から秋にかけて感染が広まりやすく、集団感染を引き起こすこともあります。

エンテロウイルスは、空気中の汚染された飛沫を吸い込んだり、感染者の排便物や飛沫を食べ物・飲み物等を介して摂取したりすることで感染します。

幼稚園・保育園といった施設で集団生活を送る機会のある幼児や小児が感染しやすいという点も特徴の一つで、無症状で済む人もいれば様々な症状が現れる人もいます。そのため最初にエンテロウイルスに感染した人はなんともなくても、飛沫等によって感染した人に発熱等の症状が現れるということもあるでしょう。

症状の種類は様々で、軽度な風邪のような症状で済むこともあれば、微熱、倦怠感、頭痛、咽頭痛、嘔吐といったポリオ(急性灰白髄炎)の症状や麻痺、その後の後遺症が残る麻痺型ポリオの症状が現れることもあります。

また幼児に多く見られる「手足口病」を発症することもあります。手足口病とは手のひらや足底を含めた手足の様々な部分、口腔内に発疹や水疱ができるもので、口腔内の場合は痛みを伴うこともあります。

手足口病と似た症状として、口腔内に灰色の膨らみが発生して痛みを生じ、発熱や咽頭痛、頭痛、食欲不振を起こす症状として「ヘルパンギーナ」があります。ヘルパンギーナは通常1週間程で収まりますが、まれに発熱によって熱性けいれんを起こす可能性もあるので注意が必要です。

夏風邪に多い下痢、嘔吐といった腸管症状が現れることもある他、重症になると髄膜炎や脳炎、心筋・心膜に炎症を起こす心臓の感染症「心筋心膜炎」を引き起こす恐れもあります。

アデノウイルス

プールの水やその時に使ったタオル等を介して感染することが多いため「プール熱」と呼ばれている夏風邪の一種がありますが、この時に感染するウィルスがアデノウイルスです。

ただし、夏だけ感染するわけではなく一年中感染する可能性はあるうえ、免疫力が付きにくいウィルスでもあるため何度も繰り返し発症することがあります。

プール以外の感染経路としては咳・くしゃみによる飛沫感染、スマートフォン等を触ったことによる接触感染、排泄物による糞口感染が考えられます。

症状としては鼻水・鼻詰まり、喉の痛み、発熱、嘔吐下痢、腹痛といった一般的な風邪の症状の他、目の充血、目やに・涙目の症状が出る流行性角結膜炎、排尿時に痛みや血尿が起こる出⾎性膀胱炎が現れる場合もあります。

いわゆるプール熱で発熱すると喉の痛みと共に38℃以上の高熱が1週間程度続くこともあります。また下痢・嘔吐という症状が出ることも大きな特徴で、それらを処理する側も感染する恐れがあるため対応時は感染を防ぐ十分な装備が必要となります。

コクサッキーウイルス

コクサッキーウイルスはエンテロウイルス属のウィルスでエンテロウイルスあるため現れる症状は似ており、夏から秋にかけて感染しやすいです。

潜伏期間は2~4日程度で幼児や小児が罹りやすいですが、大人が全く罹らないというわけではなく、家で子供から感染する可能性や、疲れや寝不足等で免疫力が弱っている時に発症する可能性もあります。

症状としては発熱、咽頭痛、食欲不振、全身倦怠の他、頭痛、下痢、嘔吐、筋肉痛が現れることもあります。またヘルパンギーナを引き起こすこともあります。

以上が夏風邪の代表的なウィルスです。夏風邪はタチが悪い、治りづらい風邪と言われているものの、風邪と異なって特別治りにくいということはありません。しかし高温多湿という日本の気候条件が原因となって治りづらかったり、長期化したりという傾向にあります。

夏かぜの治療について」でも各ウィルスの特徴について紹介されていたので、あわせてご覧ください。

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|夏バテと夏風邪の関係

夏バテ自体が病気ではないものの、高温多湿な夏の気候に対応できず体に何らかの異常をきたして体調不良となります。

具体的な症例としては、体が何となくだるい状態が続いている、食欲がなくなっている、無気力で元気が出ない、イライラする、熱っぽい、立ちくらみがする等です。

そしてこれらの症状によって免疫力が低下し、夏風邪を引き起こす可能性があります。

例えば睡眠不足等で疲労が十分に取れず蓄積することによって自律神経のバランスを崩すと、ウィルスや細菌に対する免疫力が弱まります。

そのため十分な睡眠を取り、バランスの良い食生活を送って、エアコンを適切に利用するといった夏バテへの対策を行って免疫力を落さないように注意する必要があります。

また、ただでさえ発汗で水分が失われがちな夏場に発熱すると脱水症状を引き起こす可能性が高まるため、夏風邪にかかってしまった際は水分や経口補水液の補給を忘れずにしましょう。

夏バテの具体的な予防策については「夏バテの予防と対策」をご参照ください。

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|どのように予防したら良いか?

夏風邪への対策はコロナやインフルエンザといったその他ウィルスの感染症への予防・対策にも繋がると言えます。いずれも接触や飛沫を介して感染するという特徴があるため、出来る限り感染経路を断つことが重要となります。

すでにコロナ禍のようなマスク着用の義務はなく、熱中症予防のためにも屋外では可能な範囲で外すことが推奨されているくらいですが、くしゃみやせきなどによる飛沫によってウィルスが体内に入る可能性もあるため、屋内の人との距離感が近い場所では引き続きマスク着用がおすすめではあります。

ウィルスが付着したものに触れることで感染する接触感染においては、粘膜からウィルスが体内に侵入する可能性があるためコロナの予防でも呼びかけられていた手洗い・うがいやアルコール消毒が欠かせません。

屋内であれば、同じ空気を閉じ込めず流れができるように定期的に喚起をすることも大切です。以上のように、コロナの時に言われていたソーシャルディスタンス、3密や不要不急の外出を避けるという行動は夏風邪においても効果的と言えるでしょう。

またクーラーを過剰に利用することも避けた方が良いでしょう。クーラーの適温は28℃であり、外気との温度差は5℃以内が理想的と言われています。猛暑日だと35℃以上となるので難しい時もありますが、気温差が激しい場所を行き来すると自律神経が乱れて免疫力の低下を招くので、クーラーはこまめに温度調整をしましょう。

公共交通機関や店、オフィスといった自分で温度調整をしづらい場所に出向く場合は膝掛けやカーディガン等の薄い羽織り物を持っておくと良いでしょう。

クーラーの温度を下げすぎて体を冷やすのも良くないですが、寝る前に体温を上げすぎるのも避けなければなりません。人の体は睡眠時に体温が下がるようにできていますが、体温が高い状態で寝ると体温の下がり方が激しくなり風邪をひきやすい状態となるためです。

そのため入浴は39℃以下のぬるめと感じる程の湯船にゆっくり浸かることをおすすめします。また入浴は寝る時間の1、2時間前までに済ませておくと眠りにつきやすくなります。

子供の予防法に特化した内容については「子どもがかかりやすい 三大夏風邪に注意! 症状と予防法を知ろう」で紹介されていたのであわせてご覧ください。

夏場は要注意!夏風邪とはどんな症状が出る病気?|まとめ

最後に今回の記事をまとめます。

  • 通常の風邪と夏風邪はウィルスに違いがある
  • 夏風邪は特に子供が罹りやすいものの大人も注意が必要
  • 夏風邪の予防はコロナ・インフルエンザの予防対策と共通している

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