いたや内科クリニックブログ

CLINIC BLOG

内科

帯状疱疹になってしまう原因は?中野区で実施されている帯状疱疹ワクチン助成制についても紹介

2023.06.01

「帯状疱疹」という病気はCM等でも呼びかけがあり聞く機会こそ多いですが、実際にどのような症状が出るものであるのか把握していない人も珍しくないことでしょう。この記事では帯状疱疹を発症する原因や症状、治療・予防法について紹介していきます。また中野区で実施されている助成についても併せて紹介します。

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|はじめに
帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹はどんな病気?
帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹は誰でもかかるの?感染はするの?
帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹の治療法・予防法は?
帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|まとめ

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|はじめに

帯状疱疹は状態そのものを表している病名なので発症するとどんな状態になるかは明確ですが、何が原因で罹るのか、また本当に帯状に疱疹が出るだけで済むのかが分からない人も珍しくないことでしょう。

近年CMで高齢者への呼びかけが行われているのを目にする機会が多いことからも分かるように高齢の方が発症しやすい病気でもあるため、特に若い方は周囲に罹ったことがある人もおらずその大変さや危険性を理解しづらいかもしれません。

帯状疱疹自体は直接命に関わる病気ではないものの、長期に渡って日常生活や仕事に支障を与える可能性があるものであり、帯状疱疹による直接の痛みだけではなく、痛みが原因となって精神的に病んでしまう可能性も出てきます。

そのため帯状疱疹についてあらかじめ正しく理解したうえで予防をし、症状が似ていると感じたらすぐに医療機関を受診して早期の治療を行うことが重要です。

この記事では帯状疱疹を発症する原因や症状、治療法に加え、予防方法について紹介していきます。

また2023年から中野区で実施されている帯状疱疹任意予防接種費用の一部助成についても詳しく紹介していきます。

帯状疱疹がどういう病気か気になっている方、周囲に罹った人がいるので正しく理解しておきたい方、中野区にお住まいで帯状疱疹の予防をしたいと思っていた方はぜひご覧ください。

なお帯状疱疹は皮膚疾患と間違われる場合も多い病気ですが、「間違いやすい皮膚疾患」ではその点について詳しく解説されていたのであわせてご覧ください。

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹はどんな病気?

帯状疱疹は水痘ウイルスの活性化によって起こる病気で、ピリピリあるいはチクチクと表現されるような痛みを伴うことの多い水泡が表れます。症状が進行すると神経に沿ってその水泡が帯状に広がり赤い発疹にもなります。

この帯状の水泡は左右どちらか一方に現れますが体の特定の場所というわけでなく顔面や目の近くにできる場合もあり、酷い場合は顔面神経麻痺や難聴、視力低下や失明に繋がる危険性があります。

人によっては発熱やリンパ節の腫れを伴うことがあり、皮膚が爛れてきますが2、3週間程で炎症が収まってきて黒褐色のかさぶたとなります。

帯状疱疹が軽症の場合はそこまで痛みが出ずに自然治癒することもありますが、顔面麻痺や耳の不調、味覚障害等が特徴的な「ラムゼイ・ハント症候群」や帯状疱疹自体が治っても数年に渡って痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」といった合併症を引き起こす可能性もあるため、疑わしい場合は放置せず早めに受診しましょう。

なおPHNは高齢である場合や、帯状疱疹の痛み強かった場合、皮膚症状が強く出た場合等に罹りやすく、その確率は50歳以上で2割程度となっています。

また合併症とは異なるものの、痛みが強く出ることが多くかつ長く続くためメンタルに不調をきたしてうつ病や不眠症の症状が出る人も珍しくありません。

なぜ水痘ウイルスが活性化するか?

帯状疱疹のウィルスは子供の頃に多くの人が経験する水疱瘡と同じものです。

5歳以下の子供においては85%程度の確率で水疱瘡に罹り、治療が施され快方に向かいます。しかし治ってもその時のウィルスは体内から完全に消滅するわけではなく、歳をとっても残り続けます。日本人の9割以上はこのウィルスが体内に潜伏していると見られています。

残っていたとしてもすでに免疫を持っているため、通常はこのウィルスの影響を受けることはありません。しかし加齢やストレス過多、疲労等で免疫力が落ちると潜み続けていた神経節から出てきて悪さをします。これが帯状疱疹です。

また悪性腫瘍や重症感染症、糖尿病、放射線・紫外線の曝露、免疫抑制剤や抗がん剤の投与によって免疫力が落ちている場合も罹りやすくなります。

さらに2020〜2022年にかけて猛威を振るった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹った50歳以上の人も帯状疱疹のリスクが高くなるという報告もあります。

帯状疱疹になった経験がある場合も免疫を持つので再発はしづらいものの、水疱瘡と帯状疱疹の関係性と同じく極端に免疫力が落ちた状態では再発の可能性もあることを頭に入れておいてください。

今回の記事では詳しく説明しませんが、水疱瘡について詳しく知りたい方は「水痘とは」をご参照ください。

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹は誰でもかかるの?感染はするの?

すでに述べてたように帯状疱疹になる人の多くは50歳以上の高齢の方で全体の70%程を占め、特に女性に多い傾向があります。しかし20代、30代であっても男性であっても罹る可能性はある病気です。

そのためどの病気も同様ではありますが、誰もが免疫力の低下には注意が必要です。

またウィルス性であるため他の人への感染が気になるところですが、ほとんどの人がこのウィルスへの免疫を持っているためうつる可能性は限りなく少ないと言えます。

それでも接触感染の可能性はあり、子供を含め水疱瘡を経験したことがない人が接触すると感染して水疱瘡を引き起こすことがあります。

これは水疱の中に原因となる水痘、帯状疱疹ウイルスが存在するためで、かさぶたの状態までになれば感染の確率は減少します。感染を防ぐためにも帯状疱疹を患っている間は子供とお風呂に入ること等は避けた方が良いと言えます。

なお帯状疱疹についての情報がまとめられた「帯状疱疹予防.jp」というサイトもあるのであわせてご覧ください。

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|帯状疱疹の治療法・予防法は?

帯状疱疹となってしまった場合の治療法は抗ウイルス薬の服用がメインとなります。ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル、アメナリーフといった薬があり、たとえ症状が収まってきたとしても医師の指示に従って飲み続けることが重要です。

また炎症を抑えるためにステロイド等の外用薬を併用することもあります。さらに痛みに対しては鎮痛剤が処方され、より痛みが強い場合は神経の周りに直接麻酔を施す「神経ブロック」という治療が行われる場合もあります。

安静にしていること、患部は冷やさず温めること、幹部を触ったり破らないこと、また炎症を酷くしないためにアルコールを控えること等も重要となります。

帯状疱疹の予防法

自身でできる予防法としては、規則正しい生活やバランスの良い食事、疲労を溜めないということが挙げられます。

医療機関で可能な予防法は帯状疱疹ワクチンの接種です。

ワクチンには生ワクチンの「弱毒生水痘ワクチン」と不活性ワクチンの「シングリックス」があり、生ワクチンの方が安価で1回の接種で済み、服反応も少ないですが予防効果は50%程です。副反応は局所反応や筋肉痛、発熱等です。

対して不活性ワクチンは生ワクチンより高価で2回の接種が必要ですが、予防効果は90%にも上ります。また生ワクチンの予防効果は5〜8年程度とされていますが、不活性ワクチンの場合は9年以上効果が持続するという違いもあります。

なお生ワクチンは妊娠している場合、免疫を抑える治療をしている場合を除いて接種できますが、不活性ワクチンにおいてはアナフィラキシーがある人、発熱している場合、急性疾患の治療中の人は接種できません。

中野区で実施されている帯状疱疹ワクチンの助成について

中野区では2023年3月から50歳以上の中野区民を対象としたワクチン接種費用の一部助成が開始されました。これにより自己負担分を軽減することが可能です。

生ワクチンの場合の助成額は1回につき4,000円(1回のみ助成対象)で、不活性ワクチンの場合は10,000円(2回目まで助成のため合計20,000円)となっています。

料金は医療機関によって多少異なりますが、生ワクチンに関しては助成を受けることで負担する金額が半額程度になる可能性が高いです。

なお助成を受けたうえで接種するには中野区契約医療機関で予約をして、中野区帯状疱疹任意予防接種予診票を記入する必要があります。当院は中野区契約医療機関となっています。

当院の診察時間・受付方法について

JR総武線・都営大江戸線の東中野駅から徒歩2分の場所にある当院「いたや内科クリニック」は中野区の帯状疱疹ワクチン助成に対応している契約医療機関です。

もちろん生ワクチンと不活化ワクチンの両方に対応しています。

もしワクチン接種を考えている場合はぜひご相談ください。

診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

基本的な診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需です。

当院について詳しく知りたい方、お問い合わせ先を知りたい方はこちらの公式ホームページもあわせてご参照ください。

帯状疱疹になってしまう原因と中野区の帯状疱疹ワクチン助成について|まとめ



最後に今回の記事をまとめます。
 

  • 帯状疱疹は高齢者や女性が罹りやすいものの誰もが罹る可能性がある
  • 強いストレスがかかっている時や免疫力が低下していることが原因で発症する可能性がある
  • 早期治療することで後遺症を防ぎやすくなる
  • 予防できるワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類がある
  • 中野区では帯状疱疹任意予防接種費用の一部助成が受けられる


なお自身で帯状疱疹のリスクをチェックできるサイトがあったので気になる方は「チェックリストあなたは帯状疱疹になりやすい?」で確認してみてください。