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気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?

2023.07.02

近年の日本は夏が来る前から夏日・真夏日になることも珍しくなく、さらに急激に気温が上昇するため体が暑さに対処できずに熱中症になりやすい環境になっていると言えます。そんな状況において熱中症に関する正しい知識をあらかじめ持っておくことは予防や対策、対処をするうえで重要なことです。この記事では熱中症になりやすい状況や予防・対策、なってしまった場合の対処方法について紹介していきます。

気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|はじめに
気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|予防対策と対処方法について
気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|熱中症になるとどんな症状が出る?
気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|まとめ

気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|はじめに

近年はゲリラ豪雨や線状降水帯の多発によって、数十年に一度と言われるような大量の雨が降ったり、季節外れの猛暑日があったりと異常気象と思われる状況が顕著に現れています。

日本で気象観測が始められたのは100数十年前の明治5年(1872年)からであり、地球の歴史からしたらほんのわずかな期間ではありますがこの100年余りの間に状況は刻々と変化しています。

気温に関してはすでに温暖化の傾向にあることは多くの人がご存知かと思いますが、この100年で世界の年平均気温は0.74℃、日本国内だと1.30℃、中野区を含む東京においては2℃以上も上昇しています。

特に日本は1990年以降で高温となった年は多くなっており、このような気候変動によって人の健康面への影響はもちろん、農作物の成長が滞ったり大雨や台風が増えたりという影響も見受けられます。

日本の特徴である四季が年々曖昧になってきており、春と秋がいつ来たのかわからなかったという人も少なくないことでしょう。梅雨になる前に真夏日を記録することも珍しくありません。

そのため本来は「暑熱順化」といって人間は暑さに身体を少しずつ慣れさせていく必要があるものの、急な暑さによって体調を崩したり熱中症になったりということも多くなっています。

このような気象状況において熱中症で救急搬送される人、死亡する人は年々増えている状況で、各省庁や中野区等の各自治体では様々な媒体を使って熱中症への注意喚起を実施しています。

それでも熱中症患者が減らないのは、自分には関係ない、自分はなんとかなるといった傲り等によって正しい知識を身につけておらず、予防・対策やいざという時の対処ができないということが原因の一つと考えられます。

この記事では熱中症にならないための予防・対策、なった人を助けるための対処方法について紹介していきます。ぜひこれをきっかけに熱中症に対する正しい知識を身につけましょう。

なお環境省には温暖化に関する詳しいデータがPDFでまとめられていたので気になる方はぜひこちらもご参照ください。

気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|予防対策と対処方法について

まず熱中症の危険度を事前に把握する方法を紹介します。

それは熱中症警戒アラートであり、このアラートは令和3年から前日夕方あるいは当日早朝に都道府県ごとに発表されています。

アラートは熱中症との相関が高い「暑さ指数(WBGT)」というものを指標として33以上の値が予測される日に発表されます。33以上となると熱中症になる危険性が極めて高い状況となるので、熱中症の予防行動は必須と言えます。

このアラートは自治体のホームページやメディアを通じて確認できる他、最近では環境省のLINE公式アカウントでも情報を受け取ることができるので、暑さが厳しくなる前から欠かさずチェックできる状況を作っておくことをおすすめします。

すぐにできる予防・対策

喉が渇く前のこまめな水分補給が必要で、1日の目安は1.2L程度とされています。水分が失われている起床時や、入浴前後には特に摂取しましょう。

また汗をかくと血液中のナトリウムが失われるため、これを補うために水分だけではなく適度な塩分を摂ることも重要です。スポーツドリンクも有効です。

さらに直射日光を避けることはもちろん、屋内・屋外にかかわらず高温・多湿な場所を避けなければなりません。そのため屋内の場合は扇風機やエアコンでこまめな温度調整をしましょう。遮光カーテンやすだれ、打ち水等も対策として効果的です。

屋外の場合は極力日陰で過ごしたり、日傘の利用や帽子(被りっぱなしにせず時折汗を蒸発させる必要がある)を身につけりして直射日光を避けてください。激しい運動をしていないとしてもこまめな休憩と水分補習も忘れずに行いましょう。

熱中症警戒アラートが出た日は外出を避けるのが一番ですが、どうしても必要な場合は以上の対策をしてください。

なお運動に関しては熱中症の観点からはもちろん、暑さによる注意力の欠如から思わぬ事故につながる可能性もあり、トレーニングの効果も低下するため避けるべきです。

服装に関しては、汗をかいても体に張り付きにくいゆったりとして通気性の良い服を選ぶことが重要です。

日焼け対策として薄い長袖を着ている人もいますが、長袖は熱や汗がこもりやすいため熱中症になりやすくなるため注意が必要です。保冷剤や氷、冷えたタオル等で暑さを冷ます冷却グッズを利用するのも効果的でしょう。

事前にしておいた方が良い予防・対策

可能であれば事前に暑さに強くなるための体力作り、身体作りをしておいた方が良いでしょう。

人間は汗をかくことで体温を下げることができますが、普段汗をかかないとうまく機能せず体温調整ができないこともあります。そのため適度な運動をして汗をかく癖をつけておくことをおすすめします。

またエアコン・扇風機の動作確認や高温・多湿になりにくい風通しの良い空間等、あらかじめ暑さを防ぐことができる最適な環境作りをしておくことも重要です。日傘や帽子といった外出時に必要なものも暑くなる前に揃えておきましょう。

基本的なこととはなりますが、十分な睡眠や休息、規則正しい食生活も熱中症にならない体づくりに必要な要素となります。

暑くなると寝苦しい熱帯夜の日もありますが、エアコン等で温度調整しながら快適な睡眠を摂りましょう。

食事に関しては朝昼晩3食しっかりとり、栄養の偏りがなくバランスがとれたものを摂る必要があります。例えばたんぱく源を摂取することで低栄養を予防でき、野菜・果物、汁物等から意識的に水分も摂りましょう。

JSPO(日本スポーツ協会)の公式サイトではスポーツ時における熱中症予防のガイドブックが提供されていたため、スポーツをする方はあわせて「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」をご覧ください。

気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|熱中症になるとどんな症状が出る?

 

熱中症は軽度なものもありますが、重度となると命に関わることもあり実際に死亡者も出ている決して甘くみてはいけない症状です。

熱中症と思われる症状が出た際には早急な対処が求められます。そのため自分はもちろん他人も助けられるようにどのような症状が現れるかを把握しておきましょう。

主な症状としてはめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、気分の悪さ、頭痛、吐き気、体の怠さ、意識障害、けいれん、体が高温になる等があります。

なお熱中症はⅠ(軽症)度、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)に分類され、上記の症状のうち気分の悪さまでは軽症で現場での応急処置が可能な状態とされています。

体の怠さまでは中等症となり救急車を呼ぶ等して病院への搬送が必要となります。意識障害以降の症状が現れる場合は重症であり一刻も早い集中治療や入院が必要となります。

特に気をつけるべき人は?

汗腺が未発達であり体温調節がうまくできない乳幼児は特に注意が必要と言われています。車中への置き去り等が問題視されていますが、屋外であっても高温であると短時間で体温が上がりやすく身長も低いのでアスファルト等の輻射熱にも気をつけなければなりません。

乳幼児に関しては自分で症状を把握することが難しいので周りが顔色や汗のかき方を常時観察し、通気性の良い服を着せて適度な飲水をさせることが重要です。

また高齢者においては体内の水分量が少なくなるため一般的に熱中症になりやすくなります。また暑さや喉の渇きも感じにくくなるため意識的に水分を摂取したり、温度管理をこまめにしたりといった行動が必要となります。汗をかくような適度な運動をして発汗しやすい体作りをするのも良いでしょう。

応急処置の方法

熱中症の症状が現れている場合はまず涼しい場所への移動をしましょう。移動したら衣服を緩め、冷却グッズ等で身体を冷やしましょう。水分補給ができる状態であれば水分・塩分・経口補水液等を摂取しましょう。

ただし水分等の摂取に関しては、意識障害で自らできない状態の時に無理にさせてはいけません。

これらを行って改善が見られない場合や、すでに意識障害がある場合は迷わず救急車を呼ぶことが大切です。

当院の診察時間・受付方法・治療について

当院「いたや内科クリニック」は中野区の医療機関であり、JR総武線・都営大江戸線の東中野駅から徒歩2分の場所にあるため駅からのアクセスも便利です。

診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

基本的な診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需で、循環器内科専門医、総合内科専門医が各種検診を担当しています。

また地域医療のゲートキーパーとして総合診療を目指し禁煙外来、予防接種、健康診断の他、いびきや睡眠時無呼吸といった睡眠医療、AGA、ニンニク注射、ED治療と言った自費診療にも対応可能です。

もちろん熱中症の症状が見られた場合にもぜひ来院ください。

中野区にお住まいで当院について詳しく知りたい方、お問い合わせ先を知りたい方はこちらの公式ホームページもあわせてご参照ください。様々な症状や病気について解説したブログも運用しています。

気をつけるのは夏だけではない!熱中症にならないための対策とは?|まとめ

 

最後に今回の記事をまとめます。

  • 東京の気温はこの100年で2℃以上も上昇している
  • 環境省のLINEアカウントでは熱中症警戒アラートが確認できる
  • 水分・塩分の摂取や暑さを避ける行動は欠かせない
  • 可能であれば事前に汗をかきやすい体質を作ることも大切
  • 乳幼児・高齢者は特に注意が必要

 

なお熱中症対策としての具体的な食事内容について紹介されているページがあったので詳しく知りたい方は「こんなときこそ健康づくりを(熱中症対策・食事編)」をご覧ください。