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狭心症とはどのような症状が起こるの?治療法についても紹介
2023.03.04
2020年に入ってからの日本人の死因第1位は悪性新生物(腫瘍)で、2位には心疾患が続きます。心疾患とは先天性の心臓病の他、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患が含まれ、いずれも命の危険性が高い病気となっています。この記事ではこの中の狭心症に焦点を当て、症状や原因、検査方法、治療法について紹介していきます。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|はじめに
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の症状をタイプ別に紹介
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の原因は?
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の検査方法について
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の治療法について
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|まとめ
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|はじめに
心臓は、人間が生きるために必要な酸素やエネルギーを血液に乗せて運ぶためのポンプの役割をしている非常に重要な役割を持つ臓器です。そのため、当然ながら心臓の停止は死に直結します。
そんな心臓機能の活動を脅かす病気が心疾患です。心疾患は心臓に関する病気の総称ですが、そのうちの多くを占めるのが狭心症や心筋梗塞といった「虚血性心疾患」となっています。
「虚血」とは体全体に十分な血液が行き渡らず酸素や栄養が不足していることを指します。これは心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の血流が悪くなることが原因であり、血流が悪くなることで心臓の動きを鈍らせます。
この記事では、心臓への血流が悪くなった状態である狭心症や、完全に血液が行き渡らなくなる心筋梗塞の症状や原因、検査方法、治療法について紹介していきます。
動脈硬化や上記の病気の危険性があると診断されたことがある方、早いうちから予防しようと思っている方、今後治療を検討しているもののどんな方法があるのか不安という方はぜひご覧ください。
なお、心疾患全般について知りたい方は「【心疾患】 「がん」に次いで死亡率の高い病気」をご覧ください。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の症状をタイプ別に紹介
心臓は全身に血液を送るだけではなく、心臓を動かせるために自身にも血液を巡らせる必要があり、その際に通る血管を冠動脈と言います。
この冠動脈は右心室と左心室の下に1本(右冠動脈)、左心室の前後に左冠動脈が枝分かれして1本ずつ(左前下行枝、回旋枝)の合計3本から成っていて、正常な状態ではそれぞれが心臓へ均等に血液を送っています。
そんな冠動脈が細くなってり、詰まりそうになったりしている状態が狭心症です。狭心症になると胸の痛みや違和感、胸が締めつけられるような圧迫感が現れ、しばらくすると治ります。
なお、3本の冠動脈のうち1本が詰まった状態は「1枝病変」、2本は「2枝病変」、全部の場合は「3枝病変」と呼ばれ、3枝病変が一番悪い状態となりますが、それぞれの病状によって治療法は異なります。
また、狭心症では血液が流れにくくなっているものの止まっているわけではないですが、狭心症の症状が悪化して血管が塞がってしまうと心筋梗塞となります。
ただし心筋梗塞が必ずしも狭心症の悪化した状態というわけではなく、それまで狭心症の症状がなかった人も心筋梗塞になる可能性があることにご注意ください。
狭心症は4つのタイプに分けられる
資料によって狭心症の分け方は様々で、大体2〜4つに分けられています。今回は極力細分化した4タイプで紹介します。
1つ目は「労作時狭心症」で、狭心症の大部分がこれに該当します。階段の上り下りや軽い運動をした際に、酸素を供給するための血液が十分に遅れないことで胸が痛んだり、息苦しさを感じたりという発作を起こします。
2つ目は「安定狭心症」です。狭心症の多くは動脈硬化が原因ですが、動脈硬化では、悪玉コレステロールが沈着して粥腫(じゅくしゅ)という塊になりコブ状になることで血液の流れを妨げるようになります。
粥腫は厚い膜・薄い膜で覆われており、そのうち厚い膜が原因となって発症するのが安定狭心症です。狭心症の一種ではありますが、心筋梗塞にはなる可能性は低い状態です。
3つ目は「安静時狭心症」で、名称の通り寝ている時等の安静時にも発作を起こすタイプです。冠動脈が一時的に痙攣(攣縮)することで血管を細くしてしまうことで血液不足となり、動悸や胸の痛み等の症状が現れます。
4つ目は「不安定狭心症」です。粥腫を覆う膜が薄い場合に、脆くて破れて、血栓ができた状態を指します。それまでより発作の回数が増えたり、ちょっとした動作や安静時にも発作が発生したりといった場合はこの不安定狭心症が疑われ、冠動脈が急速に狭まって危険な状態と言えます。
狭心症と心筋梗塞の違いについては「心臓血管病を理解しよう」でも詳しく解説されていたので、さらに詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の原因は?
狭心症のほとんどの原因は動脈硬化からきています。動脈硬化は血管の老化や糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病、喫煙、ストレス、偏った生活習慣等から来るものなので、狭心症も間接的にそれらが原因となって発症すると捉えることができます。
動脈硬化になると血管が硬くなって弾力性を失い、悪玉コレステロールが沈着してコブ(プラーク)を作り、血管が狭くなります。その結果として血流が悪くなって狭心症が起こります。
また、このコブが大きくなって破裂することで血栓ができ血管を詰まらせてしまうと心筋梗塞が起こるという状況です。
老化現象は避けることができないものですが、喫煙の習慣やバランスの取れた食生活、運動といった予防は努力次第で各自でできるものなので、狭心症にならないためにも早いうちから心がけることをおすすめします。
動脈硬化の予防方について簡単にまとめられたページがあったので気になる方は「動脈硬化の改善・予防 3つのキホン「食事」「運動」「ストレス対策」のキーポイントを血管の名医が解説」をご覧ください。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の検査方法について
もちろん問診も検査方法の一つではありますが、それ以外の主な検査方法について紹介します。
一つ目は心電図検査です。心電図での検査は2種類あり、安静時の拍動の状態を確認するものと、運動等で負荷をかけた状態を見る「負荷心電図」です。安静時だけだと狭心症による発作の状況が確認できないため、活動時の状態も検査するということです。
二つ目は心臓超音波検査(心エコー検査)です。人間が聞きとることのできない高い周波数の超音波によって心筋や弁の状態を調べます。
三つ目は血液検査です。血液検査をすることでコレステロール値、血糖値を調べることができます。なお、心筋梗塞を調べる際に血液検査はより効果的で、心筋が壊死する際に血液中に流れ出るクレアチンフォスフォキナーゼ等の酵素の有無等が確認できます。
四つ目は心臓核医学検査(心筋シンチグラム検査)です。放射性同位元素というものを体内に注入し、コンピュータを使って心筋の血液の流れを計測・評価します。
五つ目はホルター心電計です。携行用の小型心電計「ホルター心電計」を利用し、日常生活を送る中での心臓の状態を検査します。病院での検査時だけではなく、長時間の心電図を確認したい場合に有効な方法です。
その他にも検査方法がありますが、こちらでも紹介されているので、あわせてご覧ください。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|狭心症の治療法について
心筋梗塞となってしまった場合はすぐに治療が必要となりますが、一方の狭心症に関しては計画的に治療を進めていくことが基本となります。
また、心筋は壊死してしまう心筋梗塞とは異なり、狭心症は適切な治療をより早い段階で行うことで治すことができる病気です。
狭心症の治療方法は程度によって異なりますが、大きく薬物治療と手術の2つに分けることができます。
薬物治療としては一般的に、症状を収めるためにニトログリセリン等の薬を利用し、動脈硬化を改善させるためにはスタチンを利用します。
また、症状を予防する際はβ遮断薬やカルシウム拮抗薬、硝酸薬、決戦を防ぐためにアスピリン等を利用します。
なお、薬物治療と生活の改善は、次に紹介するカテーテル治療と同等の効果があるとの実験結果もあります。
しかし薬物治療は根本的な治療とはならないこともあるため、進行が止まらない場合や改善しない可能性もあります。その場合には手術を検討する必要が出てきます。
手術としてはカテーテル治療(PCI)もしくはバイパス治療(CABG)の2種類が考えられます。基本的に医師と話し合ってどちらかを選択することになりますが、どちらかというとカテーテル治療は症状が中程度の場合、より重症の場合はバイパス治療を行うことが多いです。
カテーテル治療は、カテーテルと呼ばれる細い管を冠動脈に通し、カテーテルの先端につけられたバルーンを狭窄が見られる部分で膨らませて血管を押し広げる方法です。広げられた血管はバルーンを抜き取ってもそのままの形を維持するので、血流を改善させることが可能です。
バイパス治療は、詰まっている部分を迂回する新たな血管を作って大動脈と、詰まった箇所の先をつなげる方法です。なお、新たな血管は胸や胃、上肢のものを利用することが多いです。カテーテルより確実に血流が改善するものの、バイパス治療は医師の高度な技術が必要と言われています。
当院の診察時間・受付方法について
いたや内科クリニックでは、動脈硬化疾患に関連する血糖値、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)といった数値の即日検査が可能です。
診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。
診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需です。
当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。
狭心症とは?症状・原因・検査・治療法について|まとめ
以下が今回のまとめとなります。
- 冠動脈が細くなってり、詰まりそうになったりしている状態が狭心症
- 完全に詰まってしまった状態は心筋梗塞となる
- 狭心症のタイプは労作時狭心症、安定狭心症、安静時狭心症、不安定狭心症の4つ
- 狭心症のほとんどの原因は動脈硬化
- 治療法は薬物治療と手術の2つがあり、手術にはカテーテル治療とバイパス治療がある
「狭心症の治療はどのように行われるのか」では治療法の決定方法について紹介されていたので、あわせてご覧ください。
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