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生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説

2023.04.12

この記事では、生活習慣病にはどんな病気が含まれるか、またその原因と予防法、喫煙との関係について紹介していきます。

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|はじめに
生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|生活習慣病に分類される病気と呼称が変わった理由
生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|原因と予防について
生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|喫煙と生活習慣病について
生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|まとめ

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|はじめに

がんや糖尿病、心臓病、脳卒中と聞くと深刻な病気である認識を持ちますが、「生活習慣病」と聞くと生活習慣が悪いことによって起こる体のちょっとした不調程度にしか思っていない人もいることでしょう。しかしこの生活習慣病には上記で挙げた病気が全て含まれています。

かつては「成人病」と呼ばれていましたが名称とは異なり成人でなくても発病するものであるため、1996年からは日頃の不摂生が主な原因となることを表す「生活習慣病」という呼称に変わりました。

生活習慣病は検査による早期発見・早期治療だけではなく、早くからの日常生活での心掛け、生活改善が重要と言われています。

この記事では生活習慣病の概要や該当の病気、原因や予防法についてまとめています。ぜひ生活習慣病を正しく理解したうえで老若男女問わず早くからの生活習慣の見直しにお役立ていただければ幸いです。

なお今回詳しい解説は省きますが、生活習慣病と関連性の深い動脈硬化について知りたい方は「動脈硬化とは?原因となる心臓や脳の病気や予防方法について解説」をご参照ください。

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|生活習慣病に分類される病気と呼称が変わった理由

厚生労働省のデータとして公表されている2021年時点における日本人の三大死因は、がん、脳血管疾患心疾患(老衰を除く)となっていますが、これらは全て生活習慣病に分類される病気です。

同じくこれらの危険因子となる動脈硬化症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった病気・症状も生活習慣病です。以上のように生活習慣病は決して軽視できるものではありません。

生活習慣病は1996年まで「成人病」と呼ばれていましたが、成人でなくても罹る病気であること、また生活習慣の改善によって予防できる部分もあるということを啓蒙する意味も込めて「生活習慣病」という呼称に変わりました。

ただし生活習慣病は各々の生活スタイルに起因しているのはもちろんであるものの、遺伝要因、外部環境要因もあるにもかかわらず、自分の責任という差別を生む可能性のある呼び方と捉えられることもあります。そのため呼称や定義に関しては今後も時代と共に変化する可能性があるでしょう。

なお世界保健機関(WHO)においても同じように生活習慣病を「NCDs(Noncommunicable diseasesの略:非感染性疾患)」として扱っており、慢性肺疾患もその一つとして含まれています。NCDsは世界の死因のトップとなっている状況です。

国民の健康維持と現代病予防を目的とした「健康増進法」や2000年に厚生省によって提唱された「健康日本21」では、生活習慣病を「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義しており、各習慣と結びつく病気についても示されています。

食習慣が原因となるものとしてはインスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、循環器病、大腸がん、歯周病等が挙げられます。

運動不足が原因となるものとしてはインスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症等、喫煙習慣が原因となるのは肺扁平上皮がん、循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等、飲酒習慣が原因となるのはアルコール性肝疾患等が挙げられます。

それでは原因となり得る各習慣は具体的にどのようなことが該当するかを解説したうえで、どのような予防をすれば良いかを次から紹介していきます。より具体的な病名を知りたい方は「定義や種類、原因を知って備えよう!」もご覧ください。

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|原因と予防について

食習慣においては脂っこいもの、塩分の高いものばかりを摂取して野菜をあまり食べない生活を送っていると生活習慣病になりやすくなります。また炭水化物を極端に摂取したり、糖分の多い飲み物等をよく飲んだり、間食が多かったりということも原因になります。

運動習慣においては30分以上の運動や汗をかく運動を滅多にしない人、外出にはほとんど車を利用する人が要注意となります。喫煙習慣、飲酒習慣についてはその量が多い程危険性が増します。慢性的な睡眠不足となっている場合も要注意です。生活習慣病を予防するにはこれらの項目を良化させるということが重要となります。

生活を改善するうえで心がけるべき点を、日本生活習慣病予防協会では「一無、二少、三多」として端的に表しています。

「一無」は禁煙を表しています。タバコにはタールや一酸化炭素、活性酸素をはじめとした何十種類もの発がん性物質が、タバコの葉っぱそのものや燃焼した際に出るうえ、ニコチンによってタバコへの依存性を高めます。

また喫煙者自身だけではなく受動喫煙によって周りの人も同じ病気へのリスクを背負わせることとなるので、禁煙は自他ともに生活習慣病を遠ざける予防法の一つとなります。

「二少」は少食と少酒を表しています。脂っこいもの、塩分の高いものばかりという偏った食生活を改めてバランスの取れた食事をし、暴飲暴食を避けることが重要です。お酒に関してはタバコのように必ずしも禁酒しなければいけないわけではなく、例えば日本酒であれば1合(180ml)、ビールであれば中瓶1本(500ml)、ウイスキーダブルであれば1杯程度というように量を抑えるようにしましょう。

なお「(体重÷身長)の2乗」で算出できるBMI(ボディマス指数)では22〜24となるのが適性体重であり、病気になりにくい体作りのための指標の一つとしても良いでしょう。

「三多」は多動、多休、多接を表しています。少しイメージが付きづらいかもしれませんが、体をよく動かして休息も十分にとり、多くの人、事、物と接しましょうということです。

仕事柄座っていることが多いという人もいるかもしれませんが、意識的に今より少しでも体を動かすことが必要となります。運動することで心肺機能や脳の機能を高めるという効果も得られます。

もちろん休息も必要なので仕事とメリハリを付けてしっかり休む時間も作りましょう。最後の「多接」に関しては、科学的なデータによるものです。

社会や人との繋がりがない状態になると人は精神的にも身体的にも健康を害することが多いとの結果が出ているため、社会と接点を持ち続けることは重要とされています。

一無、二少、三多についてはこちらでも詳しく説明されているのであわせてご覧ください。

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|喫煙と生活習慣病について

さて、生活習慣病の予防として食事や飲酒については適量でということが言われている中、喫煙に関しては節煙ではなく禁煙が重要と言われています。これは、百害あって一利なしとも言われるように生活習慣病にはタバコを原因とするものが非常に多いためです。

喫煙が原因となる病気には肺がんの他、咽頭がん、口腔がん、膀胱がん、食道がん、胃がん、膵臓がん等のがんがあります。また喫煙することで動脈硬化を促進し、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血となる危険性もあります。その他にも歯周病や肺気腫、慢性気管支炎が挙げられます。

逆に禁煙することで以上の病気になる可能性を減らすことが可能です。たとえ喫煙歴が長いとしても禁煙が手遅れということはありませんが、止めるのが早ければ早い程、その分延びる寿命も多くなると言われています。

そればかりか禁煙による効果は比較的すぐに表れ、24時間程度で心臓発作のリスクが低下する他、1ヶ月程度で呼吸器関連の症状に改善が見られるようになります。

1年後に肺機能、4年後までに虚血性心疾患や脳梗塞のリスクの低下、5年後には肺がんのリスク低下、さらには10〜15年経過すると非喫煙者とほぼ同等の状態になります。

ただし受動喫煙によっても同じ病気になる危険性があるので、身近な人、接する機会の多い人の中に喫煙者がいる場合は、仲違いしない程度に禁煙を呼びかけることも必要となります。

もしどうしても自力での禁煙が難しいという方は、禁煙外来を利用することもおすすめします。

当院の診察時間・受付方法について

東中野にある当院「いたや内科クリニック」では、動脈硬化の発端となる高血圧、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病の診療を行っており、総合診療を目指しています。

診療時間は、平日の月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

基本的な診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需です。

当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。ホームページ上では、この記事以外にも生活習慣病含めた様々な病気・症状についてのブログを掲載しています。

生活習慣病とは?どんなことが原因になるかも解説|まとめ

最後に今回の記事をまとめます。

  • 日本人の三大死因は全て生活習慣病に分類される病気
  • 「成人病」という呼称は、生活習慣の改善で予防できるということを意識づけるため「生活習慣病」に変更された
  • 生活習慣病の予防法は「一無(禁煙)、二少(少食・少酒)、三多(多動・多休・多接)」を心がけることが重要

中野区の公式サイトには生活習慣病に関する様々な情報やリンクがまとめられた「健康いきいき中野~生活習慣病について知りましょう~」というページがあるので、あわせてご覧ください。