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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!

2023.02.07

アレルギー性鼻炎が原因で睡眠時無呼吸症候群を発症するって…本当? このような疑問にお答えします。 この記事では「睡眠時無呼吸症候群とアレルギー性鼻炎の関係」について解説していきます。睡眠時無呼吸症候群にお心当たりのある方は、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

【目次】
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!睡眠時無呼吸症候群ってなに?
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!種類について
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!鼻炎には季節性と通年性があります
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!治療法について
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!レーザーによる治療もございます
睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!積極的に検査しましょう

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!睡眠時無呼吸症候群ってなに?

はじめに「睡眠時無呼吸症候群」について解説します。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する疾患。医学的な定義では、無呼吸の状態が7時間睡眠の間に30回以上。もしくは1時間の中で5回以上起こっていれば「睡眠時無呼吸症候群」となります(※気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います)。睡眠時無呼吸症候群について詳しく知りたい方は「睡眠時無呼吸症候群の症状について解説しているサイト」をご覧ください。

※睡眠時無呼吸症候群は(Sleep Apnea Syndrome)の頭文字を取ってSAS(サス)とも呼ばれております。

毛布の下のベッドで寝ている女性

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!種類について

睡眠時無呼吸症候群には「閉塞性睡眠時無呼吸」「中枢性睡眠時無呼吸」、そして両者を合わせた「混合型睡眠時無呼吸」の3種類があります。

風邪をひいたなんて信じられない! - アレルギー ストックフォトと画像

<閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは?>

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、胸部や腹部の呼吸運動は行われているにも関わらず、上気道の閉塞のために、鼻、口での呼吸がなく無呼吸となるものです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢は正常に働いているのに対して、睡眠に伴い舌根沈下等が起こり、上気道の閉塞が起こっています。そのため、呼吸再開時に「大きないびき」を伴う特徴があります。なお、閉塞性睡眠時無呼吸症候群について詳しく知りたい方は「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」をご覧ください。

<中枢性睡眠時無呼吸症候群とは?>

中枢性睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸を調整している脳の呼吸中枢が働かなくなることで起こる病気。肺、胸郭、呼吸筋、末梢神経に異常がなく、中枢神経系の障害により「呼吸制御系が障害された場合や呼吸中枢の機能異常により、REM期を中心とした睡眠中に呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となります。なお、中枢性睡眠時無呼吸症候群になるメカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の30~40%に中枢性の無呼吸がみられるとされております。

<混合型睡眠時無呼吸症候群とは?>

混合型睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群が組み合わさった睡眠時無呼吸症候群です。混合型睡眠時無呼吸は中枢性より発症率は高いですが、閉塞性ほどではありません。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!

病気の黒い家族がナプキンで鼻水を吹く ストックフォト

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の半数以上の方は「肥満」が原因です。しかし根本的な原因を探っていくと、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻腔の構造的な問題による鼻詰まりが関係しているケースも少なくありません。ですので、睡眠時無呼吸症候群の症状が見られる際は「肥満だから…」と決めつけず、速やかに専門医のもとを訪れましょう。「耳鼻咽喉・頭頸科耳鼻科疾患と睡眠時無呼吸症候群~子どもから大人まで~」や「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」でも同様のことを述べておりますよ。なお、睡眠時無呼吸症候群の主な症状は以下の通りです。

<睡眠時無呼吸症候群の主な症状>

日中の強い眠気がする
よく居眠りする
いびきをかく(激しい音と中断を繰り返し、いびきで目が覚めることも)
中途覚醒(目が覚めやすい、眠りが浅い)
起床時に口や喉が渇いている
起床時に頭痛がある
苦しくて目が覚める
疲労感や倦怠感がある
胸焼け
逆流性食道炎
血圧や血糖値が高い
寝汗をかく
寝相が悪い
夜間に何度もトイレに行きたくなる

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!鼻炎には季節性と通年性があります

アレルギー性鼻炎は原因物質(アレルゲン)の種類によって以下の2つに分類されますよ。

<季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)>

季節性アレルギー性鼻炎は、原因となる花粉の飛散時期だけに「鼻炎症状」や「目の症状」などが認められるアレルギー性鼻炎。日本では、約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されています。ですから、複数の花粉に反応する季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、ほぼ1年中症状に悩まされるという人も少なくありませんよ。

<通年性アレルギー性鼻炎>

通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められるアレルギー性鼻炎。アレルゲンが一年中あるため、症状も1年中あります。近年は「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人が増えております。ですから、人によっては1年中「鼻水・鼻づまり」や「目のかゆみ・異物感」に悩まされるという人も少なくありません。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!治療法について

アレルギー性鼻炎の治療法は大きく分けて3つ。「薬物治療」「手術治療」「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」になります。詳しくは以下をご覧ください。

女性医師は笑顔で、認識できない女性患者に耳を傾ける ストックフォト

【睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!治療法1】薬物治療

薬物治療とは文字通り「薬」を使用した治療法です。鼻水、鼻づまりなどの症状を除くために、症状を起こす原因である「化学物」が働かないようにする薬が用いられます。薬物治療について詳しく知りたい方は「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」をご覧ください。

【睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!治療法2】手術治療

薬物治療で症状が改善しない、または不十分であるときは、下甲介の骨または粘膜の切除・減量を行ったり、後鼻神経を切断したりします。なお、手術治療について詳しく知りたい方は「いびき、睡眠時無呼吸症候群は鼻詰まりを改善することも重要」、もしくは「日帰り手術専門サイト」をご覧ください。

【睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!治療法3】舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、アレルギーの原因(アレルゲン)となる物質を少しずつ長い間(3〜5年)投与することでアレルゲンに身体を慣らしていき、アレルギー症状を改善させる治療法です。舌下免疫療法は体を抗原に慣らしていくため、根本的な治療法に近いといえます。2014年に舌下免疫療法が開始されるまで、減感作療法(げんかんさりょうほう)といえば注射による「皮下免疫療法」が主流でした。しかし舌下免疫療法のほうが「簡便で続けやすい」「アナフィラキシーショックが少ない」など利点が多いため、現在では「舌下免疫療法」が主流となっておりますよ。なお、舌下免疫療法は充分な効果が出るまで最低2年程度(3年以上推奨)、毎日服用する必要がありますので、ご注意くださいね。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!レーザーによる治療もございます

在宅看護師、在宅の高齢者女性との理学療法 ストックフォト

レーザー治療とは、鼻の粘膜に麻酔をかけ、表面を焼くことで、粘膜がアレルギー反応を起こしにくくする治療法です。レーザー治療は「薬物療法」や「体質改善療法」などの保存的治療法に抵抗性を示す「通年性のアレルギー性鼻炎」や「季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)」に対して有効。特に鼻づまりへの有効率が高くなっています。なお、レーザー治療にかかる時間は30分程度で、痛みや出血はほとんどありませんよ。レーザー治療について詳しく知りたい方は「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」をご覧ください。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因はアレルギー性鼻炎かも!積極的に検査しましょう

赤い聴診器を持っている医者

睡眠時無呼吸症候群は極めて危険な病気です。単なる睡眠障害ではありません。最悪の場合、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こし、突然死に至る恐れもあります。ですから、睡眠時無呼吸症候群の症状が疑われる場合は放置せず、速やかに検査を受けましょう。なお、睡眠時無呼吸症候群の危険性については「いびき睡眠時無呼吸症候群における鼻の役割」や「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」でも同様のことを言っております。