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睡眠時無呼吸症候群の原因を知って子どもの健康を守りましょう
2022.10.12
子どもでも…。 睡眠時無呼吸症候群になるの? このような疑問を抱えている方はいませんか? 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気。一般的に大人の病気として知られています。しかしながら、子どもでも「睡眠時無呼吸症候群」を患う可能性は十分に考えられます。ですから、子どもに睡眠時無呼吸症候群の症状が見られる場合は、速やかに専門医のもとを訪れましょう。 この記事では「子どもの睡眠時無呼吸症候群」について解説していきます。記事の後半では「子どもの睡眠時無呼吸症候群の症状」についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASについて語る前に
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもと大人ではSASの基準が異なります
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASの原因は多く分けると2つ
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因1】扁桃肥大(へんとうひだい)
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因2】アデノイド肥大
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASの原因として他に考えられるもの
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因1】肥満
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因2】アレルギー性鼻炎
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因3】下アゴが小さい
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASは成長期と重なるケースが多い
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?SASを放置すると子どもに悪影響を及ぼします
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?SASの疑いがある子どもについて
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!眠っているときの症状>
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!起きているときの症状>
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!日常生活の症状>
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもの治療について
【子どもの治療について1】保存的治療
【子どもの治療について2】外科的治療
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもを守るため専門医のもとを訪れましょう
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASについて語る前に
はじめに「睡眠時無呼吸症候群」について解説します。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気。医学的な定義では、無呼吸の状態が7時間睡眠の間に30回以上。もしくは1時間の中で5回以上起こっていれば「睡眠時無呼吸症候群」となります(※気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います)。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることによって血液中の酸素濃度が下がったり、血圧が急上昇したりするため「高血圧・糖尿病」などの生活習慣病や「心筋梗塞・脳梗塞」などの命にかかわる病気を引き起こします。ですから、睡眠時無呼吸症候群は放置せず、速やかに「かかりつけ医」に相談しましょう。
※睡眠時無呼吸症候群は(Sleep Apnea Syndrome)の頭文字を取ってSAS(サス)とも呼ばれております。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもと大人ではSASの基準が異なります
子どもと大人では、睡眠時無呼吸症候群の基準が異なります。子どもの睡眠時無呼吸症候群は「無呼吸時間が10秒に至らなくても、2回分の呼吸停止があれば無呼吸と診断できる」とされております。一方、大人の睡眠時無呼吸症候群は「10秒以上の呼吸停止が、1晩(7時間の睡眠中)に30回以上、または1時間に5回以上」とされております。現在、子どもの睡眠時無呼吸症候群は新生児から小学生までの「1%~3%」に見られると言われております。しかし潜在患者も多いため、実際にはもっと多くの患者様がいると考えられるでしょう。「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも同様のことを言っております。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASの原因は多く分けると2つ
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因は、多きく分けると下記の2つになります。
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因1】扁桃肥大(へんとうひだい)
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因1つ目は「扁桃肥大」です。扁桃肥大とは、咳や発熱などの症状がないのにも関わらず、喉の奥にある扁桃(扁桃腺)が腫れて肥大した状態。子どもの扁桃は3歳頃から大きくなり、7歳頃にピーク。10歳頃には小さくなります(その後は徐々に退縮していきます)。扁桃肥大になると、いびきによる睡眠時無呼吸、日中眠そうにしているなどの「睡眠障害」や「呼吸障害」などの症状を引き起こす可能性があります。扁桃肥大については「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも同様のことを言っております。
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因2】アデノイド肥大
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因2つ目は「アデノイド肥大」です。アデノイドとは、鼻の一番奥、喉との間の上咽頭にあるリンパ組織のかたまりです。このアデノイドが色々な原因で大きくなり、鼻や耳に様々な症状を引き起こす場合をアデノイド肥大と呼びます。アデノイドが肥大すると、鼻の空気の通り道が狭くなるため、鼻づまり、鼻声、いびき、口呼吸などが発生。ひどいときには「睡眠時無呼吸症候群」が起こります。なお、アデノイド肥大は子ども特有の病気で、何が原因で大きくなるのかはっきりとはしていません。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASの原因として他に考えられるもの
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因は主に上記の2つです。しかし、なかにはそれ以外の原因によって睡眠時無呼吸症候群を発症する子どもがいます。以下、子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因として他に考えられるものです。
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因1】肥満
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因として他に考えられるもの1つ目は「肥満」です。近年は子どもの肥満が増加しております。肥満は体だけでなく「軟口蓋」や「喉」にも脂肪がつきます。そのため、上気道を狭めることになり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。なお、「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも、子どもの肥満について述べております。
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因2】アレルギー性鼻炎
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因として他に考えられるもの2つ目は「アレルギー性鼻炎」です。近年は大人と同様、子どものアレルギー性鼻炎も増加しております。アレルギー性鼻炎になると、鼻からの呼吸がうまくできず、無呼吸を引き起こす可能性があります。ですので、アレルギー性鼻炎が原因で睡眠時無呼吸症候群になることもあり得るでしょう。アレルギー性鼻炎については「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも述べております。
【子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因3】下アゴが小さい
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因として他に考えられるもの3つ目は「下アゴが小さい」です。下アゴが小さく後退していると「舌根」が落ち込み、気道が狭くなりやすいです。そのため「下アゴ」が小さいことが原因で、睡眠時無呼吸症候群を発症する可能性はあり得るのです。
なお、下アゴが小さいことによる睡眠時無呼吸症候群は、大人の患者様でも多く見受けられます。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どものSASは成長期と重なるケースが多い
子どもの睡眠時無呼吸症候群は2~6歳に多く見られます(大人の場合は30代~60代。男性に多く、女性は比較的少ないです)。2~6歳の時期は「扁桃組織の肥大」と「心身の発達の時期」が重なります。ですから、この年齢の子どもは睡眠時無呼吸症候群を発症する可能性が高いと言われているのです。ただし近年は、上述した「アレルギー性鼻炎」や「肥満」なども原因となるため、子どもでも幅広い年齢に起こると言えるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?SASを放置すると子どもに悪影響を及ぼします
子どもの睡眠時無呼吸症候群を放っておくと「成長ホルモン」が十分に分泌されなくなります。そのため、低身長や低体重、逆に肥満など身体の発育に影響することがあります。また、寝つきや寝起きが悪くなる、一度昼寝をすると「2〜3時間は寝てしまう」というように睡眠・覚醒リズムが狂ってしまう可能性もあります。ですから、子どもの睡眠時無呼吸症候群は放置せず、速やかに専門医のもとを訪れましょう。「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも、同様のことを述べております。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?SASの疑いがある子どもについて
一概には言えませんが、子どもに下記のような症状が見られたら、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。お心当たりのある親御さんは、専門医に相談しましょう。
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!眠っているときの症状>
大きないびきをかく
ひんぱんに寝返りをする
よく咳き込む
寝汗をかく
夜尿症(おねしょ)
数秒間、呼吸が止まる
何度も起きる
陥没呼吸(胸の中央がへこむ呼吸)
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!起きているときの症状>
頭痛
機嫌が悪い
口が渇いている
寝起きが悪い
<子どもの睡眠時無呼吸症候群!日常生活の症状>
食欲の低下
長時間の昼寝
学校での居眠り
集中力の低下
口呼吸
やけに怒りっぽい
鼻が詰まっている
アデノイド顔貌(口を開けて舌を突き出した顔つき)
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもの治療について
睡眠時無呼吸症候群の治療は大きく分けて2つ。「保存的治療」と「外科的治療」があります。
【子どもの治療について1】保存的治療
睡眠時無呼吸症候群の症状が軽く、鼻閉などが原因の場合は「点鼻薬」や「抗アレルギー薬」などの内服薬による薬物治療で症状を軽減します。なお、症状によっては経過観察で十分な場合もあったり、横向き枕を使用した寝方の指導だけで十分な場合もあります。(肥満の場合は減量に取り組みます)一方、重症の際は鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって呼吸を楽にする「CPAP(シーパップ)療法」を行います。一部のメーカーのCPAPは小児に対応したマスクもあり、安全に使用することが可能です。なお、CPAP(シーパップ)療法について詳しく知りたい方は「子どもの睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」をご覧ください。
【子どもの治療について2】外科的治療
上述した保存療法では効果がなく、いびきや他の症状を繰り返す場合は「アデノイド切除術」「口蓋扁桃摘出術」などの外科手術を検討します。手術は全身麻酔で行われ、術後約1週間の入院を要することになります。小さな子どもでも可能な手術で、ほとんどが大きく改善するため、アデノイドが小さくなるのを待たずに行う場合があります。なお、手術は入院や痛みを伴い、子どもの負担になります。ですから、いきなり手術を始めるようなことはありません。まずは保存的治療に取り組み、それでも効果がない場合に外科手術を行います。
睡眠時無呼吸症候群の原因とは?子どもを守るため専門医のもとを訪れましょう
睡眠時無呼吸症候群は極めて危険な病気。単なる睡眠障害ではありません。放置してしまうと様々な合併症を引き起こす可能性があります。ですので、ですので、子どもに睡眠時無呼吸症候群の症状が見られたら、速やかに専門医のもとを訪れましょう。
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