睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！様々な疾患との関連について解説します

睡眠時無呼吸症候群って…。 放置しても大丈夫？ このような疑問を抱えている方はいませんか？ 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる疾患。一般的に単なる「睡眠障害」だと考えられております。しかし実際は違います。睡眠時無呼吸症候群は様々な疾患と関連があります。ですから、単なる眠気と捉えて放置すると非常に危険です。 この記事では「睡眠時無呼吸症候群と疾患との関連」について解説していきます。睡眠時無呼吸症候群の症状にお心当たりのある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！様々な疾患との関連について語る前に

まずは「睡眠時無呼吸症候群」について解説します。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する疾患。医学的な定義では、無呼吸の状態が7時間睡眠の間に30回以上。もしくは1時間の中で5回以上起こっていれば「睡眠時無呼吸症候群」となります（※気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います）。なお、睡眠時無呼吸症候群は大きく3つのタイプに分類されます。詳しくは「睡眠時無呼吸症候群の原因について解説しているサイト」に記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！様々な疾患を引き起こす理由

睡眠時無呼吸症候群は一時的に呼吸が止まるだけの疾患ではありません。呼吸が止まることにより血液中に取り入れられる酸素量が大幅に減少し、血液中の酸素濃度を表す「動脈血酸素飽和度」は呼吸不全状態と同様にまで落ち込みます。そして、酸素不足を補うために心拍数は上昇。これに従って血圧も急激に上がります。このようなことから、睡眠時無呼吸症候群を放置しておくのは危険。ずっと放置しておくと「心臓」や「脳」「血管」に大きな負担がかかる状態が何年も続くことになります。ですので、次第に負担が蓄積され、脳卒中や心筋梗塞などの様々な疾患を併発する要因となるのです。「日本呼吸器学会」でも、同様のことを言っております。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある代表的な疾患

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることによって「覚醒反応」や「血液の酸素量低下」が起き、様々な症状や疾患を引き起こします。代表的な疾患には以下のものがあります。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患1】高血圧

高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。高血圧症は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれております。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患2】脳卒中

脳卒中とは、急性期脳血管障害のことを指し、突然脳の血管が詰まったり、破れたりして引き起こされる病気の総称。脳卒中は原因によって「脳の血管が詰まるタイプ（脳梗塞、一過性脳虚血発作）」と「脳の血管が破れるタイプ（脳出血、くも膜下出血）」の2つに分けられます。脳卒中は、障害を受けた脳が司っていた「身体機能」や「言語機能」が失われたり、場合によっては死に至ることもありますので、非常に危険な疾患です。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患3】不整脈

不整脈とは、心臓の鼓動が不規則になる事。脈が１分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈と言い、動悸や息切れを伴う心房細動も不整脈のひとつです。近年、心房細動は睡眠時無呼吸症候群と関連があることがわかっております。そのため、不整脈も睡眠時無呼吸症候群と関連のある疾患だと言えるでしょう。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患4】糖尿病

糖尿病とは、インスリンの作用不足により高血糖が慢性的に続く疾患。（インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています）血糖の濃度（血糖値）が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い疾患につながります。なお、睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係については「睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも述べております。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患5】脂質異常症

脂質異常症（高脂血症）とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態のことをいいます。脂質異常症は多くの場合、自覚症状がありません。脂質異常症の状態が続くと動脈硬化症をきたし、狭心症や心筋梗塞といった合併症が生じるリスクが高まります。ですから、絶対に放置してはいけません。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患6】心筋梗塞

心筋梗塞とは、心筋に血液と酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることです。これにより、心筋が酸素不足に陥り壊死を起こしてしまう状態を言います。心筋梗塞は日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で、突然死の原因にもなり得る、恐ろしい疾患のひとつです。なお、睡眠時無呼吸症候群と心筋梗塞の関係については「睡眠時無呼吸症候群の症状を解説しているサイト」でも述べております。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！関連のある疾患7】精神疾患

精神疾患とは、脳の働きの変化によって、感情や行動などに著しいかたよりが見られる状態。統合失調症やうつ病、双極性障害（躁うつ病）などが挙げられます。睡眠時無呼吸症候群によって、日中に眠くなり、昼間に長時間の睡眠をとってしまう。すると夜眠れなくなり、翌朝に疲れが残る。こういった症状が続くと気持ち的な面でもやる気が起きなくなり、精神疾患に陥る可能性が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！疾患を引き起こす以外にも危険はあります

睡眠時無呼吸症候群を放置しておけば、症状が悪化して事故を引き起こす可能性があります。たとえば、自動車などの運転中に起こる強い眠気。これは時に、重大な事故を引き起こす原因となります。実際に数年前、群馬県の高速道路で起きた「高速バスツアー事故」では、運転手が「睡眠時無呼吸症候群」を患っておりました。またこの事故以外でも、睡眠時無呼吸症候群が関係していた交通・運輸事故が全国各地で起きています。ですから、睡眠時無呼吸症候群を絶対に放置してはいけません。睡眠時無呼吸症候群は「人の命を奪う可能性がある」ということを理解しておきましょう。睡眠時無呼吸症候群が引き起こす交通事故の危険性については「閉塞性睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも述べております。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！様々な疾患を引き起こさないために

上述した様々な疾患は生活習慣を改善するだけで、ある程度は予防できます。ですから、睡眠時無呼吸症候群の症状にお心当たりのある方は、下記の内容を参考にして改善に取り組みましょう。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！疾患を予防するために１】有酸素運動

有酸素運動は脂肪を燃焼し、肥満を改善する効果が期待できます。運動でのカロリー消費は少ないとされますが、運動によって筋肉が増えると、代謝のよい太りにくい体になり、様々な疾患の予防になります。ですから、習慣的に「ウォーキング」や「ジョギング」などの有酸素運動を行いましょう。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！疾患を予防するために2】食生活を見直す

健康を気にせず、好きなものばかりを食べていると体を壊します。ですので、1日3食、栄養バランスの取れた食生活で、適正なカロリー摂取を心がけましょう。少し食生活を見直すだけでも、様々な疾患の予防に効果はあります。食生活の改善については「睡眠時無呼吸症候群のよくある症状を紹介しているサイト」でも述べております。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！疾患を予防するために3】よく噛んで食べる

食べる物と同様に「食べ方」も非常に大事。なぜなら、血糖値は食事を始めて「10分～20分程度」で上昇していき、その情報が脳の満腹中枢に送られることで食欲にブレーキがかかります。ですので、早食いをするとその「ブレーキ」がかかる前に食べてしまうことになり、必要以上に食べてしまうのです。よく噛んでゆっくりと食べることも、様々な疾患の予防になりますので、サボらずに行いましょう。

睡眠時無呼吸症候群の原因を知り治療しよう！疾患が心配な方は積極的に受診しましょう

これまでにご紹介した通り、睡眠時無呼吸症候群は極めて危険な疾患。単なる睡眠障害ではありません。放置してしまうと様々な疾患を引き起こす可能性があります。ですので、睡眠時無呼吸症候群の症状にお心当たりのある方は、積極的に専門医のもとを訪れましょう。