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睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性と閉塞性の特徴について解説します
2023.02.07
中枢性睡眠時無呼吸症候群って…。 閉塞性と何が違うの? このような疑問にお答えします。 この記事では「中枢性睡眠時無呼吸症候群と閉塞性睡眠時無呼吸症候群の特徴」について解説していきます。後半部分では「睡眠時無呼吸症候群の治療法」についても解説しておりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性と閉塞性の特徴について解説する前に
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性と閉塞性について
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性・混合型の3種類があります
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性よりも閉塞性の患者様が多いです
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性ではチェーンストークス呼吸に注意しましょう
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性どちらも放置してはいけません
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法について
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性は薬物治療を行う可能性があります
睡眠時無呼吸症候群の原因|積極的に検査しましょう
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性と閉塞性の特徴について解説する前に
はじめに「睡眠時無呼吸症候群」について解説します。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する疾患。医学的な定義では、無呼吸の状態が7時間睡眠の間に30回以上。もしくは1時間の中で5回以上起こっていれば「睡眠時無呼吸症候群」となります(※気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います)。睡眠時無呼吸症候群について詳しく知りたい方は「睡眠時無呼吸症候群の症状について解説しているサイト」をご覧ください。
※睡眠時無呼吸症候群は(Sleep Apnea Syndrome)の頭文字を取ってSAS(サス)とも呼ばれております。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性と閉塞性について
睡眠時無呼吸症候群の原因は「中枢性」と「閉塞性」で異なります。中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、ストレスなどの何らかの原因により、本来は正常になされるはずの脳の呼吸コントロールがうまくいかないことで起こります。一方、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に上気道が塞がれることで発生。主な原因には、肥満、扁桃・アデノイド肥大、上気道への舌の落ち込み、骨格(下顎)が小さい、などが挙げられます。なお「中枢性」と「閉塞性」については、次の項目で詳しく解説します。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性・混合型の3種類があります
睡眠時無呼吸症候群には「中枢性睡眠時無呼吸」「閉塞性睡眠時無呼吸」、そして両者を合わせた「混合型睡眠時無呼吸」の3種類があります。
<中枢性睡眠時無呼吸症候群とは?>
中枢性睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸を調整している脳の呼吸中枢が働かなくなることで起こる病気。肺、胸郭、呼吸筋、末梢神経に異常がなく、中枢神経系の障害により「呼吸制御系が障害された場合や呼吸中枢の機能異常により、REM期を中心とした睡眠中に呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となります。なお、中枢性睡眠時無呼吸症候群になるメカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の30~40%に中枢性の無呼吸がみられるとされております。中枢性睡眠時無呼吸症候群については「MSDマニュアル」や「中枢性睡眠時無呼吸症候群の原因を解説しているサイト」に詳しく記載しておりますので、気になる方はご覧ください。
<閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは?>
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、胸部や腹部の呼吸運動は行われているにも関わらず、上気道の閉塞のために、鼻、口での呼吸がなく無呼吸となるものです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢は正常に働いているのに対して、睡眠に伴い舌根沈下等が起こり、上気道の閉塞が起こっています。そのため、呼吸再開時に「大きないびき」を伴う特徴があります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群については「睡眠時無呼吸症候群の原因を紹介しているサイト」に詳しく記載しておりますので、気になる方はご覧ください。
<混合型睡眠時無呼吸症候群とは?>
混合型睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群が組み合わさった睡眠時無呼吸症候群です。混合型睡眠時無呼吸は中枢性より発症率は高いですが、閉塞性ほどではありません。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性よりも閉塞性の患者様が多いです
SAS患者様の9割程度が「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」に該当するといわれております。日本では2〜300万人、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の可能性があるといわれているくらいです。なお、中枢性の患者様は数%程度だといわれておりますよ。「睡眠時無呼吸症候群の原因について解説しているサイト」でも同様のことを述べております。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性ではチェーンストークス呼吸に注意しましょう
中枢性睡眠時無呼吸症候群は心不全に合併することが多いですが、その中には、無呼吸の後に呼吸が徐々に大きくなり、その後、弱くなっていく呼吸パターンが出現することがあります。この呼吸パターンは特徴的であるため「チェーンストークス呼吸」と呼ばれています(チェーンストークス呼吸とは周期性の呼吸異常のことです。)チェーンストークス呼吸は何度も繰り返すうちに、二酸化炭素ナルコーシスが進み、意識レベルは低下して朦朧状態となり、意識消失による舌根沈下や窒息を招きます。さらに、呼吸の低下から呼吸停止につながり死に至ることもあり得ます。なお、チェーンストークス呼吸の危険性については「中枢性睡眠時無呼吸症候群の解説をしているサイト」でも述べておりますよ。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性どちらも放置してはいけません
睡眠時無呼吸症候群を放置していると危険です。なぜなら、低酸素状態が続くことで、心臓や血管に大きな負担がかかり「心筋梗塞」や「脳梗塞」「高血圧」などが起こりやすくなるからです。また、低酸素状態と睡眠不足の影響で、体に過度なストレスが加わると、糖の代謝にかかわる「インスリン」などホルモンの働きが悪化。その結果「糖尿病」や「脂質異常症」を招くこともあり得ます。ですので、睡眠時無呼吸症候群の症状が見られた際は速やかに専門医のもとを訪ねましょう。「中枢性睡眠時無呼吸症候群の解説をしているサイト」でも同様のことを述べております。なお、睡眠時無呼吸症候群の症状については以下をご覧ください。
<睡眠時無呼吸症候群の主な症状>
日中の強い眠気がする
よく居眠りする
いびきをかく(激しい音と中断を繰り返し、いびきで目が覚めることも)
中途覚醒(目が覚めやすい、眠りが浅い)
起床時に口や喉が渇いている
起床時に頭痛がある
苦しくて目が覚める
疲労感や倦怠感がある
胸焼け
逆流性食道炎
血圧や血糖値が高い
寝汗をかく
寝相が悪い
夜間に何度もトイレに行きたくなる
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法について
睡眠時無呼吸症候群の治療は、重症度に応じて適切な治療法が選択されます。順番にご説明しますね。
【睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法1】生活習慣の是正
生活習慣の中には睡眠時無呼吸症候群を悪くするものがあります。一部の人は生活習慣を変えるだけで、睡眠時の無呼吸が減ったり、あるいは無くなってしまうこともあります。ですから軽症の場合は、まず食生活の改善、適度な運動、規則正しい生活で睡眠の質を高めます。「睡眠時無呼吸症候群の原因と対策予防について」でも生活習慣の是正を推奨しておりますよ。
【睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法2】マウスピース
軽症から中等症の場合には、主に「マウスピース」が用いられます。マウスピースとは、歯と歯の間に挟まれ、歯同士が直接影響しないようにできる製品。このマウスピースを睡眠時に装着し、下あごを前方に出すことによって気道を確保します。
【睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法3】CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法
中等症から重症の場合は、主に「CPAP(シーパップ)療法」が行われます。CPAP(シーパップ)療法とはCPAP装置からホースやマスクを介して処方された空気を気道に送り、気道が塞がらないようにする治療法。この療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、睡眠時無呼吸症候群による症状が改善されます。CPAP療法については「睡眠時無呼吸症候群の原因について解説しているサイト」で詳しく解説しております。ご興味のある方はご覧ください。
【睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性・閉塞性の治療法4】外科手術
同じく中等症から重症の場合には「外科手術」を行うこともございます。最も一般的な手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)です。この手術は、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除して、気道を広げる手術。睡眠時無呼吸症候群の約50%の患者様で有効と報告されています。しかし、手術を受けられた患者様の中には傷が治るまで、激しいのどの痛みがあったり、手術後に鼻声になったり「水を飲み込むと鼻から逆流しやすくなる」ことがあります。ですから、外科的治療を行う際は十分な術前評価が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群の原因|中枢性は薬物治療を行う可能性があります
中枢性睡眠時無呼吸症候群の原因が心不全の場合、まずは薬物による治療を行います(心保護作用のある薬、利尿剤などが用いられます)。高血圧による関与があるときは、目標となる血圧までコントロールすることが大切になりますよ。なお、薬物治療については「中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療法を解説しているサイト」でも取り上げておりますよ。
睡眠時無呼吸症候群の原因|積極的に検査しましょう
上述した通り、睡眠時無呼吸症候群は極めて危険な病気です。単なる睡眠障害ではありません。最悪の場合、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こし、突然死に至る恐れもあります。ですから、睡眠時無呼吸症候群の症状が疑われる場合は放置せず、速やかに検査を受けましょう。
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