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花粉症のクラス3やクラス5ってなに?

2024.02.24

花粉症の症状は風邪に似ているため、自分では判断がつきにくいことも多いです。この記事では、花粉症の主な症状を紹介したうえで検査・診断の方法、またその際の判断基準として使われるクラスについて詳しく解説します。

【目次】
花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |はじめに
花粉症のクラス3やクラス5ってなに?|アレルゲンとなる植物を紹介
花粉症のクラス3やクラス5ってなに?|主な症状について
花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |良く実施される検査・診断方法とは?
花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |特異的IgE抗体検査(RAST法)におけるクラスについて解説
花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |治療法について
花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |まとめ

花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |はじめに

花粉症は3〜4月頃の春に現れるアレルギー反応というイメージをお持ちの人がいるかもしれませんが、いまやそれは過去のものとなりつつあります。

近年は季節外れの暖かさを記録する日も珍しくなく、早咲きの桜などのニュースを耳にする機会も多いです。

それとともに植物からアレルゲンとなる花粉が飛散する期間も長くなってきており、秋の花粉はもちろん、真冬のごくわずかな期間を除いたほとんどの季節で飛散していると言っても良いほどです。

花粉症は重症になると日常生活や仕事にも支障をきたすようになるため、命に関わる病気ではないものの決して放置してはおけません。

花粉症による経済損失のデータも算出されていたり、花粉症手当を支給している企業もあったりする状況です。

この記事では、花粉症の一般的な治療・診断方法を紹介します。

また、ある検査で使われる花粉症のクラスについて詳しく解説します。

早い時期から花粉症のような症状が現れていて検査してもらうか迷っている方、花粉症全般について詳しく知りたい方はぜひご覧下さい。

なお、花粉症の有病率の推移などについては環境省によるこちらの資料に紹介されていたため、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに?|アレルゲンとなる植物を紹介

花粉症ではない人でも、その原因が植物にあることはご存知かと思いますが、アレルゲンとなる花粉は季節によって様々な植物から発せられます。

春先から梅雨前までは主にスギやヒノキなどから花粉が飛散します。

日本はスギの人工林が多いため、花粉症患者の約7割はスギがアレルゲンとなっています。

また、スギの花粉症を発症している人がヒノキの花粉症を発症する可能性も7割と言われています。

なおスギは2〜4月頃、ヒノキは3〜4月頃に飛散が一番顕著となります。

5〜10月にかけてはカモガヤ、オオアワガエリ、ススキといったイネ科の植物から花粉が飛散します。

他にも1月~4月にハンノキ、3月下旬~6月にシラカンバ、8月~9月にブタクサ、9月~10月にヨモギ、8月~10月にカナムグラといった植物からも花粉が飛散します。

なお2024年の日毎、地域ごとのスギ・ヒノキ花粉の飛散状況についてはこちらのtenki.jpのサイトで確認できるので一度見てみてください。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに?|主な症状について

花粉症の症状は主に鼻・目に出ます。各部位ごとに現れやすい症状を紹介します。

鼻の症状

鼻水・鼻詰まり、また鼻がムズムズすることでのくしゃみといった症状が代表的です。

これらの症状が発生する理由は、空気中を浮遊している花粉を吸い込んで鼻粘膜に付着した際に体内から取り除こうとするためです。

もう少し具体的に説明すると、花粉(アレルゲン)が鼻腔内の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られて「マスト細胞」という細胞に結合します。

この後に再度花粉が入ってくるとマスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水などのアレルギー反応が見られるようになります。

鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れて鼻から喉にかけての通り道が狭くなることで起こる症状です。

鼻が詰まると臭いを感じづらくなる他、必然的に口呼吸をするようになるので口が渇きやすくなったり、咳がでやすくなったりします。

なお咳は気管が刺激されることでもでます。

くしゃみは、鼻の粘膜についた花粉を体から外へ排出しようとする症状です。

目の症状

目の症状に関しては、目のかゆみや充血、涙がでやすくなるといったものが挙げられます。

空気中を浮遊している花粉が目に入って粘膜内にあるマスト細胞に付着するとアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という物質を放出します。

このヒスタミンが目の神経や血管を刺激することで上記の症状が現れます。

涙が多くなるのは、異物である花粉を体から取り除こうとして起こる症状です。

他にも、喉の粘膜に花粉が付着することで喉の痒みやいがらっぽさといった違和感が出る場合もあります。

喘息持ちの人においては、花粉によって症状が悪化する危険性もあります。

さらに花粉を原因とする肌荒れ「花粉皮膚炎」や鼻の粘膜が炎症することでの副鼻腔炎やそれを原因とする頭痛、時には倦怠感や微熱といった症状が現れる場合もあります。

熱に関してはインフルエンザやコロナのように高熱になることはないので、万が一高熱が出た場合は花粉症以外の病気を疑って医療機関へ行くことをおすすめします。

こちらでは花粉と風邪の違いやセルフチェックが掲載されていたので、あわせてご覧ください。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |良く実施される検査・診断方法とは?

花粉症を含めたアレルギー関連の検査は、すでに現れている症状などからあらかじめ可能性のあるアレルゲンを特定したうえで、実際にそのアレルゲンに反応するかを様々な方法でチェックすることとなります。

一般的な検査方法としては、血液検査によって血中のIgEの量を調べる「特異的IgE抗体検査」、皮膚の表面に直接アレルゲンを触れさせて反応があるか確認する「皮膚反応検査(プリックテスト、スクラッチテスト等)」、花粉エキスを染み込ませた紙を鼻の粘膜に貼って反応があるかを確認する「鼻粘膜誘発テスト」があります。

その他にも、目の粘膜を採取してアレルギーを発症する白血球の状態となっているかを検査する方法、花粉エキスを点眼してアルルゲンへの反応を確認する方法があります。

今回は特異的IgE抗体検査に着目し、アレルゲンの保有や重症度を判断するクラスについて次の項目で解説します。

アレルギー全般の検査方法について知りたい方はこちらをご参照ください。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |特異的IgE抗体検査(RAST法)におけるクラスについて解説

特異的IgE抗体検査はアレルゲンの特定をするために実施される検査で、0~6の7段階でクラス判定されます。

IgE抗体はアレルゲンによって異なるので、ダニのIgE抗体を持っている場合はダニだけ、スギのIgE抗体を持っている場合はスギだけに反応します。

そのためスギ花粉が疑われる際はスギに対する特異的IgE抗体検査がおこなわれるということです。

クラス0は対象のアレルギーに対して陰性となり、クラス1はアレルゲンである可能性が疑われる偽陽性、クラス2〜6までは陽性と判定されます。

クラスの数値は高ければ高いほどアレルゲンである可能性が強まり、かつ重篤な症状を引き起こす可能性も強くなります。

特にクラス4以上は強陽性と診断されることもあり、3までは反応があっても実際の症状が起こらない人もいますが、4以上になるとそのほとんどの人に症状が現れます。

当初の診断で2であっても次に検査した際に診断結果が4となった場合は、アレルギーの悪化を示すこととなります。

ただし特異的IgE抗体検査は、皮膚反応検査などに比べると特異性に優れていますが感度に欠点があるため、たとえIgE抗体が認められても症状がないという場合もあります。

クラスごとの具体的な数値についてはこちらで紹介されていたため、詳しく知りたい方はあわせてご覧下さい。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |治療法について

花粉症に対する治療方法は、大きく分けて対症療法、根治療法の2種類があります。

対症療法は症状を抑えることが目的、根治療法は病気の原因を取り除いて治すことが目的です。

対症療法

対処療法として良く用いられるのは内服薬・点鼻薬・点眼薬による薬物療法です。

自分で花粉症の市販薬を購入して飲み続けるのも対処療法の一つとなります。

なお通院して薬物療法をする場合は、抗ヒスタミン薬での治療がメインとなります。

抗ヒスタミン薬は服用すると眠くなるという副作用があって服用が躊躇われることもありましたが、近年は眠くなりづらい「第2世代抗ヒスタミン薬」も処方してくれる医療機関もあります。

鼻詰まりには「抗ロイコトリエン薬」、鼻水には「鼻噴霧用ステロイド薬」、目の症状には「点眼用抗ヒスタミン薬」「点眼用ステロイド薬」などが処方さるでしょう。

また、漢方をメインで扱っている医療機関においては漢方が処方されて鼻炎の症状を緩和していくこともあります。

他にも、レーザー手術をおこなっている医療機関もあります。

レーザー手術をすると、鼻粘膜の表面をレーザーで照射することで腫れていた粘膜を固くすることで鼻水・鼻詰まりを解消できます。

根治するわけではないので効果はおおよそ2、3年程度と言われていますが、手術といっても20〜30分の日帰りで可能であり保険も適用されるため症状がひどい場合には検討しても良いのではないでしょうか。

根治療法
「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」が根治療法に分類されます。アレルゲンを少しずつ体内に取り入れて免疫を獲得する方法となるため治療が完了するまでに数年かかりますが効果的です。

アレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。

皮下免疫療法は、週1、2回程度通院して注射する方法で、2年目以降になると注射は1ヶ月に1回程度の頻度となります。

もう一つの舌下免疫療法は、舌下に抗原を含む薬を1日に1回投与するという方法です。

3年以上の継続が必要で、この方法で治療が可能な対象はスギ花粉症とダニアレルギーに限定されていますが、早いと治療開始の翌年の花粉シーズンに症状の軽減を実感する人もいます。

アレルゲン免疫療法は体内にアレルゲンを注入するため、ごくまれにアナフィラキシーショックを起こす場合があります。

そのためアレルゲン免疫療法は、専門の講習を受けて副作用への対処が可能な医師のみ可能となっています。

花粉症の治療法についてはこちらにも細かくまとめられていたのであわせてご覧ください。

当院について

いたや内科クリニックは、花粉症を含めたアレルギーの検査方法を「採血検査(特異的IgE抗体検査)」でおこない、治療法としてアレルゲン免疫療法に対応している医療機関です。

診療時間は、月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診、予約不要で当日の受診も可能となっています。

当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。

花粉症のクラス3やクラス5ってなに? |まとめ

以下が今回のまとめとなります。

  • 日本はスギ・ヒノキをアレルゲンとした花粉症患者が7割
  • 鼻水・鼻詰まり、くしゃみ・咳、目のかゆみや充血、喉の痒みが主な症状
  • 特異的IgE抗体検査、皮膚反応検査、鼻粘膜誘発テストといった検査方法で診断される
  • 特異的IgE抗体検査では特定アレルゲンの陰性・陽性、重症度の指標をクラスとして表現する
  • 治療法としては対処療法、根治療法といった2通りがある

花粉症の予防法や症状の和らげる方法について詳しく知りたい方は、あわせてこちらの記事もご参照ください。

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