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花粉症のメカニズムについて解説します
2024.01.31
この記事では春・秋を中心に悩まされることの多い花粉症を発症するメカニズムやかかりやすい人の傾向、症状などについて紹介していきます。
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症のメカニズムと症状について
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症になりやすい人の傾向は?
花粉症のメカニズムについて解説します|原因となる植物を紹介
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症の診断方法と治療・対策
花粉症のメカニズムについて解説します|まとめ
花粉症のメカニズムについて解説します|はじめに
近年、花粉症は現代病と言っても過言ではないほど多くの人々に症状が現れており、悩ませています。
症状がひどい人になると日常生活や仕事に支障が出る程であるほか、春・秋に症状が現れる季節性アレルギー性鼻炎と言われていたものが異常気象などもあって、1年中対策をしなければいけない状況に変わりつつあります。
この記事では花粉症について正しく理解し、適切な予防・対策、治療をしたい人に向けて発症のメカニズムについて解説していきます。
なお花粉症の市販薬「アレジオン」の商品サイトでは、飛散時期やエリアについて紹介した「地域別花粉カレンダー」が掲載されているので確認したい方はあわせてご覧ください。
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症のメカニズムと症状について
花粉症は、植物から発せられる花粉が体内に入ることで引き起こされる季節性のアレルギー疾患です。
人の体内に花粉が入ると体が異物と認識してくしゃみや鼻水などの反応が見られるようになりますが、誰もが花粉症を発症するわけではなく、また通年性アレルギーのように反応する植物も人によって異なります。
例えばスギやヒノキに反応する人は春、ブタクサやイネ科の植物に反応する人は秋に花粉症の症状が見られますが、両方に反応する人もいます。
花粉症による主な症状は鼻水・鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみや結膜炎が挙げられます。
またそれらの症状がひどくなると頭痛を引き起こしたり、他にも顔や目の奥の痛み、喉のかゆみ、下痢、微熱の症状が見られることもあります。
以上の症状が続くことで日常生活や仕事に大きく支障が出る可能性もあるため、決して花粉症は軽視せずにメカニズムを正しく理解し、適切な処置をすることが必要です。
鼻の症状
花粉症における鼻の症状は、鼻水・鼻詰まり、また鼻がムズムズすることでのくしゃみといったものが代表的です。
これらの症状が発生する理由は、空気中を浮遊している花粉を吸い込んで鼻粘膜に付着した際に体内から取り除こうとするためです。
もう少し具体的に説明すると、花粉(アレルゲン)が鼻腔内の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られて「マスト細胞」という細胞に結合します。
この後に再度花粉が入ってくるとマスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水などのアレルギー反応が見られるようになります。
鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れて鼻から喉にかけての通り道が狭くなることで起こる症状です。
鼻が詰まると臭いを感じづらくなる他、必然的に口呼吸をするようになるので口が渇きやすくなったり、咳がでやすくなったりします。
くしゃみは、鼻の粘膜についた花粉を体から排出するための症状です。くしゃみのしすぎで疲れたり、頭痛を併発したりということもあるでしょう。
目の症状
目の症状に関しては、目のかゆみや充血、涙がでやすくなるといったものが挙げられます。
空気中を浮遊している花粉が目に入って粘膜内にあるマスト細胞に付着するとアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という物質を放出します。
このヒスタミンが目の神経や血管を刺激することで上記の症状が現れます。
いずれの症状も鼻と同様に異物である花粉を体から取り除こうとして起こるものです。
なお、近年は「コップ理論」と言って、人によって容量の異なる花粉のコップがあり、その中に花粉が入り切らなくなると溢れて花粉症の症状が現れるようになるという説が唱えられることがあります。
この理論は間違いというわけではないですが、上記の説明だけでは不十分であり、あわせて免疫機能についても触れなければなりません。
コップ理論の詳細についてはこちらで取り上げられていたので、ぜひあわせてご覧ください。
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症になりやすい人の傾向は?
花粉症は誰でも発症する可能性があるものですが、発症しやすい人の傾向はあります。
まず、遺伝的にアレルギー体質であることが発症しやすい人の特徴の一つで、両親が花粉症である場合はその子供が花粉症になる可能性が高くなると言われています。
その他の原因として、食生活の変化があります。花粉症が現代病と言われる由縁にも繋がりますが、現在は従来の日本人の食文化が薄れつつあり、食の欧米化が加速しています。
このことがアレルギー体質を引き起こしやすくさせる原因と見られています。
さらに免疫機能の低下も発症原因の一つとなります。
睡眠不足や不規則な生活、ストレス多い生活を続けることで自律神経を乱して花粉症を発症したり、喫煙やアルコールの習慣がある人は花粉症の症状を悪化させる原因になったりということがあります。
また周辺環境としては排気ガスやアスファルトの多い場所に住んでいることも発症しやすい原因となる可能性があります。
排気ガス内の微粒子とともに花粉を吸いこむことで、アレルギー反応が出やすくなるためです。
アスファルトに関しては土のように花粉を吸収してくれないため、地面に落ちた花粉が何度も飛散して体内に侵入する可能性を高くします。
なおアレルギーは花粉のような季節性のものと、ハウスダストやペットの毛などが原因となる通年性のものに大きく分けられます。
今回詳しく取り上げませんが、これらの違いについて知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
花粉症のメカニズムについて解説します|原因となる植物を紹介
花粉症の原因は植物で、春先から梅雨前までは主にスギやヒノキなどから花粉が飛散します。スギは2〜4月頃、ヒノキは3〜4月頃に一番顕著となります。
5〜10月にかけてはカモガヤ、オオアワガエリ、ススキといったイネ科の植物から花粉が飛散します。
他にも1月~4月にハンノキ、3月下旬~6月にシラカンバ、8月~9月にブタクサ、9月~10月にヨモギ、8月~10月にカナムグラといった植物からも花粉が飛散します。
また近年は日本の四季が曖昧になってきており12月になっても暖かい日も出てきているので、飛散する時期も少しずつ延びています。
そのため冬のごく限られた時期以外のほとんどの季節で花粉症に気をつけなければなりません。
ただし反応する花粉は人によって異なり、植物の分布は地域によって異なるので、必ずしも全ての花粉に反応するわけではありません。
こちらの記事では原因植物が花粉を飛散させやすい季節や分布についてまとめられていたので、詳しく知りたい方はご覧ください。
花粉症のメカニズムについて解説します|花粉症の診断方法と治療・対策
花粉症の診断は、血中IgE検査や皮膚反応検査、鼻粘膜誘発テストによっておこなわれるのが一般的です。
血中IgE検査とは血中の総IgE量を調べるものと、花粉に反応する特異的IgEを調べるものを指します。
IgE抗体にはどのアレルゲンと結びつくかという特徴があるため、花粉と結びつくIgE抗体が多くあれば花粉症と診断することができます。
皮膚反応検査は、皮膚の表面を少しひっかいて花粉のエキスで刺激した際の反応を調べる方法です。
鼻粘膜誘発テストは、花粉エキスを染み込ませた紙を鼻の粘膜に貼り付けて反応を調べる方法です。
以上の方法により花粉症と診断された場合は、患者に適した方法で治療を始めることとなります。
主な花粉症の治療法
治療方法は対症療法と根治療法の2パターンに分けることができます。
対症療法とは症状を抑えることが目的の治療、根治療法は病気の原因を取り除いて治すことが目的の治療を指します。
対症療法としては、内服薬・点鼻薬・点眼薬による薬物療法が挙げられ、抗ヒスタミン薬を使っての治療がメインとなります。
かつては服用すると眠くなるというデメリットがありましたが、近年は眠くなりづらい「第2世代抗ヒスタミン薬」というものも処方されるようになっています。
他には鼻詰まりに効く抗ロイコトリエン薬や、鼻水に効く鼻噴霧用ステロイド薬が処方されることがあります。
また目に関しては点眼用抗ヒスタミン薬、点眼用ステロイド薬などが使用されます。
病院によっては鼻炎の症状を緩和する目的で漢方薬を処方されることもあります。
薬物療法以外の対処療法としては鼻の粘膜を焼いて縮めるレーザー手術を挙げることもできます。
手術とは言っても20分程度で完了するもので保険の適用が可能であり、6~24か月程度は症状が抑えることができるとされてます。
根治療法としてはアレルゲン免疫療法(減感作療法)が挙げられます。
アレルゲンを少しずつ体内に取り入れて免疫を獲得する方法となるため治療が完了するまでに数年かかりますが、花粉症を根治するための方法として効果的と見られています。
アレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。
皮下免疫療法は、週1、2回程度通院して注射する方法で、2年目以降になると注射の回数は1ヶ月に1回程度になります。
もう一つの舌下免疫療法は注射が不要で、抗原を含む薬を1日に1回、舌下に投与するという方法です。
2021年4月以降において、錠剤での治療が可能となっている状況です。
3年以上の継続が必要であり、現時点でこの方法で治療が可能な対象はスギ花粉症、ダニアレルギーに限定されている点、5歳以上で治療可能という点には注意が必要です。
早い人では治療開始の翌年の花粉シーズンに症状が和らいていることを実感する場合もあります。
なおアレルゲン免疫療法は、体内に少量のアレルゲンを注入するこ治療となるため、ごくまれにアナフィラキシーショックを起こす可能性もあることは覚えておく必要があります。
そのため、これらの治療法は専門の講習を受けて、副作用への対処が可能な医師のみ可能となっています。
当院「いたや内科クリニック」でも花粉症の診断・治療をおこなっており、アレルゲン免疫療法が可能です。
診療時間は、月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。
花粉症を含めたアレルギーの検査方法は「採血検査(特異的IgE抗体検査)」を採用しており、治療法に関しては負担の少ない「免疫舌下療法」での対応が可能な場合もあります。
当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。
花粉症のメカニズムについて解説します|まとめ
最後にこの記事をまとめます。
- 人の体内に花粉が入ると異物とみなして排出しようとし、くしゃみや鼻水などの反応が見られるようになる
- 花粉症は遺伝的な要素、食生活の変化、免疫機能の低下、周辺環境が誘発するリスクを高める可能性がある
- 花粉症の原因となる植物は季節や地域によって様々
- 花粉症の治療は対症療法として薬物療法やレーザー手術などがあり、根治療法としてはアレルゲン免疫療法がある
なお東中野駅周辺で花粉症の治療や薬の処方ができるクリニック・病院をお探しの方は、あわせてこちらの記事を参照してみてください。
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