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アレルギー内科

花粉症の方必見!花粉症を直したい方の治療方法を紹介

2022.12.26

花粉症は日本国内で1960年代頃から認識されるようになり、特にスギ花粉が原因となる花粉症は、2019年時点でほぼ国民の3人に1人が発症しているような状況です。症状の具合は人によって様々ですが、中には毎年生活に支障が出るほど花粉症に苦しめられているため、治療をしたいと思っている人もいることでしょう。今回は、花粉症のあれこれを紹介した上で、近年行われている治療方法について紹介していきます。

【目次】
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|はじめに
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|どうして花粉症になるの?
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症になりやすい季節は?
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症の診断方法は?
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症の治療方法は?
花粉症を直したい方の治療方法を紹介|まとめ

 

花粉症を直したい方の治療方法を紹介|はじめに

花粉症は生死に直接関わることはないものの、難治性のある病気の一つと言われています。また、春になる前辺りから世間的にも注目されるものの、実際はほぼ年中花粉が飛散しているため、中には年中花粉症に悩まされている人もいます。

軽症の人であれば日常生活に支障もなく、毎年、対症療法として市販の薬さえ飲んでいれば問題ないかもしれませんが、重症の場合は、仕事もまともにできず、どうにか治療して根治できないかと考えている人もいます。

この記事では、花粉症に対する正しく理解していただくために、花粉症の原因や診断、治療方法について紹介していきます。特に今後治療での根治を検討している方は是非ご覧ください。

厚生労働省のサイトに花粉症の治療についてまとめられたページがあったので、あわせて「的確な花粉症の 治療のために」をご覧ください。

花粉症を直したい方の治療方法を紹介|どうして花粉症になるの?

花粉症の原因は言わずもがなスギやヒノキといった植物の花粉ですが、誰でも反応するわけではなく、それらにアレルギー反応を起こす人のみ、くしゃみや鼻水・鼻詰まり、目の痒みといった症状を発症します。

しかし花粉が直接これらの症状の原因となっているわけではなく、実は人の体から海出さされる「IgE抗体」が深く関係しています。

人の体は花粉を異物と判断します。免疫システムによって異物と判断されると、対抗するための抗体を作り出しますが、それこそが「IgE抗体」です。

IgE抗体は花粉に触れる度に生成され、蓄積されます。よく人が体内に溜められる量の限界を超えたら花粉症を発症すると言われますが、この蓄積されるものの正体は花粉ではなく、IgE抗体です。

IgE抗体が一定量蓄積された状態で花粉に触れると、アレルギー反応を起こすヒスタミン等が分泌され、くしゃみ等の症状が現れることとなります。

IgE抗体を蓄積させないためには?

IgE抗体を作り出さないためには、花粉に触れる機会を極力減らすことが重要です。これは花粉症の予防にも繋がるのですが、マスクや花粉用のメガネの着用はもちろん、衣服に関しても、なるべく花粉の付きやすいウール、フリース、ニット等の素材は避けましょう。

また、帰宅時には玄関先で花粉を落として部屋には持ち込まず、手洗いやうがい、目や顔を洗うことは忘れずに行いましょう。

近年はそのシーズン通しての花粉の飛散量、週間・翌日の飛散量を天気予報等で知らせてくれるため、それらの情報をチェックして、花粉の多い日はなるべく外出を避けるというように対処するというのも有効です。

十分な睡眠や規則正しい生活といった、普段からの健康管理を心がけることも花粉症にかかりづらくする方法の一つです。

花粉症治療のギモン:根本的に治す治療、効果的な薬、手術」にも花粉症になった際の総合的な情報が掲載されていたのであわせてご覧ください。

花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症になりやすい季節は?

花粉症の原因となっている植物の70%はスギであるため、特にスギの多い季節となる2〜4月に花粉症の症状が見られる人が多くなります。

なお、スギ林の面積は九州、四国、東北で比率が多く、北海道にはスギ林が少ない、沖縄には全くないという各地方の状況があるため、スギによる花粉症の発症率も地域差があります。

スギと同様、春に花粉症の原因となるのがヒノキで、スギ花粉に似たアレルギー物質が含まれているため、両方に反応する人が多いです。

その他にも、日本全土に分布する1〜4月のハンノキ、北海道で花粉症の原因となることの多い3月後半〜6月のシラカンバが、冬から初夏にかけての花粉症の主な原因となります。

5月〜10月にかけてはイネ科のカモガヤ、オオアワガエリ、ススキや、秋の花粉として有名なブタクサ、ヨモギ、カナムグラ等の花粉が飛散します。

このように見ていくと、11月、12月以外はほぼ何かしらの花粉があることがわかっていただけることでしょう。

なお、花粉症は年を追うごとに低年齢化しているという調査結果が、厚生労働省の記事に掲載されていました。前述したように、花粉症の原因は花粉によるIgE抗体の生成・蓄積なので、それだけ花粉の飛散量が増えてきていると捉えることができます。

スギ花粉に効果的な舌下免疫療法について紹介された記事があったのでぜひ「舌下免疫療法」もご覧ください。

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花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症の診断方法は?

花粉症にかかわらず、アレルギーの検査は一気に全てを洗い出すことはできません。そのため、ある程度目星を付けた上で、それらに対して実際にアレルギー反応を示すかを確認する方法を摂ります。

花粉症の検査は、主に「血中IgE検査」「皮膚反応検査」「鼻粘膜誘発テスト」等で行われます。

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血中IgE検査は、血中にあるIgE抗体の総量を調べる方法と、どの花粉に反応するかを調べる方法があります。

皮膚反応検査は、皮膚の表面を軽く引っ掻いて花粉のエキスを塗布し、その反応を見るという方法です。鼻粘膜誘発テストは、ある程度絞り込んだ種類の花粉エキスを染み込ませたものを鼻の粘膜に貼り、その反応を見る方法です。

鼻ではなく目に花粉エキスを点眼したり、目の粘膜を採取したりして検査する方法を摂る病院もあります。

これらの検査によって花粉症と診断されたら、今後の治療方針について医師と話し合って決めることとなります。

そのため明らかに花粉症の症状が出ていたとしても自己判断で完結せず、効率的な治療を行うためにも、医療機関での検査を受けることをお勧めします。

なお鼻の治療についてが詳しくまとめられた「鼻の治療」という記事があったのであわせてご覧ください。

花粉症を直したい方の治療方法を紹介|花粉症の治療方法は?

花粉症に対する治療方法は、大きく分けて対症療法、根治療法の2種類があります。それぞれの治療方法について以下に紹介します。

なお、対症療法は症状を抑えることが目的、根治療法は病気の原因を取り除いて治すことが目的という違いがあります。

対症療法

一番気軽に取り入れやすい方法は、内服薬・点鼻薬・点眼薬による薬物療法です。

「抗ヒスタミン薬」が薬物療法のメインとなり、以前は服用すると眠くなるということから敬遠されることもありましたが、近年は眠くなりづらい「第2世代抗ヒスタミン薬」も登場し、引き続き処方されています。

他にも、鼻詰まりに効く「抗ロイコトリエン薬」や鼻水に効く「鼻噴霧用ステロイド薬」、目には「点眼用抗ヒスタミン薬」「点眼用ステロイド薬」等が利用されます。漢方薬で花粉症における鼻炎の症状を緩和する方法もあります。

また、「レーザー手術」も「手術」と付くものの対処療法の一つと言われています。なぜなら手術による効果は永続するわけではなく、6~24か月となるためです。

それでも手術時間自体は20分程度で、全工程を考えても2時間程で完了し、2シーズン程度は症状が抑えることができます。なお保険も適用されます。

ステロイド注射の対処療法の一つとして取り上げられることがあり、シーズンは症状を和らげられる効果が期待できるものの、副作用や、持病の悪化が懸念されることもあり、厚生労働省にて注意喚起が行われている状況です。

根治療法

「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」が根治療法に分類されます。アレルゲンを少しずつ体内に取り入れて免疫を獲得する方法となるため治療が完了するまでに数年かかりますが、2022年時点では、花粉症の根治に非常に効果的と言われています。

なお、アレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。

皮下免疫療法は、週1、2回程度通院して注射する方法ですが、頻繁な通院が手間になったり、注射が苦手な人は治療に取り掛かりづらいという面があります。なお注射の回数は、2年目以降は1ヶ月に1回程度となります。

対して舌下免疫療法は注射が不要で、抗原を含む薬を1日に1回、舌下に投与するという方法で、2021年4月以降は錠剤での治療が可能となっています。

3年以上の継続が必要であり、現時点でこの方法で治療が可能な対象はスギ花粉症、ダニアレルギーに限定されているものの、5歳以上であれば治療可能で、治療開始の翌年の花粉シーズンに症状の軽減を実感する方もいます。

アレルゲン免疫療法は、少ないといっても体内にアレルゲンを注入することに変わりないため、ごくまれにアナフィラキシーショックを起こす場合があります。

そのため、これらの治療法は専門の講習を受けて、副作用への対処が可能な医師のみ可能となっています。

いたや内科クリニックは、アレルゲン免疫療法が可能な医療機関となっているのでご安心ください。

当院の診察時間・受付方法について

いたや内科クリニックの診療時間は、月〜金曜日が9:00〜12:00と14:00〜18:00、土曜日は9:00〜14:00、水曜、日曜、祝日休診となっています。

診療科目は、内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー内科、予防接種、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、自費診療、往診応需です。

なお、花粉症を含めたアレルギーの検査方法は「採血検査(特異的IgE抗体検査)」となっており、治療法に関しては、負担の少ない「免疫舌下療法」での対応が可能な場合もあります。

当院について詳しく知りたい方は、こちらの公式ホームページも合わせてご参照ください。

花粉症を直したい方の治療方法を紹介|まとめ

以下が今回のまとめとなります。

  • 花粉症は誰でも発症する可能性がある病気
  • 発症は低年齢化している傾向にある
  • 自分で予防することも重要
  • 多くの治療法・手術がある
  • いたや内科クリニックでも花粉症の検査・治療が可能

なお治療法については「すぐ治す? 根治? 花粉症の注射、種類を知って自分に合った治療を」にも細かくまとめられていたのでぜひあわせてご覧ください。