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循環器内科

コーヒー飲むと高血圧になる?高血圧を予防する方法・飲食物をご紹介

2022.10.11

血圧は生活習慣によって高くなりやすく、「塩分の摂りすぎ・肥満・喫煙」などは血圧を上昇させることにつながります。その中で「コーヒーは高血圧の原因」と言われることがあり、「コーヒーを控えている」という方も多いのではないでしょうか。 この記事では、コーヒーと高血圧の関係について詳しく解説します。 高血圧を予防する方法も併せてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

高血圧とは?

動脈圧をチェック看護師に見てを上げ - 高血圧 ストックフォトと画像
高血圧とは、安静にしているときの血圧が正常値よりも高い状態が続くことです。
心臓が収縮したときの最高血圧(収縮期血圧)と心臓が膨らんだときの最小血圧(拡張期血圧)の数値によって、「高血圧なのか」ということを判断します。
また、高血圧は大きく「本能性高血圧症」と「二次性高血圧症」に分けられます。
日本人の高血圧の80〜90%は本能性高血圧症に該当し、生活習慣が大きく関わっています。
二次性高血圧症は、血圧の上がる原因が明確です。
「腎臓病・ホルモン過剰・無呼吸症候群」などの病気が原因で高血圧になります。
これらの病気を治すことができれば、自ずと高血圧も改善できます。

高血圧に自覚症状はない


高血圧は、ほとんど自覚症状がありません。
「頭痛・肩こり・耳鳴り」などの症状が起こりやすいのですが、これらの症状は高血圧とは関係なしに現れるものです。
そのため高血圧に自分で気付くことは難しく、定期的に病院で血圧を測る必要があります。
しかし、高血圧の状態は心臓や血管への負担が大きいため、脳卒中や心不全などの合併症を引き起こす恐れがあります。
これらの合併症のリスクが高まっているときには、自覚症状が出てきます。
少しでも身体に異変を感じたときは、すぐに病院で検査を受けることが大切です。
高血圧の症状については、「高血圧にはどんな症状がある?高血圧の原因と引き起こす合併症をご紹介」をご覧ください。

コーヒーを飲むと高血圧になる?

「コーヒーを飲むと高血圧になる」と言われることがありますが、適量であれば問題ありません。アメリカの名門医科大学である「Johns Hopkins大学」が1017人を対象に、コーヒーと高血圧の関係性について調査を行いました。
その結果、コーヒーを飲む習慣がある人は、コーヒーを全く飲まない人よりも血圧が高いことが判明し、1杯増えるごとに最高血圧が0.19mmHg、最小血圧が0.27mmHg上昇していました。
しかし、60歳までに高血圧を発症した割合は、「コーヒーを飲む人でも飲まない人でも同じ」という結果になりました。
つまり、コーヒーを飲むことで一時的に血圧が高くなることはありますが、「コーヒーを飲む=高血圧になる」ということはないです。
また、他の研究では1日3〜6杯のコーヒーを習慣的に飲むことで、習慣的に飲んでいない人と比べて、高血圧のリスクが低下するとも言われています。
引用元:「コーヒーでは高血圧にならない、30年間の追跡研究で判明

コーヒー - コーヒー ストックフォトと画像

高血圧の予防にはブラックコーヒーがおすすめ


コーヒーを飲むことで高血圧になることはありませんが、砂糖・ミルクを入れることには注意が必要です。上記でお伝えした「Johns Hopkins大学」の調査では、砂糖・ミルクを入れるケースを考慮していません。コーヒーに砂糖・ミルクを入れると糖分や脂質を摂取することになるため、血圧を上昇させることにつながります。
そのため高血圧を予防するには、ブラックコーヒーがおすすめです。
ただし、缶コーヒーを飲むことには注意してください。
缶コーヒーには「添加物」が含まれているため、ドリップしたブラックコーヒーが最適です。

コーヒーの飲み過ぎには注意


コーヒーには、カフェインが含まれています。そのためコーヒーを飲みすぎると、カフェインの過剰摂取になり、高血圧以外の症状を引き起こすことにつながります。
カフェインの過剰摂取によって引き起こる症状は下記の通りです。
・心拍数の増加
・不整脈
・不眠症
・胃痛
・精神的なストレス など
これらの症状を引き起こさないためにも、1日のコーヒーの量は5杯までに抑えるべきです。
日本においては明確な提示はありませんが、アメリカやカナダでは400mgまでのカフェインであれば、問題ないと発表されています。
400mgのカフェインは約5杯になるので、1日のコーヒーの目安は5杯までとしてください。
カフェインの摂取量についてより詳しく知りたい方は、「農林水産省 カフェインの過剰摂取について」をご覧ください。

コーヒー以外で高血圧を予防できる飲食物

コーヒー以外にも、高血圧を予防できる飲食物があります。
高血圧にならないためにも、下記の飲食物から予防するようにしてください。ソーダのグラス - ドリンク ストックフォトと画像

緑茶

緑茶には「カテキン・テアニン・GABA」などが含まれています。
これらの物質には、平滑筋収縮の緩和作用や血管の炎症修復作用、抗酸化ストレス作用などさまざまな働きが期待でき、血圧を下げることにつながります。
また、緑茶に含まれている「テアニン」には、リラックス効果があります。
脳や神経細胞の興奮を抑える効果があり、睡眠を改善することが可能です。
ただし、緑茶にはコーヒー同様に「カフェイン」が含まれています。
カフェインの過剰摂取にならないように、緑茶の飲みすぎには注意してください。

バナナ

果物の中でもバナナは、「カリウム・マグネシウム」が多く含まれているため、血圧を正常に保つことに役立ちます。バナナ1本あたり、カリウムが約360mg含まれています。
カリウムはミネラルの一種で、体内の余分なナトリウムの排出を促す働きがあるため、バナナで高血圧を予防することが可能です。ほうれん草などにもカリウムが多く含まれていますが、調理工程で大量のカリウムが水に溶け出してしまいます。
バナナはそのまま食べることができるので、効果的にカリウムを摂取できます。

チョコレート

カカオポリフェノールを含んでいる「チョコレート」には、血管を広げる作用に期待できます。
基本的に血管が詰まり、細くなることで血圧が上昇するので、血管を広げる作用のあるチョコレートは高血圧を予防できる食べ物です。
チョコレート以外にカカオポリフェノールが多く含まれてるものは下記の通りです。
・赤ワイン
・りんご
・コーヒー
・ココア など
これらの飲食物の中には、「脂質・糖質・カフェイン」など過剰摂取に気を付けなければいけない物質も含まれているため、摂取しすぎには注意してください。

コーヒー以外で高血圧を予防する方法

上記でお伝えした通り、日本人の高血圧の80〜90%が生活習慣が関わっている「本能性高血圧症」です。そのため生活習慣を意識するだけで、高血圧を予防できます。
コーヒーなどの飲食物以外で、高血圧を予防する方法をいくつかご紹介します。

美しい女性リラックスして熱いお茶を飲む - コーヒー ストックフォトと画像

塩分を摂りすぎない

本能性高血圧症の原因で最も多いのが、「塩分の摂りすぎ」と言われています。
塩分を摂りすぎることで、血液中の塩分濃度が高くなります。
血液中の塩分濃度が高くなると、塩分を調整するために体内の水分を血液中に放出します。
これによって心臓に送り込まれる血液量が増えて、血管にかかる圧力が増し、血圧が上がることにつながります。そのため日頃の食事から、塩分の摂りすぎに気を付けることが大切です。
塩分の適切な量や塩分を控えるコツについては、「神戸市 塩分の適量」をご覧ください。

過度な飲酒・喫煙を控える

飲酒・喫煙は血圧を上げる原因になります。
まず、アルコールは血管を拡張する働きを持っていて、適量のアルコールであれば血圧を下げることが可能です。しかし、過度な飲酒は血圧を上げてしまいます。
アルコールに強い・弱いは関係なく、習慣的に飲酒量が増えると血圧が高くなります。
また、タバコに含まれるニコチンは血管の収縮を促す作用があり、血圧が上がります。
タバコ1本を吸った場合、血圧上昇は15分以上継続すると言われていて、収縮期血圧は1本の喫煙で3.8%(4mmHg)、2本連続では13.1%(14mmHg)上昇します。
つまり、頻繁にタバコを吸う方は、慢性的な高血圧になってしまいます。
高血圧を予防するには、適度な飲酒と禁煙することが大切です。
喫煙することでの血圧上昇についてより詳しく知りたい方は、「日本医事新報社 診察直前の喫煙が血圧に与える影響」をご覧ください。

ストレスを発散する

ストレスを受けることで自律神経のうち交感神経が刺激されて、血管が収縮し血圧が上がります。
ストレスは一時的に血圧を上げるだけなのですが、長期間にわたってストレスを抱えてしまうと、慢性的な高血圧になってしまいます。そのため高血圧を予防するには、ストレスを抱え続けることがないように発散することが大切です。「気づかないうちにストレスを抱えていた」というケースは多々あるので、意識的にストレス発散することをおすすめします。

高血圧の相談は東中野にある「いたや内科クリニック」へ

コーヒーは高血圧の原因と言われることがありますが、「コーヒーを飲む=高血圧になる」ということはありません。コーヒーを習慣的に飲んでいない人は一時的に血圧が上がってしまいますが、1日5杯までであれば問題ないと言われております。
ただし、砂糖・ミルクは控えて、ドリップしたブラックコーヒーを飲むようにしてください。
高血圧は自覚症状がなく、自分で気づくことが難しいので、定期的に病院で検査を受けることが大切です。当院では、高血圧に関して診断を行っております。
少しでも気になることがありましたら、お気軽にお越しください。

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▼執筆・監修者


医師:板谷 英毅

中野区東中野にて動脈硬化の発端となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病および総合内科疾患に循環器内科専門医および総合内科専門とするいたや内科クリニック院長

循環器内科の専門性に加え、クリニックは地域医療のゲートキーパーであるべきとの考えから総合診療を目指していますので、睡眠時無呼吸、気管支喘息、流行性感冒などの一般疾患も広く診療しております。

一人一人の患者様と向き合うことを職員一同心がけておりますのでお気軽にご相談下さい。

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