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ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで

2025.05.10

ビタミンB1(チアミン)は糖質をエネルギーに変えるなど、人間の体にとってなくてはならない栄養素の一つです。この記事では、ビタミンB1の役割や、ビタミンB1を直接接種することができるにんにく注射について解説します。

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|はじめに
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|ビタミンB1の生理的役割と欠乏時の影響
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|疲労回復や慢性疲労に対する有効性
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|美容面(肌・髪・ストレス軽減)への影響
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|スポーツパフォーマンスや運動後の回復促進への寄与
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|経口摂取(サプリメント)と注射(にんにく注射)の吸収率・即効性の違い
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|にんにく注射の一般的な成分構成(他のビタミン類との併用例など)
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|安全性と副作用、推奨摂取量、禁忌
ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|まとめ

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|はじめに

人間の体は様々な栄養素を必要とします。

代表的なものにビタミンがありますが、現在確認されている物としてはA、B、C、D、E、Kなど全部で13種類あります。

そのうちの一つであるビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、天然にはチアミン1リン酸・チアミン2リン酸・チアミン3リン酸の3種類が存在(これらをリン酸エステルと呼ぶ)します。

人の体はこれらをビタミンB1として摂取し、その後は糖質や分岐鎖アミノ酸代謝の各種酵素の補酵素として作用します。

ビタミンB1が不足すると糖代謝が滞るため、疲れやすくなるとされていますが、にんにく注射などで体に取り入れることで疲労回復などの効果が現れ始めます。

この記事では、ビタミンB1の役割や、ビタミンB1を直接接種することができるにんにく注射について、また副作用や推奨摂取量、禁忌についても解説します。

ビタミンなどの栄養素の作用や、にんにく注射の効果を詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

ビタミンB群が多く含まれている食品について詳しく知りたい方は、こちらの記事などをご覧ください。

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|ビタミンB1の生理的役割と欠乏時の影響

ビタミンB1(チアミン)は糖質からエネルギーを産生する際に不可欠な補酵素です。

具体的には、チアミンはチアミンピロリン酸(TPP)という形でピルビン酸の脱炭酸反応やトランスケトラーゼ反応などに関与し、炭水化物をエネルギー(ATP)に変換する酵素反応を助けます。

また神経伝達や筋肉の機能維持にも重要な役割を果たし、神経の髄鞘維持やインパルス伝導にも関与しています。

ビタミンB1は水溶性で体内に大量に蓄積できないため、常に食事から補給が必要です。

ビタミンB1欠乏の影響:
ビタミンB1が不足すると糖代謝が滞り、エネルギー不足とともに乳酸など疲労物質が体内に蓄積しやすくなります。
初期の欠乏症状には頭痛、倦怠感、食欲不振、易刺激性(イライラ)や抑うつ傾向などがみられ、進行すると神経・心血管系に重篤な障害を引き起こします。
代表的な欠乏症が脚気であり、末梢神経障害によるしびれ・筋力低下や、心不全(高拍出性心不全)によるむくみ・息切れなどを呈します。
特に重度の欠乏ではウェルニッケ脳症・コルサコフ症候群といった中枢神経障害を起こし、意識障害や歩行障害、記憶障害が現れます。
このようにビタミンB1は 神経・筋肉・心機能 の維持に不可欠であり、不足すると全身の代謝と臓器機能に深刻な影響を及ぼします。

【参考】
必要な成分を注射から。にんにく注射、ビタミン注射、プラセンタ注射...美容注射の効果について

Vitamin B1 (Thiamine) Deficiency

Vitamin B1 (Thiamine)

にんにく注射(ビタミンB1)とは?

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|疲労回復や慢性疲労に対する有効性

ビタミンB1はエネルギー産生を助けることから、疲労回復への効果が期待されています。特に慢性疲労に対するビタミンB1補給の有効性について、近年いくつかの臨床研究が報告されています。

  • 炎症性腸疾患(IBD)患者におけるRCT:
    慢性的な疲労を抱える潰瘍性大腸炎やクローン病患者40名を対象に、高用量経口チアミン(600~1800 mg/日)投与とプラセボを比較した無作為化クロスオーバー試験では、4週間のビタミンB1投与群の55〜75%で疲労スコアが有意に改善し(≧3ポイント低下)、プラセボ群の改善率25〜35%を明らかに上回りました。
    この試験では副作用も軽微で、高用量の経口投与は良好に忍容されたと報告されています。
    すなわち、ビタミンB1の補給によって慢性疲労の自覚症状が30〜40%程度軽減される可能性が示唆されました。
  • その他の慢性疲労に関する知見:
    ビタミンB1高用量療法は、IBD以外にも線維筋痛症やパーキンソン病、脳卒中後疲労などで効果を検討する報告があります。
    例えば、線維筋痛症患者3名のケースシリーズでは、高用量チアミン投与後に慢性疼痛や極度の疲労感の改善が観察されました。
    著者らは「炎症性疾患や自己免疫疾患に伴う慢性疲労は、軽度のチアミン欠乏が背景にあり、高用量投与に反応する可能性がある」との仮説を提唱しています。
    また、パーキンソン病患者に対するビタミンB1投与や、脳梗塞後の疲労、激しい運動後の疲労に対して有効だったとの報告もあり、症例数は限られるものの疲労軽減効果が期待されています。
  • 否定的な報告:
    一方で、必ずしも全ての慢性疲労に有効とは限らないとの知見もあります。
    原発性胆汁性胆管炎(PBC)患者を対象とした最近のRCTでは、4週間の高用量チアミン投与群とプラセボ群で疲労改善効果に有意差が認められず、ビタミンB1はPBC由来の疲労に対してプラセボを上回る効果を示しませんでした。
    このように、ビタミンB1の慢性疲労への有効性は疾患の種類や背景によって結果が分かれており、今後さらなる研究が必要とされています。

【参考】
High-dose oral thiamine versus placebo for chronic fatigue in patients with primary biliary cholangitis: A crossover randomized clinical trial

にんにく注射(ビタミンB1)とは?

High-dose thiamine improves the symptoms of fibromyalgia

Randomised clinical trial: high-dose oral thiamine versus placebo for chronic fatigue in patients with quiescent inflammatory bowel disease

ニンニク注射の効果や成分・持続時間について解説【疲労・ストレス】

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|美容面(肌・髪・ストレス軽減)への影響

ビタミンB1を含むビタミンB群は、美容や健康な外見維持にも間接的に関与します。

肌や髪への影響

一般にビタミンB群は肝臓・皮膚・髪・目の健康を保つために必要な栄養素とされ、ビタミンB1もその例外ではありません。

ビタミンB1自体が直接肌や髪を生成するわけではありませんが、エネルギー代謝を円滑にすることで細胞の生まれ変わり(新陳代謝)を助け、健康な皮膚や毛髪の維持をサポートします。

実際、ビタミンB1は皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあることが知られています。

一方、顕著な欠乏状態になると皮膚の荒れや色素沈着といった美容面への悪影響も二次的に起こり得ますが、通常の範囲での摂取であれば他のビタミンB群(例えばビタミンB2/B6/ビオチン等)と協調して肌・髪を健やかに保つ作用が期待できます。

ストレス軽減への影響

ビタミンB1は時に「抗ストレスビタミン」とも呼ばれ、ストレス環境下での体調維持に有用とされます。

これはB1が神経系の正常化に寄与し、過度のストレスによる自律神経の乱れやイライラ感を緩和する可能性があるためです。

実際、B1欠乏症状に精神神経面での異常(易刺激性や抑うつ)が含まれることから、適切なB1補給は精神的ストレスへの耐性を高め、間接的に肌荒れや脱毛などストレスによって悪化する美容トラブルの軽減につながり得ます。

もっとも、ビタミンB1単独で美容目的の顕著な効果(例えばシミやシワ改善など)が臨床的に証明されているわけではありません。

美容面ではビタミンCや他の抗酸化物質のほうが直接的な作用が強いため、B1は全身の代謝とメンタル面を支えることで結果的に美容を支援する栄養素と位置付けるのが適切です。

【参考】
Vitamin B1 (Thiamine)

必要な成分を注射から。にんにく注射、ビタミン注射、プラセンタ注射...美容注射の効果について

What to know about thiamin (vitamin B1)

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|スポーツパフォーマンスや運動後の回復促進への寄与

激しい運動を行うスポーツ選手にとってもビタミンB1は重要です。運動によりエネルギー代謝が亢進すると、ビタミンB1を含む補酵素の需要が高まります。

運動中はビタミンB1の消費や排泄も増えるため、アスリートでは微量栄養素の必要量が上昇しうることが報告されています。

特に糖質を主なエネルギー源とする持久運動では、ビタミンB1が不足するとピルビン酸からクエン酸回路への変換が滞り、乳酸が筋肉内に蓄積して疲労しやすくなることが知られています。

そのため、B1の十分な補給は運動時のパフォーマンス維持と疲労物質の除去に寄与します。

実際の研究でも、ビタミンB1補給による運動能力・疲労感への影響が検討されています。

疲労抑制効果に関する試験

健康な男性スポーツ選手16名を対象に、運動前3日間高用量のビタミンB1(1日100 mg)を摂取させた群とプラセボ群で自転車エルゴメーター運動の反応を比較したところ、ビタミンB1補給群では運動後の血中乳酸値の上昇が抑制され、運動直後の自覚的疲労感(アンケート評価)の訴え件数が有意に減少しました。

この結果は、ビタミンB1がエネルギー代謝を促進し、運動による疲労回復を速める可能性を示唆しています。

持久力と疲労物質に関するRCT

20~30歳の男女32名を対象に28日間のビタミンB複合体(ビタミンB1・B2・B6・B12を含有)補給を行った無作為化クロスオーバー試験では、介入後に持久力(ランニング持続時間)がプラセボ比で1.26倍に有意に延長しました。

さらに運動中および運動後の血中乳酸値・アンモニア値の上昇が有意に抑制され、疲労関連代謝物が減少したことが報告されています。

この研究ではビタミンB群の摂取による副作用は認められておらず、安全に運動パフォーマンスの向上と疲労軽減効果を得られたと結論づけています。

以上より、適切なビタミンB1摂取は運動パフォーマンスの維持・向上や運動後の回復促進に寄与し得ます。

特にハードなトレーニングを行う人やエネルギー代謝が高まっている人では、ビタミンB1不足に陥らないよう注意が必要です。

日頃の食事で糖質が多い場合やダイエットで食事制限をしている場合、意識的にB1を含む食品(豚肉、豆類、全粒穀物など)やサプリメントで補給することが推奨されます。

【参考】
にんにく注射(ビタミンB1)とは?

A functional evaluation of anti-fatigue and exercise performance improvement following vitamin B complex supplementation in healthy humans, a randomized double-blind trial

Effects of thiamine supplementation on exercise-induced fatigue

ニンニク注射の効果や成分・持続時間について解説【疲労・ストレス】

Effect of physical activity on thiamine, riboflavin, and vitamin B-6 requirements

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|経口摂取(サプリメント)と注射(にんにく注射)の吸収率・即効性の違い

吸収率の比較

ビタミンB1の経口摂取と注射では、体内への吸収効率と速さに大きな違いがあります。

経口摂取されたビタミンB1は主に小腸上部で能動輸送により吸収されますが、一度に吸収できる量には限界があり、食事やサプリメントからの吸収率はおよそ60%程度とされています。

例えば食事から1mgのB1を摂っても全てが吸収されるわけではなく、約0.6mg程度が有効利用される計算です。

これに対し、注射(静脈注射や筋肉注射)では消化管を経由しないため吸収ロスがほとんど無く、投与したビタミンB1がほぼ確実に血中に取り込まれます

その結果、短時間で高濃度のB1を体内に届けることが可能となり、経口より高い生体利用率が得られます。

即効性の違い

吸収経路の違いから、効果の発現速度にも差があります。
経口の場合、消化・吸収に時間がかかるため効果発現は数時間~半日程度かけて緩徐に現れます。

一方、にんにく注射のように静脈内に直接投与すると即座に血中濃度が上昇し、必要な組織へ短時間で行き渡るため即効性があります

疲労回復目的でにんにく注射を受けた人が「すぐに効いた感じがする」と言うのは、生体内利用までのタイムラグが少ないためと考えられます。

実際、ビタミンB1を注射で補充することで素早くエネルギー産生回路(代謝経路)が回り出し、蓄積した乳酸の分解・除去が促進されるため、倦怠感の解消が速まるとされています。

なお、ビタミンB1の血中半減期は約10~14日と報告されており、一度注射で補給すれば効果は数日から長ければ2週間程度持続すると考えられます(ただし実際の体感効果は個人差があります)。

以上のように、経口と注射では吸収効率と即効性に明確な差があるため、症状の早期改善を図りたい場合や消化管からの吸収が障害されている場合には注射による投与が有用です。

【参考】
にんにく注射(ビタミンB1)とは?

ニンニク注射の効果や成分・持続時間について解説【疲労・ストレス】

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|にんにく注射の一般的な成分構成(他のビタミン類との併用例など)

「にんにく注射」とは一般にビタミンB1を主成分としたビタミン剤を静脈注射または点滴投与する方法を指します。

名前に「にんにく」とありますが、ニンニクそのものを注射するわけではなく、ビタミンB1(チアミン)またはその誘導体(フルスルチアミン等)を中心に据えた総合ビタミン製剤です。

フルスルチアミンとはチアミンにニンニクの有効成分アリシンを結合させて脂溶性を高めた誘導体で、その分子中にニンニク臭のもとであるアリシンを含むため注射時に独特の臭いを発することから「にんにく注射」の俗称の由来となっています。

アリシン自体にもビタミンB1の働きを助けて体の活力を高める作用があるとされ、B1誘導体と組み合わせることで吸収性と効果を高めた製剤が用いられています。

一般的な配合成分

にんにく注射の処方内容は医療機関によって多少異なりますが、総じて以下のようなビタミン類・栄養素が含まれることが多いです。

  • ビタミンB群:
    ビタミンB1(またはフルスルチアミン)を主軸に、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(シアノコバラミン)などが組み合わされます。
    これらB群はエネルギー代謝や血行促進、神経機能維持に協調的に働き、疲労回復や筋肉痛・神経痛の軽減に効果が期待されます。
    クリニックによってはナイアシン(B3)やパントテン酸(B5)、葉酸など他のB群を加える場合もあります。
  • ビタミンC:
    抗酸化作用や免疫機能改善を狙って、アスコルビン酸(ビタミンC)を追加することも一般的です。
    ビタミンCは疲労時に消耗しやすく、コラーゲン合成や美肌効果もあるため、疲労回復と美容の両面をサポートします。
  • アミノ酸類:
    必須アミノ酸やグリシンなどのアミノ酸製剤が含まれるケースもあります。
    アミノ酸は筋肉修復や肝機能改善に寄与し、疲労時の栄養補給に役立ちます。さらに一部のクリニックではグリコーゲン(ブドウ糖)や、肝機能改善薬であるグリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンシー)を配合し、全身の代謝補助と抗炎症効果を狙った「強力にんにく注射」を提供しています。

以上のように、にんにく注射はビタミンB1を中心に複数のビタミンや栄養素をブレンドした総合ビタミン注射であり、疲労回復のみならず美容や免疫力アップを目的として成分強化されたメニューも存在します。

各医療機関で配合は異なるため、目的や体調に応じて成分を確認しながら施術を受けることが望ましいでしょう。

【参考】
ニンニク注射

必要な成分を注射から。にんにく注射、ビタミン注射、プラセンタ注射...美容注射の効果について

ニンニク注射の効果や成分・持続時間について解説【疲労・ストレス】

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|安全性と副作用、推奨摂取量、禁忌

推奨摂取量

ビタミンB1の食事からの推奨摂取量は、日本人の場合成人男性で約1.4 mg/日、成人女性で約1.1 mg/日と定められています。

通常の食生活で十分量を摂取している限り、B1が極端に不足することは稀ですが、偏った食事やアルコール過剰摂取などで不足リスクが高まる場合があります。

そのような場合にはサプリメントや強化食品で1日の必要量を補うことが推奨されます。ビタミンB1は水溶性で尿中に排泄されやすいため、こまめに摂ることが理想的です。

安全性と過剰摂取

ビタミンB1は安全域の広いビタミンとされています。水溶性で体内蓄積しにくく、余剰分は速やかに尿中排泄されるため、過剰症(中毒症状)はほとんど報告されていません

厚生労働省もビタミンB1に耐容上限量は設定しておらず、経口摂取では通常は過剰摂取の心配はないと考えられます。

また、臨床試験において1日300~1800 mgといった高容量の経口投与や、500 mgの静脈投与を行ったケースでも、有害事象は偽薬群と差がないかごく軽微な一過性症状に留まり、安全に投与可能であったとの報告があります。

副作用(にんにく注射時)

にんにく注射自体はビタミン剤によるものであり、適切な範囲で施行すれば副作用は少ないと考えられます。報告されている主な軽微な副反応としては、以下のようなものがあります。

  • ニンニク臭:
    注射後しばらくして体臭や息がニンニクのような匂いを帯びることがありますが、これは製剤中のアリシンが血流に乗って体内を循環し、鼻や肺から放出されるためです。
    匂いは一時的なもので、数時間~半日程度で自然に消失します。
    気になる場合でも入浴や水分摂取で和らぐことが多いです。
  • アレルギー反応:
    極めて稀ではありますが、ビタミンB1製剤に対するアレルギー(過敏症)反応が起こる可能性があります。
    症状として発疹、掻痒感、呼吸困難、血圧低下(アナフィラキシーショック)などが報告されています。
    特に以前にチアミン製剤でアレルギーを起こしたことがある人には禁忌となります。
    そのため初めて施行する際は慎重に経過観察されることが望ましいです。
  • 注射局所の反応:
    他の注射と同様、注射部位の疼痛・発赤・腫れなど局所的な副反応が起こる場合があります。
    消毒や針刺入による一過性のものがほとんどですが、まれに内出血や硬結が残ることもあります。
    適切な技術で投与し、術後は揉まないよう注意することで軽減できます。
  • 消化器症状:
    経口摂取の場合、まれに胃部不快感、吐き気、下痢などが起こることがあります。
    注射では消化管を介さないためこれらは通常起こりませんが、高容量を急速静注した際に一時的な吐き気を催す例が報告されています。

禁忌事項

上記のようにビタミンB1製剤に対する重篤な過敏症の既往がある場合は投与禁忌です。
それ以外に一般的な食事量でのB1摂取に問題がある疾患はありませんが、慢性アルコール依存症や重度の栄養失調状態ではまずビタミンB1欠乏を是正する必要がある(経口より注射が推奨される)ことが知られています。
また、利尿薬を常用している人や透析を受けている人ではB1の排泄が増えて欠乏しやすいため注意が必要です。

総じて、ビタミンB1(にんにく注射を含む)は適正に用いれば安全性が高く、副作用も稀です。

必要量を満たすことでエネルギー代謝や神経機能が正常化し、疲労や体調不良の改善が期待できます。ただし「足りている以上に摂ればさらに元気になる」というものでもないため、過度な頻回投与は避け、バランスの良い食事を基本としつつ不足時の補完的手段として賢く活用することが重要です。

【参考】
にんにく注射(ビタミンB1)とは?

Randomised clinical trial: high-dose oral thiamine versus placebo for chronic fatigue in patients with quiescent inflammatory bowel disease

Vitamin B1 (Thiamine) Deficiency

必要な成分を注射から。にんにく注射、ビタミン注射、プラセンタ注射...美容注射の効果について

What to know about thiamin (vitamin B1)

ビタミンB1(チアミン): 生理的役割からにんにく注射まで|まとめ

最後にこの記事をまとめます。

  • ビタミンB1は糖代謝を助ける補酵素である
  • 欠乏すると疲労や神経障害を引き起こす
  • 高用量のB1補給は慢性疲労改善が期待される
  • 美容やストレス対策にも間接的に役立つ
  • 注射は経口より吸収効率と即効性が高い

にんにく注射について詳しく知り合い方は、こちらの記事もご参照ください。

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