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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!放置すると脳卒中を引き起こすかも

2022.10.12

睡眠時無呼吸症候群を放置すると…。 脳卒中を引き起こすって、本当? このような疑問にお答えします。 この記事では「睡眠時無呼吸症候群と脳卒中との関係」について解説していきます。睡眠時無呼吸症候群にお心当たりのある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

【目次】
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中について語る前に
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を引き起こす理由について
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中とは?
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中は日本人の死因第4位です
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中の他にも様々な合併症を引き起こします
【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症1】糖尿病
【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症2】高血圧
【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症3】脂質異常症
【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症4】心筋梗塞
【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症5】精神疾患
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を予防するために治療しましょう
睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を放置して合併症を招かないためにも

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中について語る前に

はじめに「睡眠時無呼吸症候群」について解説します。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気。医学的な定義では、無呼吸の状態が7時間睡眠の間に30回以上。もしくは1時間の中で5回以上起こっていれば「睡眠時無呼吸症候群」となります(※気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います)。なお、睡眠時無呼吸症候群は大きく3つのタイプに分類されます。詳しくは「睡眠時無呼吸症候群の原因について解説しているサイト」に記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。

自宅で過ごす若い女性 - 睡眠 ストックフォトと画像

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を引き起こす理由について

睡眠時無呼吸症候群は一時的に呼吸が止まるだけの疾患ではありません。呼吸が止まることにより血液中に取り入れられる酸素量が大幅に減少し、血液中の酸素濃度を表す「動脈血酸素飽和度」は呼吸不全状態と同様にまで落ち込みます。そして、酸素不足を補うために心拍数は上昇。これに従って血圧も急激に上がります。睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと「心臓」や「脳」「血管」に大きな負担がかかるこの異常状態が何年も続くことになります。ですから、次第に負担が蓄積され、脳卒中や心筋梗塞などの疾患を併発する要因となるのです。なお、睡眠時無呼吸症候群と脳卒中の関係については「睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも、同様のことを言っております。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中とは?

医師脳 mri - 脳卒中 ストックフォトと画像

脳卒中とは、急性期脳血管障害のことを指し、突然脳の血管が詰まったり、破れたりして引き起こされる病気の総称です。具体的には、以下の病気が挙げられます。

【脳梗塞】

脳梗塞とは脳の血管が突然つまって血流が途絶え、脳の細胞が死んでしまう病気です。早期に適切な治療を受けないと後遺症をきたしたり、死亡してしまう可能性があります。脳梗塞には血管のつまり方によって、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の3種類に分けられます。なお、脳梗塞については「睡眠時無呼吸症候群と脳梗塞の関係について解説しているサイト」でも述べております。

【脳出血】

脳出血とは、脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などが起こります。脳出血の直接の原因は、文字通り「出血」。脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となって周囲を圧迫。その結果、脳細胞を破壊して様々な症状を引き起こします。

【くも膜下出血】

くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる「脳表面の膜」と脳の空間に存在する血管が切れて起こる出血です。くも膜下出血の症状は、突然激しい頭痛が起こるため「バットで殴られたような痛み」と形容されます。くも膜下出血は、約30パーセントの人は治療により後遺症なく社会復帰します。しかし約50パーセントは初回の出血で死亡するか、病院にきても治療対象とならず、残り20パーセントでは後遺障害を残します。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中は日本人の死因第4位です

医者の予約を持っている年配の女性 - 脳卒中 ストックフォトと画像

脳卒中は、がん、心疾患、肺炎に次いで日本人の死因第4位の疾患。死亡要因になるのと同時に後遺症が残ることが多く、寝たきりになりやすいのも特徴です。脳卒中は以前よりは減ってきましたが、いまだ日本における死因の第4位。ですから、国民病のひとつだと言えるでしょう。脳卒中の危険性については「中枢性睡眠時無呼吸症候群について解説しているサイト」でも同様のことを言っております。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中の他にも様々な合併症を引き起こします

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることによって「覚醒反応」や「血液の酸素量低下」が起き、脳卒中の他にも様々な合併症を引き起こします。ですから、睡眠時無呼吸症候群にお心当たりのある方は放置せず、お近くの「かかりつけ医」に相談しましょう。なお、睡眠時無呼吸症候群は脳卒中以外に下記のような合併症を引き起こします。

ベッドで胸の痛みに苦しむ先輩男性 - 脳卒中 ストックフォトと画像

【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症1】糖尿病

糖尿病とは、インスリンの作用不足により高血糖が慢性的に続く病気。(インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています)血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症2】高血圧

高血圧症とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。高血圧症は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれております。
高血圧については「睡眠時無呼吸症候群の原因を解説しているサイト」でも述べております。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症3】脂質異常症

 脂質異常症(高脂血症)とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態のことをいいます。脂質異常症は多くの場合、自覚症状がありません。脂質異常症の状態が続くと動脈硬化症をきたし、狭心症や心筋梗塞といった合併症が生じるリスクが高まります。ですから、絶対に放置してはいけません。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症4】心筋梗塞

心筋梗塞とは、心筋に血液と酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることです。これにより、心筋が酸素不足に陥り壊死を起こしてしまう状態をいいます。心筋梗塞は日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で、突然死の原因にもなり得る、恐ろしい疾患の一つです。

【睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中以外の合併症5】精神疾患

精神疾患とは、脳の働きの変化によって、感情や行動などに著しいかたよりが見られる状態。統合失調症やうつ病、双極性障害(躁うつ病)などが挙げられます。睡眠時無呼吸症候群によって、日中に眠くなり、昼間に長時間の睡眠をとってしまう。すると夜眠れなくなり、翌朝に疲れが残る。こういった症状が続くと気持ち的な面でもやる気が起きなくなり、精神疾患に陥る可能性が高くなります。精神疾患については「睡眠時無呼吸症候群の合併症について解説しているサイト」でも述べております。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を予防するために治療しましょう

脳卒中は日本における死因の第4位。非常に危険な疾患です。しかし脳卒中は、他の疾患によって血管が傷むことで引き起こされるので、原因となる疾患を治療すれば予防することが可能。ですから、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、まずしっかりと治療を行いましょう。脳卒中を予防するための治療法については「SAS 対策支援センター」で詳しく解説しております。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因を突き止めよう!脳卒中を放置して合併症を招かないためにも

現代医療センターで気配りの行き届いた女性医師を訪問する若い女性 - カウンセリング ストックフォトと画像

これまでにご紹介した通り、睡眠時無呼吸症候群は極めて危険な病気。単なる睡眠障害ではありません。最悪の場合、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こし、突然死に至る恐れもあります。ですから、睡眠時無呼吸症候群の症状が疑われる場合は放置せず、まずは身近な「かかりつけ医」に相談しましょう。